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07月17日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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日本考古学の発展に貢献してきた明治大学

 群馬県の東部、みどり市笠懸町阿左美にある岩宿遺跡。この遺跡の発掘により、縄文時代以前、日本には人が住んでいなかったという考えが覆り、日本にも旧石器時代が存在したことが証明された。1946年、民間考古学者の相沢忠洋によって関東ローム層から石器が採取され、その発見をもとに、49年から50年に発掘調査を実施。明治大学の調査隊は、約3万年前と約2万年前の地層からナイフ形石器や打製石斧(せきふ)など数々の貴重な資料を発掘することに成功した。

 日本の私立大学では、最も歴史ある明治大学の考古学専攻の発足は50年。現在は専任教員5名、学生数約160名。全国一の規模だ。また、この年には神奈川県横須賀市で見つかった日本最古級の約1万年前の貝塚である夏島貝塚の発掘も始まっている。夏島貝塚は縄文時代早期の貝塚でやじりや石斧などの石器、夏島式土器と呼ばれる土器類、釣針などの骨角器などが出土。また、人々が食べて捨てたアサリやカキの貝殻、タイやマグロなどの魚類、イノシシ、シカなどの動物骨も多く出土した。東アジアでも最古級の貝塚だ。

 岩宿遺跡、夏島貝塚はともにそれまでの日本の歴史に対する常識や認識を大きく変え、戦後の考古学研究の進展に貢献した。遺跡は国史跡となっており、出土品は、重要文化財に指定され明治大学博物館に展示・収蔵されている。博物館は明治大学駿河台キャンパス・アカデミーコモン地階にあり、無料で自由に見学することができる。

多面的な研究の展開と時代を貫く視点

阿部芳郎教授

 「これまでの日本考古学は時代や地域ごとに出土品の観察や分類を中心とした研究が進められてきました。その精緻(せいち)な分析は世界でも最高水準です。しかし、近年の考古学ではそれだけでなく、ヒトと環境の相互関係から人類の歴史を考える視点や、出土品の材質などを理化学的に分析して製作技術を解明したり、材料の産地を推定して流通過程を解明したりするなど、関連科学の方法の導入が不可欠になってきました。またこうした研究からは1つの時代だけを対象とするのではなく、時代を突き通して考察する新たな視点も生まれてきています」。そう話すのは文学部の阿部芳郎教授だ。阿部教授は、明治大学付属の研究施設である「黒耀石研究センター」のセンター長も務める。黒耀石研究センターは、日本で唯一の黒曜石と人類史に関する研究施設で、2000年に長野県小県郡長和町に設置された。10年に研究・知財戦略機構付属研究施設となったセンターは、新たに「ヒト―資源環境系」という概念のもと、考古学、地質学、古環境学、文化財科学などに関する横断的なプロジェクトを立ち上げた。16年からはさらに人類学や古病理学・動物・植物考古学・応用有機化学を加えさらに体制を強化した。「黒曜石は火山の噴火によってできた岩石であり、個々の火山によって微量元素の組成比が異なるため、蛍光X線分析によって原産地を推定することができます。こうした分析から、どこで採れた黒曜石がどのように流通したのかを知ることができ、現在は海外の研究機関との共同研究も進んでいます。さらに理工学部と共同で縄文時代の漆文化の究明をテーマとした研究や学外研究機関と共同で人骨の古食性分析なども進めている。分野を超えた調査・研究ができるのは学際研究の強みです」。

 発掘された石器や土器、貝塚に捨てられた貝殼や骨は、それ自体が研究の対象物であり貴重な資源となる。同大学に脈々と受け継がれている考古学の資料や資源には、まだまだ新たな可能性が秘められているのだろう。

教育・研究と社会をつなぐ博物館資料を一般公開

発掘調査をおこなう明大生(千葉県四街道市八木原貝塚)

 04年に開館した明治大学博物館は、アクセス便利な駿河台キャンパスに、前身の「刑事博物館」「商品博物館」「考古学博物館」の3館が統合して発足した。収集されている資料は30万点を超え、その中から、重要文化財を含む約2千点が常時展示されている。さらに、特別展示室では、明治大学の多様な研究資源を公開したり、最新の研究成果を発表したりすることで、大学の知を社会に還元している。

 「大学での研究やその成果を速報的に社会に発信できる場や機会があることは、とても有意義だと思います。シンポジウムや講演会も活用しながら成果をすぐに見てもらうことでポテンシャルも上がりますし、参加者の感想や指摘が次の研究の道筋となったりもします」と阿部教授は言う。

 収蔵されている貴重な資料はすべて、私たちが生きる今とつながっている。膨大なものや情報であふれかえる現代社会の様々な問題は、先人が築いてきた歴史や時代に立ち返ることで、解決の糸口を探すことができヒントとなり得るかもしれない。社会に知を還元していく場としての、明治大学博物館のさらなる活用をはかっていく。

「大学の世界展開力強化事業」に採択
文部科学省平成28年度

 文部科学省では、大学の国際教育連携の取り組みを支援する「大学の世界展開力強化事業」を実施しており、明治大学の構想「CLMVの持続可能な都市社会を支える共創的教育システム」が2016年9月に採択された。この事業では、CLMV諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)やASEANの15大学と連携し、政治経済学部、理工学部建築学科、理工学研究科建築・都市学専攻建築学系及び国際建築都市デザイン系、情報コミュニケーション学部が、専攻分野やキャンパスを超えた取り組みを展開していく。この構想では、日本の高度経済成長の経験を教訓とした「先進的なアジア型の将来都市構想」とそれを実現するための「共創的教育システム」を創造することを目的としている。

科学研究費助成事業採択結果
「数学基礎・応用数学」分野全国1位
(累計配分額の単位は「千円」)

 明治大学では、多くの研究が科学研究費の助成事業に採択されており、独創的・先駆的な研究が進められている。文部科学省が2016年10月に発表した「平成28年度科学研究費助成事業の配分について」では、研究分野の「細目別採択件数上位10機関(過去5年の新規採択の累計数)」のランキングにおいて13分野でランクイン。「数学基礎・応用数学」では、全国の大学・研究機関のなかで1位となった。

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