「未来を創る力について語ろう」 作家・池井戸潤×野村ホールディングス株式会社 グループCEO・永井浩二

【第2回】荒波の中だからこそ〝お客様第一〟を貫く

野村ホールディングス

日本が抱える経済的、社会的課題に、小説の世界で、また証券業をはじめとする金融サービス提供を通して対峙する、池井戸潤さんと永井浩二さん。対談第2回のテーマは、「今、そこにある危機について」。時代の変化に翻弄される金融機関の宿命、それを打開し道を切り開くための策を探ります。

池井戸 野村證券のお客様は、どのくらいの年齢層の方が多いんですか。

永井 リテール(個人部門)ではご高齢のお客様もいらっしゃいます。現在、少子高齢化が加速度的に進むのと同時に、相続によって、都心や都市部への人とお金の一極集中の傾向がさらに強まることが予想されます。多くの親世代は地方にいて、子ども世代は都会で生活しているわけですから、それは当然、そうなりますよね。これも、非常に大きなテーマ。我々のビジネスも、ヒト・モノ・カネの流れを構造的に変革していく必要があると考えています。

池井戸 そうなりますね。

永井 もうひとつ、こちらも加速度的に進むデジタルイノベーションの問題があります。それは、圧倒的にビジネスのあり方そのものを変えてしまうかもしれないもの。イノベーションが進んだとき、既存のマーケットで高いシェアを持っていた、要するにチャンピオンだった企業がいちばん負ける可能性があるんです。

池井戸 世の流れですね。

永井 その通りです。規制緩和や手数料の自由化、パソコンやスマートフォンなどのツールの開発や、通信環境の劇的な改善などによって、一気に市場が変化する。そうした変化は、現在、さらに速くなっているように感じています。そんな中でも我々が貫きたいのは、やはり「すべてはお客様のために」という、創業以来の企業理念。環境的にどんな変化が起ころうとも、結局は「それはお客様のためになっているか?」というのが、すべての事業についての判断基準なのです。

池井戸 銀行はB/S(貸借対照表)重視ですが、証券会社はP/L(損益計算書)を評価することができる。同じ金融機関とはいっても、スタンスがまったく異なります。お金を投資するタイミングひとつとっても、現在価値でなく、将来性に対して投資ができるのは証券会社ならではですから、その役割は、今後ますます重要になるのでしょうね。

永井 そう思います。そういえば、『陸王』にもそんな場面がありますが、金融機関を舞台にした小説やドラマなどでは、若い担当者は「お客様のために」と熱心に知恵を絞って動くのに、上席の課長とか支店長が、それにブレーキをかける敵役になるケースが多いですよね。自分の出世が第一だって。

池井戸 ハハハ。そうですね。

永井 でも、うちの会社を見ると、案外、そうじゃない気がする。お客様のためでない、自分たちの収益中心のビジネスモデルでは、結局は、いつか世の中から必要ないものと見なされてしまうことを、彼らはよく理解していますから。

池井戸 潤(いけいど・じゅん)
1963年岐阜県生まれ。98年に『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、『下町ロケット』で直木賞。作品に半沢直樹シリーズ(『ロスジェネの逆襲』ほか)、花咲舞シリーズ(『不祥事』ほか)、『空飛ぶタイヤ』『ルーズヴェルト・ゲーム』『七つの会議』『アキラとあきら』『民王』『陸王』など。

永井 浩二(ながい・こうじ)
1959年東京都生まれ。中央大学法学部卒業。81年に野村證券株式会社に入社。豊橋支店長、岡山支店長、事業法人一部長、京都支店長などを歴任し、03年に取締役、07年に常務執行役、09年に代表執行役兼専務、11年に代表執行役副社長兼Co-COO。12年より野村ホールディングス株式会社代表執行役グループCEO。

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