お金を呼ぶ教養塾

【第5回】お金が貯まらないのは、承認欲求が強すぎるから

経済評論家加谷 珪一

一定以上の収入があるのにお金が貯まらない人は、たいていの場合、自身の収入水準に不相応な額の支出をしています。本人は「このくらいはいいじゃないか」と思っていても、現実には過剰消費となっているのです。

お金が貯まらない、あるいはお金を過剰に使ってしまう最大の原因は、強すぎる「承認欲求」です。人は誰でも、「他人に認められたい」という承認欲求を持っています。しかし、その承認欲求を何で満たすのかで、その人の生き方はまるで違ったものになってしまいます。この部分をうまくコントロールしないと、お金持ちにはなれません。
承認欲求というのは、自身の価値観と大きく関係していますから、簡単にコントロールすることができない分野です。だからこそ、お金の教養が大事になってくるのです。

本来であれば、努力を重ね、人から評価される成果を生み出すことで、周囲から認められるというのが、承認欲求の正しい満たし方といってよいでしょう。ところが一部の人は、消費によって、その欲求を満たそうとしてしまいます。消費することで承認欲求が得られると思ってしまうのは、たくさん消費すると周囲からお金持ちに見られるという現実があるからです。

富裕層と呼ばれる人の一部が、かなり派手な消費をしているのは事実です。よほど突飛なことをしない限り、人間1人が消費できる金額には限度というものがあります。巨額の資産があれば、そこから得られる運用益だけでかなりの金額となりますから、普通の人から見れば散財しているように見えても、彼らの懐が痛むことはありません。

その結果、高額な消費はお金持ちの象徴として認識されるようになり、高額の消費をする人をお金持ちとみなす雰囲気が出来上がってきたわけです。

しかしながら、本当に高額消費ができる人と、無理して高額消費している人を、見た目で区別することはできません。このため、大した所得がない人でも、派手に消費をすることで富裕層のように振る舞う人が出てくることになります。

※写真はイメージです。

実際、高級時計を身につけていると、お金持ちとみなされる確率は高まります。人によっては、こうした体験は非常に快感となるようで、その楽しさが忘れられず、支出が増えていくというケースがよく見られるのです。

お金持ちに見られたという快感が忘れられず、さらに無理な消費を重ねるという悪循環に入ってしまうと、もう手の付けようがありません。本当にお金持ちを目指すのであれば、こういうバカげたレースから距離を置く必要があります。

いくら派手に消費をしたところで、それはせっかく稼いだお金をドブに捨てているだけで、運用で多くの余剰資金があるお金持ちの消費とは根本的に異なるものです。お金持ちの人は、運用で余ったお金を散財しているのであって、本当に必要なお金を散財することはありません。

自分自身がお金持ちになりたいのなら、価値観を変えて、お金が有効に活用されることに喜びを見いだすよう、考え方をあらためる必要があります。

お金持ちになるためには消費を控えるだけでなく、そこで捻出した資金を何らかの形で投資に回さなければなりません。このサイクルがうまく回り始め、自身の資産が増えていくことに対して達成感を感じられるようになれば、お金に対する価値観は大きく変わってくるはずです。

実際に筆者が感じたことですので間違いありませんが、自身の資産が増えるにつれて、他人からチヤホヤされたいという単純な承認欲求は減少し、自身の資産形成に関する達成感の方が大きくなってきます。人にもよりますが、大きな資産を持つようになると、逆に物欲が減るというケースは多いのです。

まとまったお金があると、いつでも自分が望むように行動できるという安心感を得ることができ、これが大きな満足感につながってくるものと考えられます。結果として、消費で欲求を満たすという行為が必要なくなってくるのです。

消費で承認欲求を満たしたいという価値観を、どのように前向きな行動に変えていくことができるのか。ここに、あなたのお金に関する教養が問われているのです。

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