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10月17日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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正解はどこにもないタフな学びに挑む

所属学部で学びながら、学部の枠を越えて設けられた五つのプログラムを体系的に学ぶ

 あまりに楽しそうに話をする先生につられて研究内容に興味が湧いてきた。立場や視点によって物事の正解は変わりうると知った――。大学教育の本質とは、そんな学びに対する動機付け、多面的な思考の気づきを促すことにあると中央大学の酒井正三郎総長・学長は語る。

 「世の中が抱える課題に、受験勉強のようなただ一つの解はありません。実態は、白か黒のどちらかではなく、多様なグラデーション。そこには価値観や状況に応じた各々の正当性があるものです。大学では、幅広い教養・知識をもとに物事を相対化して考える力を身につけてほしい。モチベーションさえ植えつけることができれば、学生はどこまでも伸びていくものです」

 学部の垣根を越えて少数精鋭のゼミ形式で学ぶ「FLP」(Faculty-Linkage Program)は、その好例だ。多様な専門領域の教員が結集し、「環境」「ジャーナリズム」「国際協力」「スポーツ・健康科学」「地域・公共マネジメント」の5テーマを設置。毎年「FLPを受講したくて中大進学を決めた」という新入生がいるほどの人気プログラムだ。2年次から3年間、所属学部と並行して学ぶため、教員・学生ともに非常に大きな負荷がかかるが、「得られる成果はさらに大きい」と学長。

 例えば、ジャーナリズムプログラムのなかには、第2次世界大戦と中大生の関わりを追っているゼミがあるという。「戦後、台湾でエリート層を含む多くの方々が虐殺された二・二八事件。その犠牲者のなかに、かつて中央大学で学んでいた留学生が大勢含まれていたことが判明し、学生たちが現地で遺族や関係者に取材をしたのです。事件の全容はいまだ明らかになっていませんが、彼らの取り組みは台湾でも高く評価されており、その意義、影響力には感銘を受けました」

 創立140周年に向けた中長期事業計画「Chuo Vision 2025」では、FLPの13年間の蓄積と経験を生かした学部の新設なども検討中。中央大学ならではの新たな学びの場の創設に期待が高まる。

“実学の中央”が育むグローバル人材とは

世界34の国と地域、178大学・研究所と世界に広がるネットワーク

 司法試験はもちろん、公認会計士や国家公務員総合職などの難関国家試験で、例年華々しい合格実績を上げている中央大学。130年超の伝統で培われた質の高い教育、志を同じくする仲間と切磋琢磨(せっさたくま)し学ぶ良質な環境、各界の第一線で活躍するOB・OGのサポートが、その強さを支えている。

 「“実学の中央”としてより盤石の地位を築いていくために、今後、法学部と法科大学院(ロースクール)のキャンパス一体化による連携強化などを進めていきます」

 さらに、国際法務の知識を備えた弁護士、国際会計基準に精通した米国公認会計士といった、国際社会で活躍できる「グローバル・プロフェッショナル」の育成にも尽力していく。

 また来年度からは、英語等の外国語で学べる「グローバルFLP」がスタート。世界で通用する実学を身につけるべく、協定校や留学プログラムの拡充、海外研究拠点の設置なども着々と進んでいる。いずれも次代を見据えた施策ではあるが、「国際的な知見を身につけ社会に貢献しようという姿勢そのものは、中央大学が建学以来、変わらずに受け継いできたDNAのようなもの」と学長は語る。

 西欧諸国との不平等条約改正という難題を抱えていた明治時代。18人の若き法律家たちは、日本の近代化達成のためにはイギリス法の普及が必要だと主張。1885年、中央大学の前身である英吉利法律学校を設立した。以来「實地應用ノ素ヲ養フ(じっちおうようノそヲやしなフ)」を建学の精神に掲げ、創造的批判精神に基づく実学教育に取り組んできた。

 「現代に合わせて再解釈を加えるなら、高度な専門性と広い視野と共に“三つのD”を備えた人材であってほしい。それは、多様性(Diversity)を尊重し、見解の相違があっても粘り強い対話(Dialogue)によって互いを理解しようとすること、そして、品位(Dignity)や高い倫理観を持って行動すること。それが、今後求められるグローバル人材といえるのではないでしょうか」

長い人生を見据えた充実のキャリア支援

 97・9%(※)という高い就職決定率を誇る中央大学。学生一人ひとりの志向や可能性に寄り添うキャリアサポートが充実しており、故郷もしくは出身地以外の地域での就職をバックアップする「U・Iターン支援」、1・2年次向けのインターンシップ「次世代リーダーズ・プログラム」、女子学生向けのガイダンスなどを実施している。

 とくに、年代や有名無名を問わず、各界のOB・OGから直接話を聞くことのできる講演や座談会は好評だ。「どんな仕事もいい面ばかりではありません。日々の苦労や壁をどう乗り越えているのか。その先にどんなやりがいがあるのか。リアルな声を聞いてキャリア形成の一助としてほしい。こんなはずではなかった、とすぐに離職するような卒業生は出したくないですから」

 酒井学長が高校生に送るエールは、地に足のついた、いかにも中央大学らしいものだ。

 「学問研究、資格試験、スポーツ等いかなる分野であれ、何かを身につけるためには辛抱強く努力を続けることが欠かせません。そのための環境はきちんと整えています。自らを高めるために忍耐強く頑張ることのできる、そんな気概のある学生をお待ちしています」

※就職決定者数4507人/就職希望者数4606人
2016年度実績(2017年4月現在)

アジアで活躍できる就業力を
英語で学ぶ「Global LEAP」開始

 2017年度から始まった「Global LEAP」(Global Learning for Employability and Advanced-study Program)は、アジアで活躍できる能力を身につけることを目指し、外国人留学生と共に英語で学ぶプログラム。カンボジアやミャンマー、ベトナム、中国、韓国の主たる大学との交換留学、海外インターンシップ、東北での被災地復興支援ボランティア活動などを通して、グローバルな就業力を鍛える。

被災地から多摩地域へ
「ボランティアセンター公認学生団体」
東北の被災地でのボランティアの様子

 東日本大震災から6年、熊本地震から1年が経ったいまも「被災地域の役に立ちたい」と多くの中大生が長期休暇や週末を利用して宮城県気仙沼市や岩手県宮古市、熊本県西原村などを訪れ、ボランティア活動に参加している。被災地から多くの学びを得た学生が、多摩地域での防災活動も展開している。活動例は、小学生への宿題指導や体験学習、災害公営住宅でのコミュニティー支援、地域を応援する物産展活動、地域の人々との防災活動など。

 「被災地支援学生団体ネットワーク」を設立後、2017年から「ボランティアセンター公認学生団体」と改め、学生団体が情報を共有しながら、中央大学としての一体感を持った活動を継続している。

365日利用できる「炎の塔」
仲間と共に難関国家資格を目指す
多摩学生研究棟「炎の塔」

 多摩キャンパスにある「炎の塔」と呼ばれる学生研究棟は、法科大学院や司法試験をはじめ、公認会計士試験や公務員試験等、難関試験突破を目指す学生のためのサポート施設。棟内には自分専用の定席とロッカーがあり、日曜や祝日も365日朝8時から夜11時まで利用できるという恵まれた環境のもと、学生は日夜、切磋琢磨している。試験対策のための少人数制の講座や個別相談も行われ、司法試験合格者や法科大学院修了者、実務家として第一線で活躍するOB・OGが中心となって指導にあたり、難関試験突破に向けた学修環境が用意されている。