※5Gとは、第5世代(5th Generation)移動通信システムの略称です。※上記はイメージ図です。
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【第3回】「5G」拡大への3段階と投資機会

高橋 一

本シリーズの第1回では、5Gの経済効果は大きく、2025年には最大1,336兆円に拡大すると見込まれるとご紹介しました。第2回では、5Gが可能にするIoT(モノのインターネット)がもたらす便利な社会生活の例を紹介しました。今回より、「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド 愛称:THE 5G」を運用しておられるチーフ・ファンド・マネジャーの高橋一さんに、5Gに着眼した株式投資についてお話しを伺います。

通信インフラの整備期→導入期→普及期

5Gの推進・普及のロードマップは長期にわたります。現在は、アメリカの通信会社であるベライゾンにより、ヒューストンなど限定された地域で商用サービスが開始されたばかりであり、今後、5Gサービスの提供が進められていく見通しです。ロードマップは、①2020年ごろまではインフラを整備する時期②その後、2025年ごろまでは商用化の導入期③それ以降は普及期と見られており、5G関連分野への株式投資では、このようなロードマップ上の進展段階に応じて、5G通信技術の発展や5Gを活用したサービスによって企業業績の拡大・成長が期待される企業に注目しています。
現在は、5G通信ネットワークを構築するインフラ整備期であるため、この準備段階で技術面の裏づけのある成長ストーリーを描くことのできる企業に注目して投資します。商用化が本格化してくると、第1回でお話しした5Gの「高速・大容量」「多数同時接続」「超低遅延」という三つの特徴を活かした新しいビジネス、サービスを提供し、業績を拡大させることのできる企業が現れてくると期待されます。一方で、大きな変化に柔軟に対応できる企業とできない企業の差が明らかになってくることも考えられます。2020年以降は、現在とは違った新たな投資機会が生まれると期待しています。

まずは機器や部品、半導体市場に注目

現在は、インフラを整備する局面であるため、5G関連のインフラ投資の恩恵を受けやすい企業に注目して投資しています。様々な情報データがつながることを可能にする機器や技術(通信インフラ機器)を提供している企業、様々な情報データの送受信を可能にする機器や技術(IoT機器・装置)を提供している企業などです。
ここで注目している点は、5Gで利用される周波数帯域が、3G/4Gでは「低周波数帯域」であるのに対し、5Gでは「高周波数帯域」であるということです。高周波数帯域は、波長が短く、高速・大容量の伝送が可能ですが、伝送距離は短いという特徴があります。この場合、3G/4Gで利用されている従来のネットワーク機器や部品、半導体では、通信の容量や速度、安定性など5G通信の高品質が十分に発揮できない可能性があります。5G対応技術を搭載した機器や部品を安定的に供給することが求められ、関連企業には生産・技術面で成長機会となります。
また、高周波数帯域を利用する場合、特に通信密度が高くなる都市ではベース・ステーションの増設や小型基地局(スモール・セル)の多数配備が必要となります。これは、5G通信に対応する新たな技術が用いられたネットワーク機器や部品、半導体などの市場が拡大することを意味し、関連企業には収益成長の機会がもたらされます。
5G通信への移行は生産・技術革新による成長機会や収益拡大機会をもたらすと期待されるため、このチャンスを活かすことのできる企業への投資が有効であると考えられます。

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