朝日新聞
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2017年の国公立の大学特集
2016年の国公立の大学特集

公立諏訪東京理科大学 AIなどの技術を学び 地域と緊密に連携する 八ケ岳のふもとの傾斜を利用したキャンパス 公立諏訪東京理科大学 AIなどの技術を学び 地域と緊密に連携する

八ケ岳のふもとの傾斜を利用したキャンパス

八ケ岳のふもとの傾斜を利用したキャンパス

諏訪から世界へ × Suwa University of Science

工学系大学としての特色を鮮明にする

私立大学から公立大学へ。八ケ岳のふもとの緑豊かな自然に囲まれた諏訪東京理科大学が2018年4月、公立諏訪東京理科大学として生まれ変わった。

公立化によるメリットは多い。自治体から交付金を得られるため、学費負担が減り、学生はより落ち着いて勉学に励むことができる。また、公立大学として全国的な認知度が高まり、熱意のある学生を幅広く集めることもできる。

公立化にあたり、長野県中南部エリア唯一の工学系大学としての特色をさらに鮮明にするため、学部を再編。工学部、経営情報学部の2学部4学科制から、工学部に情報応用工学科と機械電気工学科を置く1学部2学科制とした。教育方針には「ものづくり」「情報技術」「マネジメント」の三つの柱を据えた。

諏訪地域は伝統的に精密・光学機器、情報、自動車部品などの企業が数多く立地する、日本でも有数のものづくり産業の集積地だ。こうした地域の特性を生かした教育プログラムで、ものづくりを担う人材を育成する。いま、ものづくりをめぐる環境はAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)など情報通信技術の急速な進展によって大きく変化しようとしている。河村洋学長はこう語る。

「国内外を問わず、さまざまな分野へのAIの応用に関心と期待が高まっていますが、本学では早くからAIをはじめとした情報通信技術に関するプログラムに重点を置いて公立化の準備をしてきました」

工学だけでなくマネジメントも学ぶ

「自分の道を究めるには夢を持つことが大切。どんな夢を持てるかは学びによって決まる。本学での学びを通じて学生たちに夢を広げてほしい」と話す河村洋学長

「自分の道を究めるには夢を持つことが大切。どんな夢を持てるかは学びによって決まる。本学での学びを通じて学生たちに夢を広げてほしい」と話す河村洋学長

また、最先端の技術を企業や社会に役立てるには経営的な視点が不可欠で、学生全員が経営学を学ぶマネジメント教育を実施する。「工学と経営学の融合教育」だ。河村学長が続ける。

「諏訪地域には中小企業が多く、工学部の卒業生が早くから経営の一線に立つ必要があり、マネジメントの知識を身につけることが重要なのです。マネジメントといっても企業の経営だけを意味するわけではありません。企業が生み出した技術を、どう世に出していくか。それを考えるうえでもマネジメントのセンスが必要なのです」

こうした幅広い視野を持った実践力のある人材を育てていくのが公立諏訪東京理科大の目標だ。地域とのつながりが深いのも大学の特徴の一つ。同大の教員が話す。

「地元企業と大学の距離は、東京の大学とは比較にならないほど近い。研究に必要な部品1個でも、お願いすればすぐにつくってもらえますし、地元企業との共同研究も数多く行っています」

河村学長自身、10年4月の学長就任以来、地元企業の経営者に会うことを心がけてきたというが、公立化で企業からの期待はさらに高まっているという。

「全国から集まってきた学生が大学で学び、卒業後は地元企業で活躍してもらいたい。そんな期待が大きくなっています」

私立大学の時代から、地元の長野県をはじめ山梨県、中京圏、関東圏など入学者の出身地域は幅広かったが、公立化とともにさらに出身地も広がっている。就職先も長野県内のみならず、関東圏をはじめとする地域に卒業生を送り出してきた。

また、18年、人工知能、農業理工学、医療介護、次世代輸送システムなどの領域で「地域連携研究開発機構」を新たに設置。地域の産業との連携を強めるとともに、先端的な技術開発を進めようとしている。

地域と連携し世界に羽ばたく

東京理科大学OBの書道家、武田双雲氏による校名碑

東京理科大学OBの書道家、武田双雲氏による校名碑

東京理科大学大学院への特別推薦入学制度や同大との共同研究、海外短期語学研修への参加など、姉妹校提携もしっかりと継続している。さまざまな取り組みの成果は、すでに具体的な数字に表れている。例えば、公立化のスケジュールがすでに公表されていた17年度入試から志願者数が急増。それ以降、入学者数は定員を上回っている。

大学、そして地域が求める人材を選抜する入学試験のあり方について、河村学長はこう話す。

「理工系大学である以上、数学、物理といった基礎学力は大事です。同時に地域と連携し、さらに世界に羽ばたける人に来てもらいたい。そうした能力を総合的に判断できる入試にしたいと考えています」

公立大学としての歩みは始まったばかりだ。河村学長はこう強調する。

「人は学べば学ぶほど自分の夢を広げることができます。学びによって自分の夢を広げ実現する。そんな学びの場を提供するのが本学の役割なのです」

LABORATORIES

印刷感覚でつくる太陽電池。
人の健康状態に応じて必要な養分を備えた農作物を提供する

工学部機械電気工学科 渡邊 康之 教授
工学部機械電気工学科 渡邊 康之 教授

渡邊康之教授の研究室では、インクジェットのような印刷技術で作製する有機薄膜太陽電池、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)や有機トランジスタを研究している。例えば、ビニールハウスの表面に有機薄膜太陽電池を印刷できれば、光合成に必要な光は通し、残る光で発電することが可能になる。有機ELなどと組み合わせて農作物の栽培に関するデータを収集し、AIで解析することで、人の健康状態に応じて必要な養分を備えた農作物を提供するなど、まったく新しい農業の未来を開く可能性がある。

バッハの「新曲」をAIが作曲。
蓄積された膨大なデータを解析し将来を高精度に予測する

工学部情報応用工学科 山田 哲靖 教授
工学部情報応用工学科 山田 哲靖 教授

作曲家バッハの「新曲」がパソコンから流れる――。山田哲靖教授が開発中のAIがつくったものだ。バッハの音楽データを大量に学び、バッハの特徴的なメロディーを解析することで可能になった。車の車種ごとの生産量や販売数、自動車部品の受注数などのデータを解析し、将来の部品の受注数を高精度で予測するシステムを応用したものだ。業務特化型ではなく、多くの仕事をこなせる「汎用型AI」の開発が目標だ。写真は山田研究室。AIが教授、鍵盤、猫のぬいぐるみなどを認識していることがわかる。

パーソナルモビリティを開発。
重心を動かして全方向に移動できる小型の乗り物「オムニライド」

工学部機械電気工学科 星野 祐 教授
工学部機械電気工学科 星野 祐 教授

星野祐教授の研究室では、専門の制御工学、ロボット工学を応用し、重心移動による操縦が可能なパーソナルモビリティ「オムニライド」を開発している(写真)。車輪の代わりに一つの球を使った、座り乗り電動自転車のようなイメージの乗り物だ。運転者が乗っても倒れないように自動的にバランスをとり、重心移動によって全方向への移動が可能。この技術を応用し、斜面でも水平を保つ電動車いすなども開発している。介護や観光地、ショッピングセンターなどさまざまなシーンでの活用が可能だという。

Campus Topic

新たに国際交流センターを開設。
海外の大学と協定を結び 研究交流や語学研修などを推進する

大島 政英 国際交流センター長

大島 政英 国際交流センター長

公立諏訪東京理科大では2014年からベトナムなど東南アジアを中心とした地域での海外インターンシップ(就業体験)を続けている。諏訪地域に立地する日本企業の多くが東南アジアなどに拠点を置いていることで始まった交流事業だ。特にベトナムではホーチミン市工科大学とも提携。セミナーや食事会を通じ、学生や教員が交流を深めている。ベトナムを訪問した学生は「大学での学びを見直すいい機会になった」と話すなど、成果は着々と上がっている。

さらに、海外の他の地域との交流や海外留学、語学研修などを拡大するため、18年4月、国際交流センターを設置した。大島政英国際交流センター長は、「地元企業の経営者に『どんな学生を望むか』と聞くと、『入社後、すぐに海外で働ける人材』との答えが返ってきます。海外との研究交流も積極的に行いたい」と話す。18年6月に米ワイオミング大学、ホーチミン市工科大と協定を結んだ。海外ネットワークが広がる。

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