知られざるエンタメビジネスへの投資と海外展開

【第3回】アイドルビジネスの海外展開について

株式会社For Bridges長谷川 謙司

今回は逆輸入アイドルの展開について書いてみたいと思います。
前回書いた通り、海外でのアイドルやアーティストの認知向上のためには、リアルとデジタルを合わせたタッチポイントを設けて、リターンに見合う形の投資・活動が必要になってまいります。

前回の記事では、逆輸入アイドルとしてのポジション確立のための3カ条
①FACEBOOK等のSNSを活用した認知の拡散
②アニメイベント等、リアルなタッチポイントでの認知向上
③現地メディアを活用した認知の拡散について説明しました。今回はその詳細です。

①Facebookの活用

日本でのFacebookの利用率は2割程度にとどまっております。しかし東南アジアや香港・台湾でのfacebook利用率は7~9割とかなり高い水準で、インフラ発達の遅れているインドネシアでさえも6割以上が利用しております(2019年、Hootsuite調べ)。

そのためFacebookを認知向上ツールとして活用するのは非常に有効な手段といえます。一方、多くの人が使っているがゆえに、「いいね!」やフォロワー数が上がるスピードは日本に比べて速くなります。単純に数を上げることだけでなく、投稿するコンテンツの内容を充実させ、個々の投稿に対する反応を高めることが重要なKPIとなってきます。

投稿に対して有効な反応が返ってくる割合を「エンゲージメント率」と呼びますが、わたしたちが携わる逆輸入アイドルはどんなに悪くても10〜15%、一番良かった投稿では40%以上にもなりました。さらに、その投稿のリーチがフォロワー数以上に拡散するということもありました。ちなみに、企業ページでエンゲージメント率が高い投稿だと10%を超えてくれば効果的だということも付け加えさせて頂きます。

②アニメイベントでのリアルタッチポイントの確立

日本のアニメイベントやアメコミなどの海外のアニメイベントは、世界中のどこかで毎月開催されているといえるくらい多いです。小さいものでは数千人規模から、大きなものは数日間で数十万人単位の来場者が来るイベントまで多岐にわたります。

前記の逆輸入アイドルは、昨年末にシンガポールで開かれたC3AFA Singapore(来場者11万人)や、今年2月には香港のC3AFA香港(同22万人)でパフォーマンスしました。これらのイベントではブース出展もしてファンとの交流イベントや物販イベントを実施。潜在的なファンの開拓、交流に成功しました。

③現地メディアにおける拡散

これまでに紹介した①、②の施策は、計画的もしくは偶発的にそのアイドルの情報に巡り会えた人たちを集客したに過ぎません。戦略的にその後もマーケットでの認知を高めていくためには、現地で断続的に情報を拡散させることが必要となってきます。

具体的にはテレビ・ウェブメディア・雑誌・新聞などの取材を受け、その情報を広く拡散してもらうことです。イベント開催時には、イベンターが手配する合同記者会見やイベント会場を歩き回るメディアにアプローチします。機会を逃さずメディアを捕まえて取材をしてもらうことは、マーケットに対して直接自分たちの情報を伝えてもらうチャンスになります。

実際に前記のアイドルは、シンガポールのニュース専門の国営チャネルや、香港・台湾・中国の17メディアに取り上げてもらいました。現地の人だけではなく日本在住の香港人・台湾人などにもリーチできたので、日本で開くライブの際に来場してもらうことができました。

これらの成功例はありながらも将来的な「伸びしろ」を考えると、時間を買うという視点で投資をしてメディアジャックを行い、メディアを集めたイベントを実施したほうが、その後の道筋が立てやすくなります。次回はこの点について書いてみたいと思います。

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