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【第34回】豊かになりたければ「怒り」を否定してはいけない

経済評論家加谷 珪一

一般的に「怒り」は否定的に捉えられています。いつも怒ってばかりではトラブルメーカーになってしまいますし、何より自分にとっても不愉快です。怒った後に気分が良くなることはほとんどないからです。
しかし「怒り」というのは自分を前に進める原動力でもありますし、何より人としての自然な感情です。怒りを抑えることばかりしていると、お金も遠ざかってしまうということを頭に入れておいてください。

起業家のエネルギーの源泉は「怒り」

世の中には、大きなリスクがあるにもかかわらず、新しい事業にチャレンジする起業家がたくさんいます。中には、純粋にお金が目的で、一攫千金を狙って起業するという人もいるのですが、こうした人は実は少数派です。起業はリスクが大きいだけでなく、精神的にも肉体的にも過酷であり、あまり合理的ではないことが多いのです。

それにもかかわらず起業する人がいるのは、新しいビジネスを創造することで何らかのビジョンを実現したいと思っているからです。そして、そのきっかけのひとつになっているのが「どうしてこんな目に遭うんだ」「どうしてこんなサービスがないんだ」という怒りです。

世の中には理不尽な出来事がたくさんあります。多くの人は、これに対して泣き寝入りするか、怒りを感じても八つ当たりするだけで根本的に解決しようとしません。しかし、その理不尽さを解消するため、理想とする事業を立ち上げる人というのは、怒りをうまく自分自身のエネルギーに変換できているわけです。

もちろん、すべての人が起業家になるわけにはいきませんが、少し形を変えれば、怒りを上手にエネルギーに変えることは誰にでもできます。自分がうまく出来なかったという「怒り」を自身のスキルアップにつなげるのです。

怒りがないとスキルは上達しない

年金の減額がほぼ確実となっているこれからの時代において、資産運用は必須のテーマですが、投資には「上手い」「下手」というものが厳然と存在します。やはり投資が上手にならないと、資産運用でよい結果は残せません。

※写真はイメージです。

投資は基本的に習い事と同じで、経験値がモノを言う世界です。どれだけ頭が良くて、投資本を読破したところで、実際に投資の経験を積み、失敗を含めてそこから多くを学んだ人には「絶対に」勝つことはできません。これは資産運用歴25年の筆者が言うことですから、間違いないと思ってください。

投資が「上手く」なるために重要となるのが「怒り」や「悔しさ」という感情です。

スポーツや音楽で上達するためには、楽しいだけではダメというのは多くの人が認識しているはずです。うまくいかず、自分に対して怒りがこみ上げてくるような感情がないと、なかなか上達しないのではないでしょうか。投資についてもまったく同様で、失敗した時の感情が非常に重要となります。

ここで怒りの矛先を間違ってしまう人は、投資下手一直線となってしまいます。

証券会社の営業マンが悪い、マスコミの報道が悪い、アナリストが悪い、と他人に怒りをぶつけてしまう人は、いつまでたっても上達しませんし、下手をすればクレーマーです。怒りを自分に向け、それを次の教訓にできる人だけが投資スキルをアップすることができます。

もっともよくないのは、怒りを抑制してしまうことです。

怒りを無理に抑制すると感受性までなくなる

怒りをコントロールするのは一見、良いことに思えますし、それを推奨するメンタルの専門家もいますが、少なくとも「お金の教養」という観点からするとまったくプラスにならないと筆者は考えます。

怒りを抑制する行為を繰り返していると、感受性も抑制されてしまい、社会や周囲に対して鈍感になってしまいます。これではキャリア形成にも資産形成にマイナスであることは明らかでしょう。

もちろん感情的になったまま行動するのはよくありません。

わたしたちが実践すべきなのは、怒りを抑制することではなく、怒りの感情を素直に受け止めて、それを認識することです。自分が何かに怒っていたり、感情的になっていることが分かっているのなら、そのタイミングでは、人に会ったり、重要な決断をすることは避けた方がよいでしょう。しかし自分が怒っていることは、否定せず、しっかりと受け止めて、明日へのエネルギーに変換すべきだと筆者は考えます。

怒りのエネルギーをつまくつかうことができれば、自身のキャリアにも、そして最終的にはお金にもよい影響を与えるでしょう。

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