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05月22日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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変革し続けることで時代が求める人材を育成

 急速なグローバル化の進展に加え、記憶の外部化、作業の自動化、AI(人工知能)の進化といったテクノロジーの発展などにより社会構造は大きく変化している。こうした時代において大学が果たすべき役割とは何か。規矩大義学長はこう話す。

 「AIの技術が進化していくことで、今ある職業の多くがAIやロボットに取って代わられると言われています。人間の『仕事』が果たす役割や機能が変化していく中で、20年後、30年後の社会で活躍できる『力』を育てること。そして、時代や社会がどのように変化しようとも、学生にとって最も大事なのは、幅広い教養、見識、知性を着実に身につけることです。そのためには、誰と出会い、何を語り、どのように学ぶかが大切。学生たちにそうした力を身につけさせることこそが大学の果たすべき責務であると思います」

 関東学院大学では研究成果や人材育成を通して社会に貢献し続けていくため、「教育」「研究」「社会連携」「かたち」の四つのビジョンの実現を目指す「未来ビジョン」を策定した。

 ビジョンに基づき、今年4月には「経営学部」に加え、法学部の「地域創生学科」を新設した。経営学部では実践的な教育をサポートするため、10の業種からなる企業集合体「K-biz」を構築。学生と企業が一体となり現在進行形の社会課題に取り組んでいる。

 地域創生学科で特徴的なのが「地域創生特論」だ。神奈川県内にある10の自治体が各1科目を担当。地域ごとに抱えている課題や政策を首長や自治体職員から直接学べる。ほかにも、3年次の春から最長6カ月間、海外留学や企業インターンシップなどに取り組む人間共生学部の「プロジェクト科目」を開設。多様な人々と協働するなかで身につけた知識や技能を活用する場を教育に組み込んでいる。

 「新しい教育の成果を出してこそ。現在、全スタッフが必死に取り組んでいます」

社会と連携させたプログラムが充実

 学んだ知識の活用力を身につけるだけではなく、これからの時代に求められる「自ら考え行動する力」を養うため、企業や自治体、地域などと連携した実践的な学びの環境を整えている。

横須賀・谷戸地区で取り組む「空き家改修プロジェクト」

 代表的なものが、2015年から横須賀市谷戸地区で取り組んでいる「空き家改修プロジェクト」だ。自治体や地元工務店の協力を得て空き家をリノベーションし、学生のシェアハウスとして活用。今後は、国際シェアハウスとして学生、留学生、地域住民が交流できるスペース作り、改修した家への定住促進などを計画しているという。

 また、全11学部の専門分野の特性を生かした学部横断のプロジェクトも多彩。その一つが「ご褒美マカロン」プロジェクトだ。洋菓子メーカーと連携した栄養学部の学生が企画したマカロンを、人間環境デザイン学科の学生がデザイン。経営学科の学生が販売・マーケティングを行い、16年10月に「鎌倉湘南産うまいもん大学2」で販売し好評を得た。

 「実際の社会を見ながら勉強するのか、教科書だけで勉強するのかで学生の成長は大きく異なります。また、多くの人と関わることで他者の気持ちをくみ取れるようにもなる。今後も、社会と関わるために何が必要かを学生自身が主体的に考えられるプログラムを取り入れていきたいと考えています」

多様性を重視した環境づくりを推進

規矩大義学長・博士(工学)

 教育、研究の側面だけではなく課外活動においても様々な人と議論や協働しながら独創的なチャレンジに取り組めるよう、キャンパスの多様性の向上を目指している。

 その一環として、日本との歴史的なつながりも深く、経済発展目覚ましいベトナムと国際交流を進め、ベトナム国家大学ハノイ工科大学、ベトナム貿易大学など、12の高等教育機関と学術交流協定を締結。今後、大学院生を中心とした留学生を多く受け入れる予定だという。

 「学生たちを海外留学や、プロジェクト型の学修で外へ送り出すだけでなく、留学生、社会人、企業人などを積極的に受け入れることで、国籍、肩書き、世代などを超えて協働して学ぶことができる多様性に富んだキャンパスにしたいと考えています」

 130年超の伝統ある関東学院大学は、「一人ひとりの学生に寄り添って、学生の未来に責任を持ち続ける」という教育理念のもと変革を続け、他者の幸せに貢献できる人を育成してきた。その思いはこれからも変わらない。

 「まず自分を大切にし、自らを成長させなければなりません。成長することではじめて他者や社会へ貢献できるようになるのです。成長するために勉強したいという人はぜひ本学に入ってほしい。本学での学びを通して、夢や目標を実現し、『社会と人の幸福に貢献する人』になってほしいと願っています」

看護師学部第1期生が卒業
全員が看護師国家試験に合格

 地元・神奈川県を含めた首都圏の深刻な看護師不足に対応するとともに、校訓「人になれ 奉仕せよ」を具現化できる人材の育成を目指し2013年4月に看護学部を新設。県内にある四つの共済病院を中心とした医療機関の協力を得て、実習の受け入れ体制を整えた。

 学生たちは、専門分野の学びを深めるとともに総合大学としての利点を活用し、多彩な科目を履修しながら知識と技術を修得。4年次から国家試験対策を本格化させ、この春卒業した第1期生66人全員が合格した。今後も質の高い教育を提供し、地域社会に貢献する看護師の育成を目指す。

「国際研究研修センター」を開設
湘南・小田原キャンパスが研究拠点に
四季折々の自然豊かな湘南・小田原キャンパス

 約37,000坪の面積を有する湘南・小田原キャンパスに、2017年4月、材料・表面工学研究所を核とした「国際研究研修センター」を設置。表面工学分野の先端技術や、機能性食品分野の研究を中心とした関東学院大学の研究拠点としてスタートした。小田原市との連携のもと産官学連携を進め、地域産業の活性化に寄与していく。

 キャンパス施設の地域開放、市民向けの公開講座の開講など、大学の「知」の地域への還元を継続するとともに、海外の研究者、留学生の受け入れを推進し、国際交流拠点としての機能も充実させるなど、小田原の地から、地域へ、そして世界へ発信する新たな拠点づくりを目指す。

新校舎3号館が完成
「重慶厨房」もオープン
フロアごとに用途が異なる新校舎が2017年3月に完成

 横浜・金沢八景キャンパスに3号館を新設。1階は学生食堂やレストラン、フリースペースを設置。2階が教室となり、3階にパソコン演習室などが移設された。4階は会議室とゼミ室、最上階の5階は教員の研究室となっている。

 1階のレストランには横浜中華街にある四川料理の老舗重慶飯店が運営する「重慶厨房」が入った。人気メニューの麻婆豆腐丼や担担麺など約17品のメニューが並ぶ。価格も500~600円とリーズナブルで、地域の人にも利用できるよう一般開放している。