朝日新聞
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2017年の国公立の大学特集
2016年の国公立の大学特集

首都大学東京 学部再編成でさらなる「知」と「学び」の領域へ 南大沢キャンパスのモニュメント「空の目門(まど)」がある大学広場は、学生たちの憩いの場となっている 首都大学東京 学部再編成でさらなる「知」と「学び」の領域へ

南大沢キャンパスのモニュメント「空の目門(まど)」がある大学広場は、学生たちの憩いの場となっている

南大沢キャンパスのモニュメント「空の目門(まど)」がある大学広場は、学生たちの憩いの場となっている

学問の力で、東京を豊かに。 × Tokyo Metropolitan University

新たな時代要請に応え7学部23学科へ

2018年、首都大学東京は4学部7学科から7学部23学科へと学部学科を再編成した。これは、05年の開学から10年以上が経過し、社会が大きく変化するのに合わせて教育体制を新たに構築する目的で行われたものだ。これまで南大沢キャンパスと日野キャンパスに分かれていた工学系を統合し、情報科学科をシステムデザイン学部に創設。観光科学科と都市政策科学科を都市環境学部に設置するなどの改革を行った。

「この改革がどう受け止められるだろうと不安な面もありましたが、蓋(ふた)を開けてみれば一般入試の応募倍率は6・8倍と前年同様に高く、受験生たちに受け入れていただけたと安堵(あんど)しています」

と上野淳学長は話す。

「観光科学科はホテルワーカーを育てるような文系の学科ではなく、文理が融合し、観光都市の発展に貢献する真の意味でサイエンスを研究するユニークな学科です。4年後の成果を楽しみにしています」

世紀の祭典をさまざまな形で支援

東京マラソン2018のスタート地点。約3万6000人のランナーが参加した

東京マラソン2018のスタート地点。約3万6000人のランナーが参加した

首都大は教員と学生を合わせて約1万人の中規模大学であるため、学生と教員、教員同士の距離が近く、丁寧な研究、教育が行われているのが特徴だ。

「少なくとも1年間は南大沢キャンパスで専門の異なる学生が一堂に会して、切磋琢磨(せっさたくま)し合い勉強する。自然にも恵まれ、学びやすい環境です」

また、教員一人ひとりが質の高い研究力を持ち、それに呼応するように多くの学生が集まり、理系を中心に大学院へと進学。研究水準がさらに高まるという好循環が生まれている。

「学生諸君に東京都の公立大学であるというマインドが根差しているのかは分かりませんが、卒業後、相対的に国家・地方公務員となって行政にしっかり参画してくれている学生が多いのも、本学の特徴かもしれません」

16年開設のボランティアセンターでは、学生が障がい者スポーツやスポーツイベント、地域、高齢者などをサポートする活動に参加している。今年2月に開催された東京マラソンでは、90人ほどの学生が、ゴール地点でスタート時に預かった参加者の荷物を返却するボランティアを務めた。2年後に迫った東京2020オリンピック・パラリンピックでも、学生たちの活躍が期待されるが、首都大では東京都の公立大学ならではの方針がすでに決まっている。

「オリンピック期間中は原則として試験も授業もありません。4月の早い時期から授業を始め、オリンピックが始まるまでには前期の試験を終える予定です。やはり東京で開催される世紀の祭典ですから、ボランティアだけではなく、観戦することも大事です」

首都大では現在、大学としての将来像の策定を進めている。

「例えば、それぞれの学問分野でトップレベルに入るというような目標を掲げます。公立大として社会への説明責任も果たしつつ、大学としての"志"を示すものにしていければと。考える力や未来に挑戦する力を持った学生を育てていく礎となるビジョンにしていきたいです」

現在、全学生の約6%となる545人の外国人留学生も22年度までに10%にする目標を設定し、増員に力を入れていく。

「今年の入学式では、本学は海外留学に積極的で、いろいろな支援やプログラムも準備しているので、ぜひ挑戦してほしいと新入生に呼びかけました」

真の学びは学び続けるなかにある

「大学としての"志"を示していきたい」と上野淳学長は抱負を語る

「大学としての“志”を示していきたい」と上野淳学長は抱負を語る

上野学長は首都大の前身の一つである東京都立大学の出身で、専門は建築学。1964年の東京オリンピック開催時は高校生で、丹下健三氏の設計による国立代々木競技場第一体育館の斬新さに衝撃を受け、「より一層建築への興味が湧いた」と振り返る。その学びの道は現在も続いている。

「著しい科学技術の進化により、今ある職業が10年20年先にはどうなっているかわかりません。これからの時代で活躍するために必要なことは、時代の要請に従い学び続ける姿勢だと思います。学生たちには本学でその基礎を確立してもらいたいと考えています」

入試改革へ向けて

全入試区分で「学力の3要素」を評価
他大学に先駆け公表

アドミッション・センター長 川上 浩良 教授

アドミッション・センター長
川上 浩良 教授

2020年は大学入試が変わるスタート地点だ。首都大では昨年、入試改革を推進するためアドミッション・センターを設置した。

「この1年、新入試に向けた運営に取り組みつつ、高大連携事業を充実させ、東京都の教育委員会と連携した先端研究フォーラムも実施しました」

センター長の川上浩良教授はそう話す。22年度には高校の学習指導要領が改訂されるなど、大学入試を取り巻く状況は大きな変化が続く。アドミッション・センターの今後の役割は、それらを見据え全学的な体制を整えていくことだという。

「学生ごとに入学してから4年間のカリキュラムや成績、その後の就職先までを全て紐(ひも)づけたデータ化を進めていく予定です」

それらのデータを活用し、どういう学生に入ってもらうのが望ましいかを入試に反映させていく。

「現状でも、本学が第1志望だったり、学習意欲が高かったりする学生は、入学後、非常に伸びるということがデータ解析から分かってきています」

昨年11月、首都大では「大学入学者選抜における基本方針」を策定。20年以降の全ての入試区分で①「知識・技能」、②「思考力・判断力・表現力」、③「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の「学力の3要素」を評価するという方針を他大学に先駆け公表した。

首都大の入試は「一般選抜」とAO入試を含む「多様な選抜」と呼ばれる2種類に大きく分かれる。後者はもともとこの3要素を測る入試として機能しているが、一般選抜において、特に「主体性」をどのように測るかが大きな課題になる。

「これからは、知識や技能がAI(人工知能)やロボットに置き換わっていきます。そんな社会で活躍するために大切なのが『主体性』です。それをいかに評価するか、検討を進めています」

Campus Topics

1 研究の質が教育水準をさらに引き上げる好循環を確立

理学研究科物理学専攻・水口佳一准教授

理学研究科物理学専攻・水口佳一准教授

首都大の科研費の配分総額は国内の大学で25位、学術論文引用度指数は1位(ともに「大学ランキング2019」から)で、恵まれた環境から生まれる研究の質の高さが数字のうえでも証明された。昨年、超伝導理工学研究センターの水口佳一准教授が、物理分野では日本で11人が選出された高被引用論文著者(Highly Cited Researchers) 2017の一人となった。さらに今年4月には、文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞し、学内で4人目となる「先導研究者」に認定された。同大学では、卓越した研究実績があり、世界的研究拠点化につながる可能性のあるグループなどを「研究センター」として支援している。今後もさらなる研究者の活躍が期待される。

2 リーダーシップを発揮する
人材育成をめざすボランティアセンター

「どんどん活動が楽しくなっていきました」と神保彩乃さんは話す

「どんどん活動が楽しくなっていきました」と神保彩乃さんは話す

2016年1月に開設されたボランティアセンターでは、「スポーツボランティアプログラム」と「地域ボランティアプログラム」を開発・運営している。都市教養学部3年生の神保彩乃さんは、1年生からスポーツボランティアの活動を始めた。スポーツボランティアには一般、障がい者、地域交流と三つの分野があるが、「グランドソフトボールという障がい者スポーツのボランティアがきっかけで、障がいを持つ人のサポートに興味を持ちました」と神保さん。2年次からは、学生コーディネーターとして、学生の活動を支える。「2020年の東京オリンピック・パラリンピックのころは社会人ですが、なんらかの形でかかわりたいです」

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