「未来を創る力について語ろう」 作家・池井戸潤×野村ホールディングス株式会社 グループCEO・永井浩二

【第1回】時代は、底力のある企業を求めている

野村ホールディングス

アジアに立脚したグローバル金融サービス・グループとして競争力のある金融商品・サービス、ソリューションを提供する野村ホールディングス。グループCEOの永井浩二さんが愛読するのは、日本を活気づける人と企業の姿を描く池井戸潤さんの作品です。作家として、経営者として、よりよい未来を見据えて今、考えることとは? 3回シリーズの初回は、放送中のドラマ『陸王』にも描かれた、中小企業の生きる道について語り合います。

永井 池井戸さんの作品は、デビュー作の『果つる底なき』から読ませていただいています。書店で偶然手に取ってから、面白いなと思って。

池井戸 ありがとうございます。もう18年も前になりますね。早いものです。

永井 放送中のドラマ『陸王』も、いよいよクライマックスですね。老舗足袋メーカーが起死回生を賭けてランニングシューズ作りに取り組む物語ですが、池井戸さんが作品の中でお書きになった、地方経済を支える中小企業の危機という状況は、まさに今、日本中で起こっていること。金融業界にとっても、とても大きな問題です。

池井戸 経営の多角化ができている中小企業はほとんどありません。その単一事業が時代の趨勢で衰退し始めると、なかなか展開のしようがないという難しさがあります。そうすると、やはり新規事業に着手するしかないのですが、残念ながらその成功率はとても低いのが現状でしょう。一方で、儲かっている会社でも、相続時に高い税金を取られたりして、次の世代に渡すのもひと苦労です。『陸王』の舞台もまさにそんな中小企業ですが、個人的には、これからは中小企業のM&A(合併、買収)がどんどん増えていくのではないかと見ています。

永井 ええ。我々もリテール(個人部門)で国内のM&Aを扱うことが増えました。また、「こんな商品を作っているんだけれども、どこと組んだらいいだろうか」というご相談を企業の方からいただき、適した相手とのマッチングを提案するケースも多くなりました。今年11月には、事業の再編や承継、株式非公開化などの案件において出資を行うファンドの設立を発表しており、お客様により幅広いソリューションを提供していきます。

池井戸 今の実態としては、売り手よりも買い手のほうが多いようですね。「こういう技術を持った会社、どこかにない?」という、買い手側の声をよく聞くものの、対して売りたい会社が必ずしも買い手がほしいと思う会社であるとは限らないという、非常にアンマッチな状況に置かれているようです。

永井 確かに。何か、他社と差別化できるようなテクノロジーの蓄積があったりすると、違うんですけどね。たとえば、昔ながらの金属加工技術を応用してスマートフォンのボディが作れるとか、ゴルフクラブを製造できるとか、そういう新しい展開が見込める技術を持った企業には、将来性があると思います。

池井戸 伸びる見込みがあるけど今だけ助けてほしいという会社と、自然淘汰されるのもやむなしという会社、その線引きも悩ましいところです。でも、野村證券のように何百、何千という企業をフラットに見て熟知している会社なら、企業が持つコア・コンピタンス(競合他社を上回る能力)を見抜いての、適切な提案ができるのではないでしょうか。

永井 そうですね。金融機関として我々がお客様に提供できるのは、何といっても豊富な情報です。全国に店舗を持つ我々としては、海外も含めたネットワークをフル活用して地方経済の活性化を促すことが大切な仕事のひとつだと感じています。

池井戸 潤(いけいど・じゅん)
1963年岐阜県生まれ。98年に『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、『下町ロケット』で直木賞。作品に半沢直樹シリーズ(『ロスジェネの逆襲』ほか)、花咲舞シリーズ(『不祥事』ほか)、『空飛ぶタイヤ』『ルーズヴェルト・ゲーム』『七つの会議』『アキラとあきら』『民王』『陸王』など。

永井 浩二(ながい・こうじ)
1959年東京都生まれ。中央大学法学部卒業。81年に野村證券株式会社に入社。豊橋支店長、岡山支店長、事業法人一部長、京都支店長などを歴任し、03年に取締役、07年に常務執行役、09年に代表執行役兼専務、11年に代表執行役副社長兼Co-COO。12年より野村ホールディングス株式会社代表執行役グループCEO。

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