対話を通した非財務情報の分析で

企業価値を高める的確な評価サイクルをつくる

日本政策投資銀行
サステナビリティ企画部

2月に開かれたシンポジウムでも議題となったESG投資。日本政策投資銀行は、環境・BCM(事業継続マネジメント)・健康経営の三つの格付を活用した評価認証型融資を通して、企業価値の適正な評価と向上、さらには企業のESGへの取り組みを幅広く支援しています。
今回は格付けの中心を担うサステナビリティ企画部の担当者5人に、企業との対話を通した格付けの意義について話を聞きました。

――サステナビリティ企画部の業務について教えてください。

佐藤 友理さん

佐藤友理さん:サステナビリティ企画部では、約10人のメンバーが業種や地域ごとに担当企業を持って評価認証を進めています。公表情報では得られない水面下の非財務情報を、企業訪問時の対話などで引き出していきます。現在、年間約100社に評価認証型融資を利用頂いており、担当者全員が集まる判定会議というものを通して、目線がぶれない公平な評価を固めていきます。

福井 美悠さん

福井美悠さん:訪問時には、2時間から2時間半程度かけて担当者に話を伺います。先方の企業の立場に立って、どこを改善すればもっとよい企業活動ができるのかを一緒に考えていきます。これまでやってきた活動の棚卸しという意味もあり、定期的にご利用頂く企業も多いです。

橋本 明彩代さん

橋本明彩代さん:サステナビリティに関する取り組みに対して、現場の方は大事だと思っていても経営陣の理解がまだまだな企業もあれば、逆に経営陣は重要視していても現場まで浸透していない企業もあります。ヒアリングやフィードバックを通じて環境やCSR等の担当部門だけでなく、経営企画部門や経営陣まで、「面」でその企業と向き合うことで企業毎の取り組みに応じた長期的な成長をサポートしていきます。

関 佳織さん

関佳織さん:私たちが担当する評価認証型融資は、企業の業種やビジネスモデルによって評価ポイントが異なってきます。その業界や企業にとって何がベストなのか、どこまで求めていくべきか。同業他社の取り組みやトップランナーの事例など、業界動向や企業情報を常にアップデートすることが重要です。

境 鞠穂さん

境鞠穂さん:最近は評価認証型融資の裾野が広がっていることもあり、新たな業種を評価することもあるので、自分の担当業界のみならず、部内で他業種を担当している人に同行して、企業を訪問するのがとても参考になります。適正な評価のために、いろいろな地域や業種から広く情報収集をしています。

――どのようにして適切な評価につなげていくのでしょうか

佐藤 幅広い視野を持つために、各担当者は主体的に社外へ出て情報収集をすることが求められます。企業訪問だけでなく、業界セミナーや有識者への訪問などにも各自で取り組んでいます。

福井 ヒアリングの前に工場などを見せて頂く機会もあります。そこで、機械のかすかな音の違いから不良品を見分けるような職人技を見ることもあります。企業の熱い思いを感じたり、直接伺ったりすると身が引き締まる思いがします。

橋本 格付評価に対して、先方企業にも、弊社内の判定会議でもしっかり納得してもらう必要があります。評価者としての公平な立場を取りながらも、企業の魅力や強みを理解し、余すことなく伝えるコミュニケーション能力が非常に大事になると思います。

 この会社がどこを目指すのか、そのストーリーを自分なりにしっかりと描いて企業訪問することを重要視しています。もちろん事前に質問内容は共有するのですが、その場の答えに応じてさまざまな切り口で質問を重ねていきます。

 担当企業の調査や、特性把握などの事前準備ももちろんですが、私たちが単なる評価者でなく企業の味方であることを理解してもらい、取り組みを余すことなく語っていただける環境づくりに努めています。難しい部分なので、企業によってアプローチの仕方を変えて、対話を積み重ねていきます。

――仕事のやりがいや魅力について教えてください。

佐藤 サステナビリティレポートや中期経営計画などを時間の許す限り読み、企業への理解を深め、企業にできるだけ寄り添って一緒に考えていきたいと常に思います。担当企業一つ一つに熱い思いを持って、心をこめて企業と向き合っています。

福井 私たちの評価がその企業のPDCAのサイクルにうまく組み込まれると、複数年にわたってご利用頂けるように思います。来年はもっと評価を上げたいと担当者の方に思ってもらえると、非常にやりがいを感じます。

橋本 非財務情報の評価を融資と一体で提供するビジネスモデルは、私たちが世界で初めて提供したものです。金融と環境・CSR、この両輪から企業価値の向上をうながすことができるのが、他社にはない魅力だと思います。

 担当企業に評価をフィードバックして、使ってよかったと思ってもらえると達成感があります。「指摘されたところを、社内でこのように改善しました」と先方から言ってもらえるとうれしいですね。

 私たちの格付けによって、取り組みの改善や、PR効果があったと具体的な反応を頂いたとき、やっていてよかったなと思います。もっともっと企業の方に頼ってもらえる存在になりたいです。

――ありがとうございました。

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