お金を呼ぶ教養塾

【第23回】自分の一生と冷静に向き合ってみよう

経済評論家加谷 珪一

 お金に関する教養が身に着いてくると、自分の人生と客観的に向き合うことができるようになります。自身の一生をお金という観点で冷静に見つめなおすことができれば、むやみに不安になる必要はないことが分かってくるはずです。お金の教養を身に着ける本当の意味はここにあります。

すでに多くの書籍や記事に書かれていることですが、自分が一生涯にいくらのお金を稼げるのか、一度、具体的な数字で考えてみてください。
例えば、現在30歳で年収が500万円の人であれば、その後に手にできるお金の総額は1億6500万円程度になるはずです。根拠は以下の通りです。

現在の年金の支給開始年齢は原則65歳からですから、今、30歳の人は、少なくとも今から35年間は働くことになります。おそらく、今、30歳の人が65歳になった頃には、生涯労働が標準的となっており、体が動く限り働き続けることが当たり前の社会になっているでしょう。ただ、65歳を超えてくると、体力的にも厳しくなり、稼ぐ金額も減りますから、とりあえず65歳を基準とします。

60歳まで同じ給料が続いたとすると、給料の総額は1億5000万円となります。60歳以後の給料については、今後、どうなるのかは分かりませんが、大幅に引き下げられるケースが多いと考えられます。年収が300万円に下がって5年間働いたとすると1500万円ですから、総額では1億6500万円となりますが、これは額面の金額であり、実際にはここから、税金や保険料が差し引かれます。手元に残るのは1億2000万円くらいでしょうか。

条件のよい会社であれば退職金が加わりますが、これは勤める会社の状況によって変わってくるでしょう。何千万円もの退職金をポンと出せる企業は少ないでしょうから、1億6500万円から大きく上ブレするケースは少なそうです。

日本は年功序列社会であり、30歳までの給料は安いことがほとんどですから、20代の年収が350万円だったと仮定すると、22歳から30歳までに稼ぐ給料はわずか2800万円にしかなりません。

このように数字にしてみると、生涯年収の中で30歳から60歳までの間に稼ぐ金額がいかに大きいのかがよく分かります。逆に言うと、この時期にいくら稼ぐことができ、それをどのくらい貯蓄や投資に回せるのかで、老後の生活は天と地ほどの違いとなってくるのです。

※写真はイメージです。

毎月の生活の中で3万円の赤字が累積すると、トータルでは1000万円を超えるお金が消えてしまいますから、毎月の収支を黒字にすることが極めて重要な意味を持ってきます。

この結果を見ると、多くの人は重苦しい気分になるかもしれませんが、逆に考えれば大きなチャンスでもあります。

毎月3万円の黒字を維持できれば、トータルで1000万円の資金を捻出できるのです。少し時間はかかりますが、1000万円という金額は、投資の原資としてはかなりまとまった規模です。もちろん、毎月3万円の黒字を作ることは容易ではありませんが、決して不可能な数字ではないはずです。

収支の黒字化で大事なことは大きな支出を見直すことです。

1円でも安いお店を探すためスーパーをハシゴしたり、ガソリン代をかけて遠くの店に行ったりすることはたいていが逆効果となります。支出の中で大きな割合を占めているものをリストアップし、そこを重点的に削減するのがよいでしょう。
たいていの家計では、クルマ、家、保険の三つが支出の中で大きな割合を占めています。本気で月3万円の捻出を考えているのであれば、この三つのうちのいずれかに手を付ける必要があります。電気代や食費など日常生活の基本となる部分については最後の最後にすべきです。

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