朝日新聞
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2017年の国公立の大学特集
2016年の国公立の大学特集

熊本大学 歴史と伝統 さらに、その先へ 「地域の核・拠点となりうる大学に進化していきたい」と話す原田信志学長 熊本大学 歴史と伝統 さらに、その先へ

「地域の核・拠点となりうる大学に進化していきたい」と話す原田信志学長

「地域の核・拠点となりうる大学に進化していきたい」と話す原田信志学長

Spirit in action × Kumamoto University

夢中になれることを在学中に見つけてほしい

「シュバイツァーや野口英世にあこがれて医者になりたいと思いました。本学の医学部で勉強の楽しさを知り、知識を得ることが面白くてたまらなかった」

学生時代をこう振り返る原田信志学長。医学研究に没頭し、米国留学を経て、日本で先駆的なエイズ研究の道を開いた。若い世代にも夢をもって学んで欲しいと願う。

熊本大学は第五高等学校(五高)の歴史を受け継ぎ、文学部、教育学部、法学部、理学部、医学部、薬学部、工学部の総合大学として1949年に誕生した。現在、国立大学で唯一のエイズ専門の研究センターや生命分野の発生医学研究所を持つほか、工学系のマグネシウム合金、パルスパワー研究、人文系では旧熊本藩主細川家伝来の美術品や古文書、歴史資料を集めた永青文庫の研究など、独自の研究分野で知られる。

附属図書館。阿蘇家文書をはじめとする貴重な史料も所蔵

附属図書館。阿蘇家文書をはじめとする貴重な史料も所蔵

「大学の役割は、研究、教育、社会貢献です。なかでも熊大は研究に力を入れています。優秀な人材を国内外から集め、核となる研究者を中心とした研究の先鋭化、国際化をめざしています」

また産学連携が進んでおり、外国企業との研究費は全国の大学で8位(「大学ランキング2019」から)、企業との共同研究の規模も全国有数だ。

「生命系の研究を中心に海外の企業と連携して大きな成果を上げています。こうした熊大の強みを生かした戦略が今後さらに必要となるでしょう」

熊大スピリットと伝統を未来へ生かす

五高の「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)」の校風は今も受け継がれている。

「飾らず、正直であれ。強い意志を持ち、時代を切り開く気骨を持てというもの。熊本の誇りでもある五高の精神は、『肥後もっこす』と呼ばれる熊本の県民性にも息づいています」

2013年に策定された大学のコミュニケーションワード「創造する森 挑戦する炎」。この言葉は、熊大の伝統と歴史、そして未来を切り開く熊大スピリットをよく表している。

「森の都・熊本で阿蘇の炎のようなエネルギーを燃やして、果敢にチャレンジすること。その熱い思いは、大学の研究、教育、社会活動といった分野に脈々と流れ、生きています」

国際化への取り組みにも熊大らしさが見られる。地域と一体となって国際化をめざすという取り組み、「熊大グローバルYouthキャンパス事業」だ。

熊大には海外からの留学生や教員が多数在籍している。国際化を地域にも広めようと、留学生が地元の中学校や高校を訪問したり、日本人学生が留学体験を報告する会を設けたり、地元の高校生などが国際的な学びを体験できるような取り組みが、この事業だ。若い世代や地域を巻き込んだ国際化といえる。

また、17年にはグローバルリーダーコース(GLC)が文・法・理・工学部に開設され、各学部で専門教育に加えて英語でのコミュニケーション能力や国際感覚を身につけるための独自のカリキュラムが作られた。

さらに留学生と地元企業とのマッチングにも力を入れる。

「海外からの学生に地元企業の情報を提供し、就職先を紹介するシステムを作っています。アジアなど海外進出を考えている企業からのニーズは高く、地元企業の活性化にもつながります。熊本で学んだ学生がその後も地元で活躍してくれればうれしいです。日本語のスキルアップなど、留学生が日本で仕事をするために必要な教育プログラムにも力を入れていきます」

熊本地震を契機に成長を遂げた学生たち

修復作業が続く熊本大学五高記念館

修復作業が続く熊本大学五高記念館

16年の熊本地震では自発的に支援に参加する学生の姿が目立った。地震直後、キャンパス内の体育館と運動場は一時避難場所に指定されていたが、学生たちは自発的に集まり、避難場所の運営を行った。運営が市に引き継がれた後も学生たちは閉鎖まで活動を続けた。

「学生たちのパワーにあらためて驚きました。彼らはきっかけがあればすごい力を発揮する。震災直後から現在まで続くボランティア活動にそれが表れています。学生たちは震災を契機に変わりました。出会いときっかけが大きな成長を生み出すのだと感じています」

今後も熊本城の調査復旧、文化財の修復、被害が集中した益城町に設置したサテライトラボである「ましきラボ」といった復興支援を全学態勢で続けていくという。

「地元の大学として精いっぱいの支援活動を学生と一緒に続けていきたい」

と原田学長は力を込めた。

熊本復興へ向けて

熊大生が運営する観光情報サイト

くまりずむのメンバー。36人の学生が在籍している

くまりずむのメンバー。36人の学生が在籍している

「Kumarism(くまりずむ)」は、2016年6月に立ち上げられた、熊大の学生が運営する観光情報サイトだ。

きっかけは熊本地震後の風評被害だった。復興支援にはいろいろなアプローチがあるが、くまりずむは、大学生の目線で観光地のリアルな「今」を発信し、観光客を呼び戻し、復興支援につなげていく。

週一回のミーティングで取材先を決め、編集状況などをチェック。カメラマン、ライター、編集などそれぞれに役割を決め、学生が主体となって情報発信している。

代表の古賀愛深さん(文学部3年)は、「大学生らしいコンテンツに特化して、ツイッターやインスタグラム、動画の発信もやっていきたい」と話す。阿蘇や天草など県内各地を歩き、自分たちの目で見て、聞いて、感じたことを大切にしている。

宮園葉月さん(文学部3年)は、阿蘇でとうもろこしの収穫を手伝ったときに、草原再生のボランティア活動を知った。カメラマンの杉本翼さん(工学部4年)は、山都町のITを活用した街づくり活動を取材し、地域活動の幅広さに驚かされたという。

地域活性化事業の一環として、地元の高校生に観光記事作成を教える「みらいずむ」という活動にも力を入れている。学生が高校に出向き、記事の書き方やレイアウトなどを指導する。地元の高校生からは地域の魅力などを紹介してもらうことで相互交流が生まれる。

「今後は高校生から教えてもらった観光情報や話題の発信にも力を入れていきたい」(古賀さん)

Campus Topics

1 目標はノーベル賞!
世界的革新をもたらす、次世代を担う研究分野を採択

大学院先端科学研究部の澤進一郎教授

大学院先端科学研究部の澤進一郎教授

「ノーベル賞級の研究を生み出す」――2017年9月にスタートした「みらい研究推進事業」の目標はシンプルだ。熊大は同年5月に学内で研究の公募を開始した。18件の応募から「ユニーク・ライブラリーを活用した次世代型創薬研究」(大学院生命科学研究部・杉本幸彦教授)や「基礎科学研究を基盤とした生物資源開発と農薬開発、農水産業展開」(大学院先端科学研究部・澤進一郎教授)など8件の研究を採択した。選ばれた研究には文部科学省の科学研究費助成事業で最高ランクの「S」に認定されたものもある。

「次世代の熊大の強みとなる研究を育てるとともに、最先端の研究に学生が触れられる環境も整えていきたい」(URA推進室の福田直子研究コーディネーター)

2 英語が飛び交う空間
世界とつながる人材育成をめざし、グローバル化が進む

グローバル教育カレッジ棟のラウンジの様子

グローバル教育カレッジ棟のラウンジの様子

休憩時間、グローバル教育カレッジ棟に留学生と日本人学生が集まってきた。「調子はどう?」「いい週末だった?」――交流ラウンジには英語が飛び交う。

2016年3月に完成したグローバル教育カレッジ棟は、17年に開設されたグローバルリーダーコースの本丸だ。カレッジ長の小池ウルスラ教授は、「グローバルリーダーコースでは、世界から集った多様な学生と関わることで、熊本にいながら国際感覚を磨くことができます」と話す。学生は2年間、リベラルアーツなどの基礎能力を磨き、3年次から学科とコースを選択して高度な専門能力を習得する。授業のほとんどは英語で行われる。

「国内外の課題をグローバルな視点で考え、果敢に行動できる人材を育成していきたい」(小池教授)

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