知られざるエンタメビジネスへの投資と海外展開

【第1回】アイドルビジネスの海外投資戦略

株式会社For Bridges長谷川 謙司

AKBが2005年12月に誕生してから既に10年以上が経ちました。この間、雨後のタケノコのようにアイドルグループが誕生しては消え、誕生しては消え、業界内では新陳代謝が絶え間無く繰り返されています。
AKBにおいてもグループ内でメンバーが継続的に入れ替わり、グループ単体で見ても新鮮さを維持するための動きが続けられております。アジアを見渡すと、上海・台北・ジャカルタ・バンコク・マニラ・サイゴンと派生グループが次々と出てきています。昨年、タイの王女が『恋するフォーチュンクッキー』を踊って、BNK48(バンコク)が爆発的な人気となったのをニュースでご覧になられたかもしれません。
連載の第1回は、海外における日本アイドルへの投資という観点で書いてみたいと思います。

現在の日本のアイドル業界はAKBグループを頂点として、いくつものグループが乱立している状態です。当然ながら、多くのグループが将来売れることを夢見て日々活動を続けております。
しかし、サブスクリプションモデルを中心とする音楽ストリーミングアプリの流行により、AKBグループ以外で爆発的に売れるCDはほぼ皆無と言ってよいと思います。たとえアプリで楽曲が再生されたとしても、1曲あたり雀の涙程度の金額しかアーティストに入らない状況となっています。CDの販売がアーティストの収益に繋がらない今日、アイドルがマネタイズするためにはどうすればよいでしょうか。

まず考えられるのは、単独でライブイベントを主催することです。自分たちのファンを呼び集めれば、チケットの売り上げから会場費・スタッフ費・機材費を除いた金額が収益となります。また、主催者と協力会社が別にいて、出演料を頂いて収益とするパターンもあります。 前者のほうが利益を大きくできる可能性がありますが、その分リスクも大きくなります。集客できなかった場合の損失は、全て主催であるアーティストが負担することとなるからです。

そのほかにも有料・無料ライブ問わずに、ライブ後に実施するグッズ等の販売も収入源として考えられます。商品と合わせて、チェキで一緒に写真を撮ったり、購入した商品にサインを入れたりすれば、原価がほぼかからない形でさらに売り上げを立てることも可能です。また、企業からスポンサーフィーを頂いたり、テレビ・ラジオ・雑誌などのメディアに出演したりすることでお金を頂く方法も単純ですがあります。

それ以外にも、ライブストリーミングアプリの普及で「投げ銭」機能が収益になるケースも増えてきています。ファンの方々が、デジタル上で”おひねり”を渡すことで、そのアーティストに収益が入る仕組みです。ファンがアーティストの気を引きたいがために、どんどん投げ銭機能を利用してくれれば理想的な展開となります。

しかしながら、ある程度の認知がなければ。集客もマネタイズもできないスキームであるため、資金力がない限りは売り上げが悪い→広告宣伝費が少ないという負のスパイラルに陥ってしまうことが多々あります。
そこで全体収益を向上させるために、まずはファンの獲得をして、いかにお客さんを前記のスキームに引き込むかが一丁目一番地で必要なこととなります。うまくファンを集められれば、しっかりとした収益化の道筋につながっていく、逆にファンが集まらないと収益化が見込めない、アイドルたちはそんな厳しい事情で戦っているのです。

第2回はアイドルの海外進出について書いてみたいと思います。

【第2回】アイドルの海外進出とビジネスの関係

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株式会社For Bridges長谷川 謙司
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【第1回】アイドルビジネスの海外投資戦略

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