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2012.2.16

大きな力を秘めた隣国・ロシアの企業研究を通じ
政治・経済の動向をつかむ

安達 祐子
外国語学部 ロシア語学科 准教授

ロシアを知ることは日本の重要な課題

目覚ましい経済発展を見せるBRICs諸国の一角として、世界から注目を集めるロシア。しかし日本人にとってはまだ遠い国のようで、2008年に内閣府が実施した調査でも、「ロシア人に親しみを感じる」とする人の割合はわずか13%にすぎません。一方、2004年にロシアで行われた調査では「日本が好き」という回答は37%にのぼり、フランス、ドイツに次ぐ第3位を占めました。現地では日本の電化製品や車はもちろん村上春樹の小説やアニメなど日本の文化も人気が高く、認識のギャップが窺われます。世界有数の資源大国であり、日本との関係も密になっている隣国・ロシアを知ることは日本にとって重要な課題だと言えるでしょう。

私の専門は現代ロシア企業で、主に石油・ガスなど資源開発を行う大企業について研究しています。市場経済への移行を経験したロシアで、これらの企業がいかに組織改革を行い、企業統治のあり方を発展させ、グローバル競争に耐えうる企業として成長してきたか。調査は企業データの分析や現地での意見交換、インタビューなどを通じて進めていますが、資源関係の大企業は政府との繋がりも深く、研究を通じてロシアの政治、経済の動向が捉えられることにも魅力を感じています。

今、ロシアを学ぶ意義

私は高校時代を米国で過ごしたのですが、大学では別の国について学んで視野を広げたいと考え、上智大学のロシア語学科に入学しました。ロシア語は当時ゴルバチョフ氏のもとで変革が進んでいた大国、ソ連の言葉であり、また、その響きの美しさに惹かれたのも、学びたいと考えた理由です。実際に地域研究を進めるなかで実感したのは、ロシアという国を深く理解するには、やはりロシア語の習得が不可欠だということでした。この時代、英語を理解していればある程度の情報は入手できますが、やはり現地の言葉で得られる情報とは量、質ともに大きな違いがあります。これはロシア人と会話でコミュニケーションを取る場合も同じです。また、自分の育った日本の文化や言語とは異なる言語、文化を学ぶことで、物事を比較しながら客観的に見るという視点が身についたことも、研究面、またそれ以外で大いに役に立っています。ロシア語は習得が難しいと言われがちですが、文字は比較的すぐ覚えられますし、文字と音の関係が規則的で、文法も変化形をマスターすれば大丈夫。学びやすい言語だと思います。

世界に羽ばたく意欲が高まる環境

外国語学部というと言葉だけを学ぶイメージがあるかもしれませんが、上智大学が重視しているのは「その言葉を使って何をするか」。ロシア語学科でも言葉と併せてロシア・ユーラシア地域の政治、経済、文学、文化などを広く研究し、それぞれの専門知識を習得することが可能です。私のゼミに所属する学生の論文のテーマも、日本企業のロシア進出やロシア資源産業の発展など多岐にわたり、卒業後の進路では、多くの先輩がメーカー、商社、マスコミなどさまざまな分野で、大学で身につけた知識を活かして活躍しています。

最近、日本人の若者が留学や海外勤務への関心を失っているというニュースを聞きますが、実は本学科からのロシアへの留学生は増えています。意欲的な学生が集まり、教員と学生の距離も近く、海外での活躍を目指すのに最適な本学科から、ロシアの現実をよく理解したロシア地域研究の専門家が育ち、日本とロシアとの架け橋になってほしいと考えています。

安達 祐子(あだち ゆうこ)
外国語学部 ロシア語学科 准教授
現在の研究分野は現代ロシア企業の発展過程、ロシアにおける政府企業間関係。主な著書は『Building Big Business in Russia(ロシアにおける大企業の生成と発展)』、Routledge、2010年(原文英語)。