ダジャレ好きアナウンサー安田真理の「経済talk いっトーク⁉」

【第1回】「お金」ってなんなのカネ?

フリーアナウンサー安田 真理

稼げないのはソクラテスのせい!?

「アナタ、もっとお金をしっかり稼いでちょうだい!」
私の父は、いつも母からそう叱られていました。石川県で学習塾を経営する父ですが、お金もうけには消極的だったのです。そんな厳しい母の指摘に、「いや、ワシは悪人じゃないから、それは難しいなぁ」と父は意に介しません。悪人じゃないからお金を稼げないというのは、いったいどういうことなのでしょうか。

父は子どもたちに説明するのでした。「古代ギリシャの哲学者ソクラテスはね、公開裁判にかけられたときにこう言ったんだよ。『私はけっして悪い人間ではない。このとおり、貧乏ではないか』ってね。だから、パパもお金を稼ぐのは得意じゃないんだ」と。『ソクラテスの弁明』の引用だったようです。

子どもだった私は、「へー、哲学者っておもしろいんだなあ」となんとなく納得させられていましたが、母はもちろん違います。「哲学なんかじゃ食べていけないのよ!ちゃんと現実を見なきゃダメでしょう」。こんな両親のもとで育ったためか、私は「お金」について考えるのがどこか苦手でした。

はじめての金融経済番組

転機が訪れたのは、5年前です。アナウンサーになって12年目の春、私は初めて金融経済番組を担当することになりました。それは、「アメリカ市場が始まるのに合わせて、夜10時から東京証券取引所で生放送する番組」でした。アメリカ市場っていったい何だろう、野菜イチバか何かのことかなと首をひねっていたほど、私はこの業界にうとかったのです。ところが不思議なもので、始めた当初は「お経」のように感じていた難しい専門用語も、5年経った今ではスラスラと読めるようになりました。この世界の奥深さに興味津々の毎日です。

とはいっても、そうした用語の意味を本当に理解しているかと言われれば、かなり怪しい。正直、自信はありません。最近では、先日取材をうけた『ワールドマーケッツ』以外にも経済番組を担当するようになり、毎日のように専門家たちの話を聞きますが、日々新しい言葉に遭遇します。けっして簡単な世界ではなさそうです。

そこで「START!」では、こうした経験から私の気になったことや、改めて学びたい金融経済にまつわる小話を紹介していきたいと思っています。

ダジャレで楽しく!

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は私、「ダジャレ」が大好きなんです。番組内でも我慢できずについ言ってしまって、その場が凍りつくこともしばしば。でも、やめられないんです。ダジャレを使えば、ナンカイ聞いても覚えられない難解な言葉も覚えやすいですし、なにより「クスッ」と笑えるところがいいのです。

もちろんこの連載でも、ときおりダジャレを交えていきたいと思っています。どうしてもその寒さに耐えられないという方は、お手数ですが、あらかじめ暖かい毛布などのご用意をお願いします!

投資で人生の「見トーシ」を!

そもそも、経済番組などに出てくる「投資」とは、どんな意味なのでしょうか?お金を増やして、先々の「見通し(トーシ)」を立てること?まず、辞書をひいてみました。 “①利益を得る目的で、事業に資金を投下すること、出資。②比喩的に、将来を見込んで金銭を投入すること。③元本の保全とそれに対する一定の利回りとを目的として貨幣資本を証券(株券および債券)化すること。④経済学で、一定期間における実物資本の増加分、資本形成”(出典:広辞苑)と書かれています。

つまりは、将来のために資金を何かに投入することといえそうです。それで、自分磨きにお金をかける「自己投資」なんていう言葉もあるのですね。私の最近の自己投資といえば、今年ようやく大学院の修士課程を修了したことです。働きながら修士論文を書き上げるのに3年もかかりましたが、人生をより豊かにするための良い投資だったと思っています。

そして、経済番組があつかう投資というのは、株式投資、FX投資、先物投資、債券投資、金投資などといったものですから、自己投資とはちょっと違いますね。これは、お金を投じることで、そのお金が増えたり減ったりする世界のことです。ここには「効率よく稼ぎたい」という投資家たちの狙いが、見え隠れします。労働力や商品を提供しなくても、「お金が勝手に働いてくれる」、あるいは「お金がお金を増やしてくれる」などと考えられているからです。その意味では、投資家たちはお金という従業員の働かせ方を考える社長、ともいえるでしょう。

投機で胸がトーキ、トキ!

時(トーキ)として、投資とは区別して使われる「投機」という言葉もあります。投資とはどう違うんだろう、と私自身モヤモヤしていたので、先日番組で一緒だった20代にして専門家の中原良太さんに聞いたところ、目からウロコが落ちました。

中原さんによると、読んで字のごとく、投資は「資本」にお金を投じるもので、投機というのは「機会(チャンス)」にお金を投じるもの、ということでした。たとえば、株式や債券、不動産など長い時間をかけて利益を得ようとする場合は「投資」、トレードともいわれる短い時間軸で売り買いしようとする取引は、チャンスにお金をかけるのだから「投機」ということになります。

「う~ん、わかったようでわからない」という方のために、最後にダジャレでメッセージをお送りします。

歳(トシ)をとるまでお金が増えるのをじっくり待ちたい、という方は「投資(トーシ)」を。より大きなリスクをとってでも短い時間で稼ぎたい、という方は、トレードのように胸がトキめく「投機(トーキ)」に挑戦してみてはいかがでしょうか。

次回は、私が野菜市場(イチバ)と勘違いしていた「アメリカ市場」「欧州市場」「東京市場」などといった「市場(シジョウ)」について、調査してみたいと思います。どうぞ、お楽しみに!

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