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Vol.4 広い世界を体験できる充実のカリキュラムに期待相手を尊重することで成長できる人材の育成を
マダムサチコアンコールクッキーオーナー小島幸子

グローバルな「人財」の育成を標榜する東洋大学は、2017年4月、経済、貧困、資源、環境、紛争など、グローバルな社会における様々な新たな課題に対し、イノベーションを起こす「リーダーシップ力」と「地域の自律的発展に貢献できる知識と能力」をもつ人財を育成する「国際学部 グローバル・イノベーション学科/国際地域学科」を開設予定です。

そこで今回、カンボジアでアンコールワットの形を模したクッキーで有名なMADAM SACHIKO ANGKOR COOKIESのオーナー、小島幸子さんにお話を伺いました。同社は、アンコールワットを訪れた観光客向けのお土産お菓子の製造販売によって年商3.5億円を誇り、カンボジア人従業員100名の雇用を生み出す、まさに「地域の自立的発展」に寄与した会社です。そんな会社を経営する氏に、これからのグローバル社会の課題に対して貢献できる人材像、あらたな学部で学ぶ学生に期待することなどを語っていただきました。

好奇心に突き動かされ、とにかく海外へ出ようと思った
好奇心に突き動かされ、とにかく海外へ出ようと思った

私が海外に目を向けるようになったきっかけは、大学3年生時の中国旅行。上海、西都、重慶などたくさんの土地を巡りましたが、非常にエネルギッシュで圧倒されました。中国に関しての情報はメディアや本を通じて知っているつもりでしたが、百聞は一見に如かずとはよく言ったもので、実際に行って見るのとでは感じ方が全く違う。アジアってなんて面白いんだ。その好奇心に突き動かされる形で、とにかく海外に出ようと思うようになりました。

大学を卒業後は2年ほど国内の日本語学校で教えながら、留学生を支援するボランティアにも取り組みました。そうした活動でカンボジア人の国費留学生と出会い、カンボジアへの強い関心を持つようになりました。そして見つけたのが、カンボジアでの日本語教師の募集。「これだ!」と必死に先方に手紙を書きましたが、残念ながら不採用。でも幸運なことに、現地の旅行会社での職を紹介してもらうことができ、働くチャンスを得ました。迷わずカンボジアへ渡り、日本人観光客をアンコールワットなどへ案内するガイドを1年間務めました。

今のお土産を作るという仕事のアイデアが浮かんだのは、まさにこの時。観光客の方から何度も「お土産になるお菓子はないの?」と聞かれ、その度におすすめできる品がないのはもったいないと感じていました。その後、日本語教師として2年間生徒たちと暮らす経験の中で、現地のさまざまな問題に直面しました。頑張って学んでも、若者にはこれといって働く場所がないという現状。企業や産業がなく、自らお金を作り出す仕組みがないという現実。私に何かできることはないかと思った時に、この時のお土産の話を思い出したのです。

そこで、30歳の時に一念発起。お土産用のお菓子「アンコールクッキー」を作る会社を立ち上げました。最初の半年間は全く売れず、細々と注文を取っては売るという毎日でしたが、日本の地方空港からカンボジアにチャーター便が飛ぶようになってから、売り上げは好転。大手の旅行会社が取り扱ってくれるようにもなりました。2005年4月にはアンコールワットの通り沿いの一等地に移転でき、100名ほどのスタッフに全てを任せられるほど会社も成長しました。もともとは、カンボジアに雇用、仕事を創ろうと始めた会社。自分のための起業ではありません。現在ではカンボジアにもさまざまな外資系企業が増え、雇用も増えていますので、当初の役割は十分果たしたと考えています。いまは次の目標に向けて走り始めました。

日本の良い所を取り入れながら、現地の文化を尊重することが大事
日本の良い所を取り入れながら、現地の文化を尊重することが大事

東洋大学では、2017年4月に国際学部を新設すると伺っています。グローバル・イノベーション学科では、企業での活動や起業を通して国際社会で活躍できるリーダーの育成を行うとのことですが、そうした人材は今後ますます求められると思いますので、大いに期待しています。グローバルな環境で活躍するためには、日本との文化的背景の違いを理解することが大事。文化が異なると、例えば「この商品は良い」と思う感覚も全く違います。何かを決める時には、一方的に押し付けるのではなく、みんなで話し合うことを大切にしています。そのためにはコミュニケーションを取るための語学力も必要です。学生の方には、どんどん海外に出て広い世界を知り、たくさんの経験を積んでほしいと思います。その意味でも、長期留学を必須化している東洋大学のカリキュラムは本当によいチャンスになると思います。

国際地域学科では、アジアを中心に開発支援やビジネスを通して、現場主義で地域の発展に貢献していく人財の育成を目指すとのこと。現在、私が取り組んでいる次の目標にも関連する部分が多いので注目しています。

都市部での仕事が軌道に乗りましたので、今度はまだインフラが不十分な農村地域でできることを模索中です。こうした地域でも雇用を生み出し、継続できる仕組みを構築するべく、バナナやマンゴーのファームや、作物をジュースなどに加工する工場などの準備をしています。ファームは観光農園も兼ねることで、工場とともに年間を通じた現金収入を見込めます。現在は、マンゴーの苗木を植え始めているところですが、これが成功事例となればカンボジアの農村地域も少しずつ変わっていくのではないかと期待しています。

私がここまでやってこられたのは、自分はカンボジアで生きがいを見つけたので何か恩返しをしたいという思いがあるからです。私の幸せは、みんながファームや工場を作ってよかったと思ってくれること。だから現地になじみ、コミュニケーションを積み重ねて信用してもらえるよう、一生懸命に取り組んでいます。国際学部で学ぶ学生の方にも、充実したフィールドワークやインターンシップのカリキュラムを通じて、現場の方と大いにディスカッションすることで、日本の良い所を取り入れながら相手の文化を尊重し、敬意を表することの大事さを学んでほしいと思っています。

そして、若いうちに自分が何をしたいのかを突き詰めてほしい。本当は何がしたいのか。それは、親にも先輩にもわかりません。わかるのは自分だけなのです。もちろん、簡単にわかるものではありません。でも、今与えられた環境で一生懸命やることで必ず見えてきます。東洋大学の国際学部のように世界で働くことを目指す学生が集まる恵まれた環境で、自分の言葉で夢を語れる人に成長していってください。

profile

profile マダムサチコアンコールクッキーオーナー 小島幸子
1972年生まれ。1995年、横浜市立大学を卒業後、日本語教師として勤務。1999年にカンボジアにわたり、旅行会社でアンコールワットなどを訪れる日本人向けガイドや、日本語学校でカンボジア人学生への日本語教師などを務める。2004年、カンボジアに仕事をつくることを目的にKhmer Angkor Foods Co.,Ltdを設立し、アンコールワットを模した『アンコールクッキー』の販売を開始。2011年5月にMADAM SACHIKO ANGKOR COOKIESへ社名を変更した同社では現在、カンボジア人従業員100名と、カフェやクッキーの販売店を複数同国内で展開している。これまでに日経ウーマンオブザイヤー(2008年)、国際アントレプレナー大賞(2014年)などを受賞。活躍に注目が集まる。
学部紹介

国際学部 グローバル・イノベーション学科/国際地域学科

2017年春に開設予定。経済、貧困、資源など、さまざまな新たな課題に直面するグローバル社会。この新たな社会課題に対し、イノベーションを起こすリーダーシップ力や、課題解決力を身に付けた人財の育成を目指す。
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