今さら聞けない投資の基本

投資が怖いなら小額から始めよう

慶應義塾大学スポーツ医学研究センター 研究員加藤 梨里

マイナス金利政策が導入されて以来、預金金利は史上まれに見る低水準が続いています。「お金を銀行に預けていてもほとんど増えないし、投資でもした方が良いのかな?」 こんな風に思いながらも、投資は怖い気がして、二の足を踏んでいる人も多いでしょう。

大きな金額を投資につぎこんだり、お金を何倍にも増やそうとしたりすると、成果を出すのは難しいことです。失敗したときのダメージも大きいもの。でも、もっと気軽に始めても、十分に効果は狙えます。

そこで、少額から始める投資の効果についてお話します。

100万円預けても利息は80円弱

2017年9月現在、大手銀行の定期預金金利は年0.01%です。100万円を1年満期の定期預金に預けても、利息は100円。しかも、口座に利息が入金されるときには20.315%の税金が天引きされ、手取りは80円弱にすぎません。
もし金利年1%だったら、手取りの利息は8,000円弱。受取額に100倍もの違いがあるわけです。金利が「1%」というと小さな数字に見えるかもしれませんが、お金を増やすパワーとしては、現状とはずいぶん差があることがわかると思います。

でも、元手になるお金が1万円なら、年利1%でも1年後の利息は100円、手取りで80円弱です。そう考えると、「今はあまり貯蓄がないなら、金利なんてそんなに気にしなくても結果は同じなのでは?」と思う人もいるかもしれません。

そんなことはありません。スタートは1万円であっても、預金で増やすか、投資で増やすかで結果が大きく違うこともあるのです。

少額でもコツコツ続ければ増える効果が

たとえば、10年間にわたって月1万円を積み立てるとき。現金のまま貯めていくと、全部で120万円になります。

これを年利0.01%の定期預金で積み立てた場合には、少しずつ増えていく元本に半年ごとに利息がつき、10年間で利息が合計550円になります※1。10年間で積み立てたお金120万円と合わせて、120万550円になります。

同じ月1万円を年利1%で積み立てたとしたら、10年間でつく利息の合計は6万円以上になります。元本と合わせて約126万円になりますから、年利0.01%のケースよりも5万円以上結果に差が出ることがわかります。「お金を増やそう」と思い立ったそのときに手元に大きなお金がなくても、時間をかければまとまった金額になりますし、またその間の金利が違えば結果が大きく変わることもわかると思います。

※1.半年複利、10年間の利息累計額、税引き前

※写真はイメージです。

リスクを抑えた投資もできる

とはいえ、現状では、金利1%という預金はほとんどみられません。一部の金融機関で、退職金の預け入れに限定したり期間を限定したりといった条件のもとで、高い金利がつく預金もありますが、一般に広く利用できるわけではありません。

一方で、投資性のある金融商品なら、金利1%の水準を目指すことも十分に現実的です。投資にもさまざまな種類がありますが、たとえば「投資信託」といって、株式や債券など複数の投資先にお金を分散して運用する商品の場合、1年間で1%以上の利益※2.を出しているものがたくさんあります。2017年9月現在の状況では、1%は比較的低い水準で、10%や20%、なかには50%や60%以上の利益を出している投資信託もあります。

投資信託は株式や債券のように値動きがあり、預金のような元本保証はありません。買ったときよりも値段が下がるなどして、損失を被ってしまうリスクもあります。ただ、比較的リスクを抑えた商品もありますし、毎月1万円のように少しずつ購入することでリスクを抑える効果も期待できます。金融機関によっては、毎月1,000円などより少額から始められるところもあります。

投資というといきなり大きな結果を出さねばならないイメージを抱く人もいますが、小さな金額からでも、また少しの利益からでも、長期的には大きな結果を目指すことができます。そう考えると、少しハードルが低く感じられるかもしれません。

※2.投資信託は預金のように満期がなく、あらかじめ定めた利率に基づいて利息がつくしくみではありません。収益は値上がり、および運用状況に応じて投資家に還元される分配金により得られます。また、本稿で「利益」としているところは本来、対象期間中にどれだけ値上がりしたかを示す「トータルリターン」と表記すべきところですが、初心者の方にわかりやすくするために「利益」と表現しています。ここでは、1年間のトータルリターンを紹介しています。預金金利の利率とは計算方法が異なり、単純に比較できるものではありませんが、お金の増え方が違うイメージをご理解いただく参考としていただければと思います。
※本稿は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資の実行を推奨するものではありません。投資を行う際には、投資対象商品のリスク等についてご理解の上、ご自身の判断と責任において行ってください。

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