帰ってきた池上彰の「やさしい経済教室」

【第4回】国債って何ですか?

フリージャーナリスト池上 彰

今回は国債の話です。
債券の債は、借金という意味です。借金をしたときの、借金のカタ、借金の念書、約束の証書、借金証書です。「たしかに借金をいたしました、満期が来たら、利子をつけてお返ししますよ」というものです。これが債券です。

だから国債は国の借金。国が借金をすることです。そこには、満期がきたら、これだけ利子をつけて返しますよと書いてあります。国が発行したものなので、信用がありますよね。ということは、持っていても、それを途中で売ることができる。これが債券市場です。債券は自由に売買できる。そうすると、そこで値段がまた決まるわけです。

たとえば来年満期の国債があるとしましょう。もちろん来年まで持っていて、満期になれば利子がつきますね。ということは、現時点よりも来年の方が値段が高い。今の時点で売ろうとすると、額面より安い値段で売買されるわけです。

額面が100万円とすると、来年まで持っていれば100万円で売れるものを、現時点でいえば、たとえば99万円で売買される。それが来年まで持っていれば、その1万円が利子としてつくよ。それがいってみれば金利になります。

※写真はイメージです。

だから逆に言うと、国債を大量に発行していて、政府は信用出来ないよね。となると、この国債売っちゃった方がいいやと思う人がたくさん出てきます。みんなが売りに出すと、需要と供給の関係で、国債の売買価格が下がる。たとえば99万円が、98万円になるかもしれません。でも満期まで持っていれば100万円になる。つまり実質的な金利は上がります。よく経済のニュースで、その債券市場、債券価格が値下がりしたことによって、金利が上昇ってありますよね。つまりはこのことなのです。

そもそも、前に述べたように日銀が勝手にお金を発行することは出来ません。政府が国債をどんどん刷って、それを全部直接日銀に引き受けさせれば、日銀は結果的にお札をどんどん発行することが出来ます。太平洋戦争中、実際にそれをしたことによって、日本経済は大変なインフレになりました。

だから今も日銀は政府が発行した国債をすぐ引き受けるということはやっていません。政府が国債を発行すると、いったんは一般の銀行や私たち個人が買います。日銀は、一般の銀行が買った国債を買い上げて、同じだけのお金を発行するんです。なんだか複雑ですが、こうすることで政府が国債を発行するのを抑えて、お金の流れをコントロールしているのです。

次回は金融について学びます。

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