今さら聞けない!保険の基本

保険に入っていると税金が安くなる 生命保険料控除ってなに?

慶應義塾大学スポーツ医学研究センター 研究員加藤 梨里

生命保険に契約していると、支払った保険料の一部または全部について、その年の所得税や住民税で軽減を受けることができます。これを「生命保険料控除」といいます。

生命保険料控除とは?

生命保険の保険料を支払うと、そのうち所定の金額について、税の対象になる所得から差し引くことができます。税額を計算するときには、差し引いた後の所得額に税率をかけるので、差し引いた部分に対する税額が軽減されることになります。

控除を受けられるのは、亡くなったときに保険金がおりる死亡保険(いわゆる一般的な生命保険)のほか、医療保険、介護保険、個人年金保険に対して支払った保険料です。それぞれにつき、控除の上限額が定められています。平成24年以降に契約した保険の場合、「一般生命保険料」(おもに死亡保険の保険料)、「介護医療保険料」(介護保険と医療保険)、「個人年金保険料」(個人年金保険)の3種類にわけられ、それぞれについて所得税では最大4万円ずつ、住民税では最大28,000円が控除額になります。

  所得税 住民税
区分 年間払込保険料額 控除される金額 年間払込保険料額 控除される金額
一般生命保険料控除・
個人年金保険料控除・
介護医療保険料控除
20,000円以下 払込保険料全額 12,000円以下 払込保険料全額
20,000円超40,000円以下 (払込保険料×1/2)+10,000円 12,000円超32,000円以下 (払込保険料×1/2+6,000円)
40,000円超80,000円以下 (払込保険料×1/4)+20,000円 32,000円超56,000円以下 (払込保険料×1/4)+14,000円
80,000円超 40,000円 56,000円超 一律28,000円
  所得税
区分 年間払込保険料額 控除される金額
一般生命保険料控除・
個人年金保険料控除・
介護医療保険料控除
20,000円以下 払込保険料全額
20,000円超40,000円以下 (払込保険料×1/2)+10,000円
40,000円超80,000円以下 (払込保険料×1/4)+20,000円
80,000円超 40,000円
  住民税
区分 年間払込保険料額 控除される金額
一般生命保険料控除・
個人年金保険料控除・
介護医療保険料控除
12,000円以下 払込保険料全額
12,000円超32,000円以下 (払込保険料×1/2+6,000円)
32,000円超56,000円以下 (払込保険料×1/4)+14,000円
56,000円超 一律28,000円

たとえば、1年間で支払った保険料の総額が、一般の生命保険に9万円、医療保険に9万円、個人年金保険に9万円だった場合には、所得税の計算上で所得から控除できる金額は「一般生命保険料控除」として4万円、「介護医療保険料控除」として4万円、「個人年金保険料控除」として4万円の、合わせて12万円になります。住民税では、同じく合わせて84,000円の生命保険料控除を受けられます。

なお、外貨建ての保険については、保険料を払い込んだときの円ベースでの金額が、保険料控除の対象になります。

どんな保険が生命保険料控除の対象になる?

原則として、生命保険会社で契約する死亡保険(定期保険、収入保障保険、終身保険など)は、「一般生命保険料控除」の枠で、医療保険、がん保険や介護保険は、「介護医療保険料控除」の枠で、個人年金保険は「個人年金保険料控除」の枠で、生命保険料控除の対象になります。かんぽ生命や、こくみん共済などの共済についても、基本的には民間の保険会社と同じように生命保険料控除の対象になります。

なお個人年金保険については、「税制適格特約」という特約が付加されている場合には、生命保険料控除のうち「個人年金保険料控除」の枠に含めることができます。これがついていないものは、「一般生命保険料控除」の枠に含まれます。運用成果に応じて将来の受取額が変わる変額個人年金保険などがその例です。

一方、少額短期保険という、1年~2年の短期間契約で保険金額が1000万円以下などに抑えられている保険(いわゆる「ミニ保険」)については、生命保険料控除の対象ではありません。また、死亡保険の中でもけがを原因として保険金や給付金が支払われる災害割増特約や、傷害保険については、生命保険料控除の対象になりません。

ご自身が契約している保険が生命保険料控除の対象になるか、またどの種類の控除枠に分類されるかは、契約先の保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」で確認できます。

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