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【第2回】FPコラム「クイズで分かる、資産運用のセンス」

藤原FP事務所代表藤原 久敏

2割下がった株が、そこから2割上がれば、元の株価に戻るのか?

一見、そのように思えますが、それは間違いです。
2割下がった株が、そこから2割上がっても、元の株価には戻りません。

たとえば、元の株価が100万円としましょう。

100万円から2割下がれば、80万円。
その80万円が2割上がっても、96万円(80万円×1.2)ですね。

そう、残念ながら、元には戻らないのです。
ちなみに元に戻るには、2.5割上がらなければいけません(80万円×1.25=100万円)。

つまり、下落した分を取り戻すには、それ以上のパワーで上昇しなければいけないのです。

資産運用のセンスがある人は、そのあたり、十分に分かっています。
なので、「下がってもまた、すぐ戻るよ」なんて、軽々しくは言わないのです。

知識、情報収集力、忍耐力、集中力・・・いずれも資産運用には大切ですが、センス(感覚)も、資産運用の大切な要素です。
本稿では、そんな資産運用のセンスについて、クイズ形式でまとめてみました。

金利12%(1ヵ月物)だと、どれだけ増える?

たとえば、元金100万円としましょう。

であれば、100万円×12%=12万円・・・ではありません。
ここでの金利12%とは、1年間で増える割合です。

このクイズのポイントは、(1ヵ月物)。
そうです、金利12%が適用されるのは、1ヵ月だけなのです。

なので、12%×1ヵ月/12ヵ月=1%。
すなわち、100万円×1%=1万円、1ヵ月で1万円増えることになります。

では、1年間では・・・?

それは、分かりません。
1ヵ月経過後の金利は、分かりませんので。

ちなみに、とくに特記事項等のない限り、金利○○%とあれば、それは「1年間で増える割合」のことです。
銀行等でも、たまにキャンペーン金利として、3%とか6%とか、そんな驚異的な高金利を出してきますね。

でもそれは、1年間預けて増える割合のこと。
しかし、預入期間は「1ヵ月物」「3ヵ月物」などがほとんどで、そんな高金利では、1年間も預けさせてはくれません。

預入期間が過ぎれば、多くの場合、通常金利(超低金利)の預金に自動移行します。
そして多くの人は、そのまま預け続け、超低金利で放置する結果となるのです。

センスのある人は、そのあたり、しっかり見極めています。
見た目の高金利に惑わされません。
もし預けるにしても、預入期間が終われば、(超低金利の預金に移行する前に)サクッと解約することでしょう。センスのある人は、行動力もあるものです。

※写真はイメージです。

AとB、どちらが「上手い」運用ですか?

A:運用収益10万円・元金100万円・運用期間5年
B:運用収益24万円・元金300万円・運用期間4年

運用収益だけを見れば、Bの方が大きいです。
しかし、「上手い」運用かどうかは、収益額だけでは判断できません。

なぜなら、元金が多いほど、そして運用期間が長いほど、収益は大きくて当たり前だからです。
しかし、実際の運用においては、元金も運用期間もバラバラです。それなのに、収益額だけを見て比べるのは不公平です。

そこで、運用の世界には、運用の「上手さ」を測るモノサシがあります。

それが、利回り(年平均利回り)です。
利回りとは、「元金に対する年間収益の割合」のことで、利回りにすることによって、収益額・元金・運用期間に関係なく、同じ土俵で比べることができるのです。

A・B、それぞれの利回りは以下のとおり。

A:(10万円÷5年)÷100万円=2%
B:(24万円÷4年)÷300万円=2%

よって、いずれも運用の「上手さ」は同じとなります。
運用センスのある人は、見た目の収益額に惑わされずに、利回りを使って、しっかり判断しているのです。

リスクが高いのは、どっち?(運用世界のリスクの視点にて)

A:100%の確率で墜落する飛行機
B:50%の確率で脱線する電車

どちらにも絶対に乗りたくはないですが・・・運用世界における「リスク」の視点では、Bの方がリスクは高いとされます。

なぜなら、運用世界では、リスクとは「将来の予想に対する不確実性」のことだからです。
なので、将来予想(墜落)がハッキリしている(100%)飛行機よりも、将来予想(脱線)が不確実な(50%)電車の方が、リスクが高いとされるのです。
これは、我々の日常感覚(リスク=危険)とは、かなり違いますね。

そして、実際の運用におけるリスクの大小は、将来予想(収益や元本価格)に対する「ブレ幅」で測ります。
なので、リスクが大きいとは、値上がり・値下がり含めて、その変動幅が大きいことを言うのです。そして、運用センスのある人は、極力、リスクをおさえた運用を心がけるのです。

たとえば3年間運用して、1年目~3年目のそれぞれのリターンについて、A・Bの通りだったとします。

A:1年目5%・2年目5%・3年目5%
B:1年目15%・2年目▲10%・3年目10%

一般的な感覚で、単純にリターンを平均すれば(算術平均)、いずれも5%ですね。

A:(5%+5%+5%)÷3=5%
B:(15%+▲10%+10%)÷3年=5%

ということは、3年後の元利合計は、どちらも同じでしょうか?

実際、100万円から運用を始めると(税金考慮せず)・・・

A:100万円×(1+0.05)×(1+0.05)×(1+0.05)=1,157,625円
B:100万円×(1+0.15)×(1-0.10)×(1+0.10)=1,138,500円

ブレ幅の小さい(リスクの小さい)Aの方が、大きく増えていますね。
ブレ(リスク)をおさえて運用する効果について、分かっていただけたと思います。とくに長期運用する場合など、その効果は大きな差となります。
運用センスのある人は、このあたりはしっかり把握されているわけです。

今回コラムが、皆さんの運用センスを確認する一助となれば、幸いです。

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