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【第5回】スッキリ分かる、売り買いのタイミング

藤原FP事務所代表藤原 久敏

トヨタ自動車、ソフトバンク、カゴメ……などなど、アレコレ銘柄を選ぶのは楽しい作業ですね。
でも、いざ「買おう」となると、どのタイミングがいいのか、判断はなかなか難しいもの。「売ろう」となると、そのタイミングはますます悩ましいものです。でも、それがストレスとなってしまっては、投資はしんどくなりますよね。
そこで今回は、ストレスのかからない、売り買いのタイミングの具体的な「考え方」を紹介します。

「買い」のタイミングは?

当たり前ですが、できるだけ「安く」買いたいもの。
なので、どうしても今すぐに買わなければいけない……との切羽詰まった事情がなければ、できるだけ安い価格での「指し値注文」を出したいものです。

指し値注文とは、価格を指定して注文すること(※詳細は文末)。

このときのポイントは、「ここまで下がることは、ちょっとありえないかな……?」というくらい、安い価格で注文を入れておくことです。
目安としては、過去2~3年くらいの一番の安値水準がいいでしょう。
当然、そこまで安い価格だと、そう簡単に買うことができません。数カ月から数年スパンで待つことになると(待っても買えないことも十分ありえると)、最初から腹をくくっておきましょう。まだ買えないかな……と、日々思い続けることは、しんどいですからね。

その際、買いたい銘柄は一つだけではなく、いくつか挙げておくとよいでしょう。そして、それぞれに対して「指し値注文」を入れておくのです。
釣り糸を何本も垂れて、じっくり待っているイメージですね。

そんな悠長にかまえることができるのは、個人投資家の特権です。
プロの場合、預かった資金を何年も待機させたままだと怒られますが(?)、個人であれば、誰にも遠慮することはありません。じっくり待てるだけ待てばよいのですから。
投資経験のある方は分かると思いますが、大暴落は意外と頻繁に起こります。
そんなタイミングで、忘れた頃に不意に買えたりもするものです。そうやって安く買えたらラッキー……、くらいにかまえておけば、ストレスは極めて少なく済むことでしょう。

※写真はイメージです。

では、「売り」のタイミングは?

では、「売り」のタイミングはどうでしょうか?
一般には、(売った時点で利益や損失が確定するだけに)「買い」よりも「売り」のタイミングの方が難しいと言われています。
何となく……では、絶対に後悔するでしょう。
そこで、よく言われているのが、「買値から〇〇万円(○○%)上がったら(下がったら)売る」といったように、買値を基準にして、あらかじめ利益確定(損切り)ラインを決めておくことです。
ただ、そのライン設定こそ、難しいものです。
また、決めたはいいが、そのあとの価格変動に惑わされ、「やっぱりもう少し持っておこう」「ヤバい、今売らなくては」と、そのラインをあとからコロコロ変更してしまうことも多々あるものです(経験ある方も多いのでは?)。そして結局は、後悔してしまうことに。

そこで、一つの考え方として、「買ったときの理由がなくなったとき」はいかがでしょうか?

たとえば、「PER(株価収益率)10倍以下で割安だから」との理由で買ったのなら、「PERが10倍を超えた」とき。
他には、「配当利回りが3%と高いから」なら「配当利回りが3%を切ったとき」。「増収増益が続いているから」なら「増収増益が途切れたとき」と、非常に明確ですね。
私自身、最近、「株主優待が魅力的」との理由で買った銘柄を、「株主優待が改悪された」ことを理由に、スッパリ売ることができました。

「売らない」ことが、一番?

もっとも、一番ストレスがないのは、「売らない」ことでしょう。
そのためには、「簡単にはなくならない理由」で買うことが大切です。そうすれば、おのずと「売ること」もないでしょうから(売りのタイミングを「買ったときの理由がなくなったとき」としていることが前提)。

すなわち、「割安だから」や「業績がいいから」など、短期間で変わってしまうような理由ではなく、「企業理念」など根本的に変わらないような理由で買うことです。言い換えれば、表面的な数字ではなく、本質そのものに目を向けること。上っ面に惑わされず、本当に応援したいものに投資すること。それこそが投資本来の姿ではないでしょうか?
短期的な値動きを追うことを否定はしませんが、地に足着けた、土台のしっかりした長期投資を考えているのであれば、ぜひとも、そういった視点を持ちたいものですね。

※指し値注文について

たとえば、「現在1500円のA株だが、1000円で買いたいな」と思えば、「1000円で指し値注文」する。そうすれば、A株が1000円になったときに買うことができる(つまり1000円まで下がらないと買えない)。
ちなみに注文の有効期限は「当日限り」「週末まで」などあるが、できるだけ有効期限は長い方が、注文発注の手間が省けて楽である(有効期限の上限は証券会社によって異なる)。なお、投資信託は指し値注文ができないが、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)は指し値注文可能。

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