朝日新聞
 広告特集 企画制作:朝日新聞社メディアビジネス局
2017年の国公立の大学特集
2016年の国公立の大学特集

京都大学 基礎研究を突き詰めて 人類の未来を変える 京都大学のシンボル「時計台」 京都大学 基礎研究を突き詰めて 人類の未来を変える

京都大学のシンボル「時計台」

京都大学のシンボル「時計台」

Change our future × Kyoto University

自由をモットーとする京大らしい研究機関

中国出身、米国で博士号を取得した王丹准教授。「京大には、世界トップレベルの研究ができる環境が整っています」と話す

中国出身、米国で博士号を取得した王丹准教授。「京大には、世界トップレベルの研究ができる環境が整っています」と話す

京都大学は、日本の大学で最も多くの研究所を持ち、附属研究所と研究センターあわせて20ある。王丹(おうたん)特定拠点准教授が所属する、京都大学高等研究院物質―細胞統合システム拠点(iCeMS)もその一つだ。

iCeMSがめざすのは、生命の謎を探究するとともに、生命現象にヒントを得た優れた材料を創出することだ。その研究には、細胞生物学、生物物理学、材料科学など5分野の研究者たちが携わっている。このiCeMSを王准教授は「極めて刺激的な研究空間」と表現する。さまざまな分野から優秀な研究者が集い、思いのままにディスカッションを繰り広げている。

「自由な環境の中で、私たちは世界中の90%の研究者が気づいていない10%の未知の世界の解明に取り組んでいます。自分とは異なる分野の研究者の話は刺激に満ちていて、日々、思考の枠が広がる実感があります」

知性を育む脳内のネットワーク

王准教授の専門は神経科学。人間の知性や精神が形成されるメカニズムを解き明かすため、日夜研究に没頭している。

ヒトの脳には約1000億の神経細胞があり、これがシナプスと呼ばれる接合部でつながり、複雑で巨大なネットワークを形成している。そのつながり方は五感で受ける刺激に応じて常に書き換えられている。

「学習や経験によってシナプスのネットワークのつながり方が変わることで、知性が培われていくのです。接続に何らかの異常が起きるとアルツハイマー病などの神経変性疾患を引き起こすケースもあります」

脳のダイナミズムを突き止める

iCeMSには世界各国から優秀な若手研究者が集う

iCeMSには世界各国から優秀な若手研究者が集う

では、神経細胞のネットワークはどのように形成されるのだろうか。

「神経細胞は外部からの刺激に応じて、ネットワークのつながり方を変えます。そのカギを握るのがRNAです。刺激を受けると細胞のDNAが特定のタンパク質を作る指示を出します。この指示がRNAにコピーされ、細胞の樹状突起という部分に届けられてタンパク質が作られる。このタンパク質により樹状突起の一部が変形して他の細胞とつながり、新たなネットワークが形成されるのです」

王准教授は、学習とシナプスの関係性について、2009年に科学誌の最高峰である米「Science」で発表。15年には、生きたマウスの脳内で、RNAの一連の動きを可視化することに世界で初めて成功した。

ただ、タンパク質によって樹状突起が変化するだけでは、複雑な外的状況に応じた接続ができない。研究の結果、王准教授は、RNAが酵素によって化学的に変化することでシナプスに多様な遺伝子が発現し、脳内ネットワークが必要に応じた形でつながることを突き止めた。

この研究成果は先月、英「Nature Neuroscience」オンライン版で取り上げられたばかり。こうしたシナプス接続のメカニズム解明は、精神疾患の治療の一助になると期待されている。

因果関係を解明する それが基礎研究の役割

中国・瀋陽(しんよう)生まれの王准教授はテレビで映画「伊豆の踊子」を観たことで、日本に興味を持った。

「外国人がほとんどいない環境で生まれ育って、まったく見たことのない文化に衝撃を受けました。それで日本語を勉強しだしたんです」

やがて奨学金を得て来日。医師の家系に生まれたこともあり、もともと関心のあった生命科学の道に進むため、東京工業大学に入学した。同大学院で修士まで学び、米国に研究拠点を移して博士号を取得。その後、理化学研究所を経て、京大に招かれた。

王准教授は基礎研究の意義を、次のように語る。

「いまAI(人工知能)が急速に発達する中、因果関係を問い詰める基礎研究の重要性を再認識しています。AIが教えてくれるのは、たとえば脳内の特定のネットワークに異常があると、ある病気を発症するといった相関関係にとどまります。人間では発見できないような相関関係を教えてくれるAIはもちろん重要です。ただし相関関係で可能なのは未来予測まで。基礎研究により因果関係を突き止めることができれば、脳内ネットワーク異常が発病につながるメカニズムを解明できる。そうすれば、治療の可能性が出てきます」

優れた研究は、人類の未来を変える力を持つのだ。

Top Interview
大学ランキング編集長が聞く

自分なりの"おもろい"テーマを追究しよう

北野 正雄 副学長

北野 正雄 副学長

京大は全国の大学学長による教育+研究面に関する総合評価で1位となった(「大学ランキング2019」から)。その理由を北野正雄副学長は「誰もが自由に研究できる環境が、本学にあるからでしょう」と推測する。

「研究はロマン」と語る北野氏自身は、量子エレクトロニクスの研究に長年携わってきた。この分野ではすでに1950年代に、10万年に1秒しか狂わない原子時計が開発されている。それほどの精度が、一体何のために必要だったのか。

「研究者にとって大切なのは、必要性よりも、それが"おもろい"かどうか。けれども結果的には、精密な原子時計があるおかげで、現在の人々の暮らしに欠かせないGPSが開発されたのです」

研究者が自分のテーマを純粋に突き詰めるのが基礎研究であり、それがいつかは実用につながる。これが研究の醍醐味であり、ロマンだ。

京大では、ユニークな研究者の卵を集める一つの手段として特色入試を行っている。

「特色入試の問題は、各学部から受験生へのメッセージです。学部ごとに"おもろい"問題を考え抜いて出題しています。各テーマにピンと来る人を求めているのです」

さらに「大学生活を刺激に満ちたものとする」ため、学部留学生を増やす取り組みに力を入れているという。留学生とのコミュニケーションは基本的に英語なので、学部時代から英語を使う機会が増える。また、考え方のまったく異なる、海外の若者とのコミュニケーションは思考の枠を広げることにもなる。

「"おもろい"ことを考えるのが好きな人は、ぜひ京大をめざしてほしい。自分なりの"おもろい"テーマを探す自学自習の学生生活はきっと、長い人生の中で何ものにも代え難い財産となるはずです」

Student’s Voice

世界中でまだ誰も見たことのないような遊園地を設計したい

工学部3年生 荒井 りらこ さん

工学部3年生
荒井 りらこ さん

小学校時代から算数が得意な理系女子でした。高校生になるとデザイン系の仕事に興味を持ち、建築の世界をめざすことに。建築学科でも意匠に強い京大を選びました。京大には町家の研究者や、昔の小学校のリノベーションを課題に出す先生がいて、京都ならではの学びにわくわくします。昨年の夏のスペイン旅行で、建築的思考が少しは身についたと実感しました。サグラダ・ファミリアでは、ステンドグラスの美しさに感動する一方、あまりに高い天井を支える柱のスパンが長すぎて、構造力学的に大丈夫なのかと気になって仕方ありませんでした。今後は大学院で学びを深めて、将来は遊園地を設計したい。“ぶっ飛んだ”デザインの遊園地を世界のどこかに残す。それが私の夢です。

誰と話しても発想が自由
自分で思いもよらない視点に刺激を受ける毎日

教育学部2年生 大平 優斗 さん

教育学部2年生
大平 優斗 さん

教育系の学部で学びたい。そんな思いは早い時期から固まっていました。教育学部のある大学の中でも京大にひかれたのは、教育そのものの研究に進む道もあるから。教育方法や教材、授業の作り方などにも興味があるのです。高校時代に生徒会長を2期務めた実績や、徳島県知事との対談経験をアピールし、特色入試で合格しました。ユニークな考えを持って入学したと自負していましたが、まわりにはもっとすごい人がたくさんいる。これが京大らしさなのでしょう。同じく特色入試で入った仲間は、僕が考えもつかないような行動を実践していますし、他学部の学生と一緒に学ぶゼミ形式の授業では、同じテーマにみんなが違う切り口から意見を出します。毎日、多種多様な刺激があり楽しいです。

関連書籍のご案内

国公立大学 by AERA 2019
好評発売中!

全国13の国立・公立大学を徹底取材。
大学の枠を超えたグローバルな研究や、さまざまな現場での教育、学生たちの素顔など、
それぞれの大学の魅力をオールカラーで紹介しています。

プロフェッサー・ビジット
参加高校募集中