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住まいの未来Online
新春住宅特集 (2016年1月1日付)

 

計画的かつ行動的に
今できることを始めよう
 消費税率のアップが来年4月に予定されている。そのため住まいの購入を望む人にとってはこれから数カ月の行動が大変重要になってくる。住まいづくりや不動産の活用について多くの相談を受けてきたファイナンシャルプランナーの佐藤益弘さんに「住まいとお金」の基本的な考え方を聞いた。

 


株式会社優益FPオフィス代表取締役
CFP(R)資格認定者・住宅ローンアドバイザー
マイアドバイザー.jp 登録
佐藤益弘さん
さとう・よしひろ/メーカーの不動産部門でマンション開発・販売統括・管理支援などの主任を務めた後、2000年からファイナンシャルプランナー(FP)として独立。顧客の立場で支援するFPなどの専門家集団「マイアドバイザー」を立ち上げ、メンバー間のレベルの向上や情報交換に努めている。

住まいの価値を考える、時間単価という指標


 住まいを考えるには、大きく分けてふたつの方法があります。現在の手持ち資金や今後の収入予測など「スタート」から考えるのか、将来的にどんな生活を希望し、そのためにコストがどれだけかかるかという「ゴール」から考えるのか。ふたつの間にはギャップがあるのが当然で、そこをいかに埋めるかを具体化していくことが資金計画です。
 自己資金は、初めにできるだけ多く用意しておくことが得策であるのはいうまでもありません。ライフプランにゆとりが生まれるだけでなく、毎日の生活のなかで計画的に資金を用意できた人=きちんとお金の管理ができる人、ということで、ローンを組む金融機関からの評価が上がり、金利優遇などの特典を受けられることもあります。月々の返済額は、手取り収入の30%程度を限度と考えるのがいいでしょう。
 住まいの購入にかかる費用は、物件価格の他にも税や登記費用、火災保険料、引っ越し費用、団体信用生命保険料など、意外に多いものです。そうした諸経費の総額は、物件価格の10%程度が相場といわれます。後から必要になるコストもあるので、支払いの時期を含めて事前に確認しておいてください。
 どんなローンを利用するかも考えどころですが、一般的に変動金利型は金利が低いものの将来は金利上昇のリスクがあり、固定金利型は反対にやや高めではあるものの、安定していることが魅力です。固定型と変動型の金利差は将来に備えた「保険」と位置付け、自分には保険が必要かという視点で検討してみるといいですね。
 住まいの価値とそこにかけるコストについて、私は「時間単価」で考えることをおすすめしています。たとえば5千万円の物件に、あまり大規模な補修をせずに20年間住んだあと3千万円で売却できたケースと、購入費は3千万円に抑えたものの補修費がかかり、20年後にはほとんど値が付かなかったというケースでは、後者のほうが高い時間単価を払ったことになります。良いモノを手に入れて長く使うというシンプルな発想が、住まいの場合も重要だと思います。

 

9月末までの契約で、消費増税前の購入を


 2016年は、住まいの購入を検討中の人にとって大切な年になります。団塊ジュニアと呼ばれる世代が40代半ばにさしかかり、住宅メーカーにとっては大きな需要を呼び込めるチャンスですので、これまで以上に魅力的な商品やサービスを競って投入してくることが予想されるからです。
 また、17年4月に予定される消費税率アップを見越した動きも重要になってきます。他の物品と同じように、消費税率が8%である間に購入することが理想ではありますが、注文住宅の場合は少し事情が違ってきます。前回、14年4月の消費増税の際には、約半年前となる前年の9月末までに建築請負契約を交わしていれば、物件引き渡しが4月以降になっても増税前の税率5%が適用される特例がありました。まだ確定はしていませんが、今回も同様の施策が実施される可能性は高いと思います。まずは「9月末までに契約」というタイムスケジュールを念頭に置いて、行動を始めるといいでしょう。住宅ローン控除や、住宅購入資金にあてる場合の贈与の特例、相続時精算課税制度の特例なども継続していますが、利用する時期によって条件が違うこともあるので、内容をよく確認して制度を有効に使いましょう。
 人が住まいの購入を考えるタイミングというのは、単に建物としての家が欲しいのではなく、子どもの就学や世帯主のリタイアなどに合わせた新しい「生活空間」が必要なときだと思います。私はFPとして、住宅の購入を希望しているご家族の相談もずいぶん受けてきましたが、よくよく聞くと住まいだけでなく、子どもの教育費や老後資金との兼ね合いで悩んでいる人が多いものです。住まいを考える際には、ライフプラン全体について相談できる専門家を見つけることも大切です。
 もちろんお金のことはきちんと考えるべきですが、それ以前に住宅展示場などをまわり、理想の住まいのイメージを広げることが、第一ステップとしては重要かもしれません。仮に住宅購入はまだ数年先にしようという結論になったとしても、そこで得た知識は決して無駄にならないからです。まずは年の初めに、今できることから始めてみましょう。(談)





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