お金を呼ぶ教養塾

【第32回】決断が速いことはなぜ重要なのか

経済評論家加谷 珪一

何かを決めるにあたってなかなか決断できない人と即断即決の人。どちらがお金持ちになりやすいでしょうか。何となく想像がつくかと思いますが、皆さんのイメージ通り、お金持ちになりやすいのは即断即決の人です。お金の問題について即断即決できるようになるためには、お金に関する教養を日頃から磨いておく必要があります。

事前に準備をしているからこそ即断即決できる

即断即決している人は、何も考えずに感覚だけで決めているように見えますが、決してそうではありません。中には本当に何も考えておらず、イメージだけで即断即決する人もいますが、こうした人は、たいていの場合、大きな失敗をしていますから、ここでは議論の対象にはしません。

優秀な経営者の多くは即断即決タイプなのですが、彼らは何もせずに即断即決しているわけではありません。正しい決断をすぐに下せる人は、日頃から無数のシミュレーションを頭の中で行っており、何度もその問題について考え抜いているのです。

もし条件がAからBに変わったら案件を進めよう、AからCに変わったら拒否しよう、あるいはAからDになったら仕切り直そう、といった具合に、常に頭の体操をしていますから、いざ、意思決定が迫られることになっても慌てることなく、すぐに決断できます。

優柔不断な人は、性格が優柔不断と思われていますが、実はそうではありません。本当の意味で性格的に決められない人はごくわずかです。多くの人は、優先順位を整理できていないので、選択を求められると迷ってしまうだけなのです。いつも迷っているので「優柔不断な性格」とみなされていますが、実はトレーニングによっていくらでも改善することができます。

食事を選ぶ時、洋服を選ぶ時など、日常生活においても決断を迫られる場面はたくさんあります。

こうした時、自分は何を最優先するのか決めておかなければ、正しい決断はできません。節約を最優先するのであれば、本当のところどの程度まで安いモノに耐えられるのか決めておく必要があります。一方で、節約は最優先にしないにしても、物事には限度というものがありますから、いくらまでなら支出してよいのかについても、事前に考えておく必要があります。そうでなければ、イザという時に正しい判断を下すことはできないでしょう。

※写真はイメージです。

迷った理由や項目を書き出してみる

こうした優先順位について日頃からしっかり自覚できていれば、決められないという状況を回避するのはそれほど難しいことではありません。

優先順位がはっきりしていると、些末(さまつ)な金額にこだわる必要がなくなります。

例えば、ほぼ同じ機能で1万円の商品と1万3000円の商品があったとします。1万円の商品は在庫がありませんが、1万3000円の商品は在庫があります。1万3000円の商品を買った方がよいのか、1万円の商品の入荷を待つか、別の店で同じ価格の商品を探すべきなのかは悩ましいところでしょう。

しかし、この商品の必要性が高い(つまり優先順位が高い)と認識できていれば、高くても手に入れることで、その目的はある程度達したと考えることができます。したがってより安い商品を探して多くの時間を費やすのはあまり得策ではないと判断できます。

逆に必要性が高くないモノの場合には、時間をかけて在庫や価格を調べた方がよいかもしれません。このあたりの違いは、価格と優先順位によって大きく変わってきます。

いつも何かについて、もし○○なら✕✕をする、○○が△△に変わったらやめる、といったシミュレーションをしている人は、優先順位の設定が得意です。

今度、お店に行って何かに迷うことがあったら、自分は何について迷っているのか書き出してみてください。迷っている項目が何なのかしっかり書き出せないようであれば、優先順位の把握はまだまだです。

朝、着て行く洋服に迷ったら(後になってからでよいですから)、やはり何で迷ったのか書き出してみてください。自分にとって何が大事なのか意外な答えが見えてくるかもしれません。

こうした作業は、高額のお金を支出するという時に、必ず役に立つはずです。

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