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10月17日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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地球社会に貢献する 世界水準の教育研究

 学問による社会への貢献を目指し、「実学(サイエンス)」の大切さを説いた福澤諭吉。その理念を受け継ぎ、約160年にわたって日本の近代教育をリードし続けてきた慶應義塾はいま、地球社会の課題解決を通して世界に貢献すべく、国際的かつ学際的な教育研究・人材育成を推進している。

 英語(またはその他の外国語)による授業で学ぶ、全学部生対象のプログラム「GIC」(Global Interdisciplinary Courses)を昨年より開始。科学・環境などの自然科学分野から、貧困・移民・紛争といった社会問題、グローバルビジネス論などのテーマを取り上げ、基礎的な「コア科目」と専門レベルの「リサーチ科目」、合わせて400以上もの科目を設置。今年度の履修者はのべ8000人を超えるほどの人気プログラムだ。

 また経済学部では、グローバルリーダーたる次代の経済人を育成すべく、4年間の全カリキュラムを英語で学ぶ9月入学のプログラム「PEARL」(Programme in Economics for Alliances, Research and Leadership)を実施している。定員は国内外から選び抜かれた約100人。能力と意思があれば5年間で学士・修士の学位を取得することもできる。

 ほかにも、総合政策学部・環境情報学部では、ICT(情報通信技術)やマネジメント、国際関係など幅広い分野を、商学部では大学院入門レベルの講義科目を、それぞれ英語のみで学ぶカリキュラムを用意。キャンパスにいながらにして、留学しているかのような厳しい状況下で自らを鍛えていけるというわけだ。

 今後は、300を超える海外有力大学とのネットワーク、国内トップクラスを誇る28件のダブルディグリー・プログラムもさらに拡充。世界水準の教育環境を国内外で整備し、国際社会の第一線で活躍できる人材を育成していく。

留学生と共に暮らす 国際学生寮を増設

三田キャンパスにあるグローバルラウンジ。様々な国籍の学生が集まり、異文化交流を図る場所となっている

 未来のグローバルリーダーを育む場は、キャンパス内にとどまらない。慶應義塾ではいま、外国人留学生と日本人学生が共に暮らす混住型の国際学生寮を次々に新設している。

 今年3月には、国際学生寮「日吉国際学生寮」(横浜市港北区)がオープン。さらに来年3月には、「元住吉国際学生寮(仮称/川崎市中原区)」と「綱島SST国際学生寮(仮称/横浜市港北区)」がそれぞれ完成する。これにより慶應義塾大学の学生寮は計10件となる予定。

 慶應義塾の学生寮の歴史は長く、1937年の日吉寄宿舎の創設以来、先輩後輩などの立場を超えて互いに学び教え合う「半学半教」、自らの良識と信念に基づき行動する「独立自尊」といった理念を実現する、大切な教育の場として位置付けられてきた。

 世界各国から多様なバックグラウンドを持つ学生が集う今日、そんな学生寮の担う役割はより一層大きくなっている。寝食を共にし、多様な文化・価値観に日常的に触れる。勉学に共に励み、幅広い視野のもと国際感覚を磨く。時にぶつかり合うことも人間関係を調整・修復する格好の訓練となるはずだ。ここで育まれた友情は、将来のグローバルな人脈形成の一助にもなるだろう。

 実際に、施設や設備の充実度、アクセス、安全面などはもとより、「日常的な国際交流がしたい」という理由で入寮を希望する声は多い。国内外の優秀な学生の意欲に応えるべく、慶應義塾は今後も国際学生寮の拡充を進めていく。ここからどんな人材が世界へと羽ばたいていくのか、期待が高まる。

伝統と進化の慶應義塾 慶應義塾長 長谷山 彰

 慶應義塾は、1858(安政5)年に福澤諭吉によって創立された日本で最も古い近代的高等教育機関の一つであり、民間有志の協力によって経営される義塾の伝統を守りながら成長してきました。

 21世紀の基調であるグローバル化の中で生き残るためには、世界標準に適合すると同時に個性をもつことが必要です。慶應義塾の個性は、世の中の流行に惑わされず、主体的に世の行く末を考えることのできる独立自尊の人材を社会のさまざまな分野に送り出し、「民」の力による日本の近代化に貢献してきたことです。

 「学校は人にものを教えるところにあらず。ただその天資の発達を妨げずして、よくこれを発育するための具なり」(文明教育論)。福澤諭吉が主張した通り、時代の転換期には知識を習得するだけではなく、予想外の事態を乗り切る突破力を備えた人材が必要です。変化の激しい21世紀に世界で活躍できる独立自尊の人材とは、未知の課題に遭遇した時に問題の本質を見極める洞察力と、解決法を発見できる創造力を備え、さらに異文化を理解し、違いを乗り越えるコミュニケーション能力と、民族や宗教を超える普遍的な倫理観を備えた人材です。

 このような人材を育成するためには多様な学びが必要であり、近年、慶應義塾では、さまざまな国際プログラムを開発してきました。海外協定校との交換留学プログラム、ダブルディグリー・プログラムが多数用意されていることが特色です。また、国内からも多様な人材が集まる開かれた大学をめざして、地方出身者を対象とする「学問のすゝめ奨学金」や、思考力、コミュニケーション能力を評価する新しいタイプのAO入試を実施しています。慶應義塾の自由な気風の中、多様な学生が多様な学びを体験することで、世界で活躍できる独立自尊の人材が育つと信じています。(本年5月28日就任)

Keio by the Numbers
世界レベルの教育・研究を推進
世界に冠たる国際研究大学へ
「KGRI」を文理融合研究の拠点に

 2014年、文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援」事業に、世界レベルの教育研究を行うトップ大学(タイプA)として採択された慶應義塾大学。それを受けて、昨年11月、「慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)」を設置。現代社会が抱える課題に対応した「長寿」「安全」「創造」という三つの文理融合クラスターのもと、世界の大学と連携しながら、最先端の学際的な研究を進めている。

2020年、英国チーム事前キャンプ地に
日吉キャンパスにて、計13種目受け入れ

 2020年、慶應義塾大学は、横浜市・川崎市とともに、英国代表チームの事前キャンプを受け入れることを決定。2020年7・8月に、日吉キャンパスの記念館や陸上競技場、蝮谷体育館を中心に、アーチェリー、フェンシング、近代五種競技、バドミントン、体操競技、卓球、バスケットボール、柔道、テコンドー、ボクシング、空手、ウエイトリフティング、ホッケーの計13種目を受け入れる予定。研究・教育・歴史・文化・芸術などスポーツ以外の分野でも交流を深め、地域・国際社会へ貢献していく。