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08月26日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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能力や可能性を最大限発揮

 6年後の2023年に創立100周年を迎える明星学苑の高等教育機関として、1964年に緑豊かな多摩地区に設立された明星大学。設立当初は入学定員が1学部5学科200人程の小規模な大学だったが、「教育の明星大学」という名のもとに、絶え間なく着実に教育改革を行いながら発展し、53年経った現在では、8学部11学科、大学院5研究科12専攻、通信教育課程を併せ持つ総合大学となっている。

 明星大学は「自己実現を目指し社会貢献ができる人の育成」を教育目標として掲げている。「自己実現」とは、「自己の持つ能力や可能性を最大限発揮し、目的・目標を達成すること」を意味している。大学入学のモチベーションや大学で学びたいこと、将来の夢や目標などは、学生一人ひとりによって異なる。4年間で何を学び、どんな可能性を広げたいかを明確にしていくためのカリキュラムが、明星大学オリジナルの「自立と体験」だ。

 入学後すぐに始まる全学的な初年次教育科目「自立と体験1」は、学部・学科を超えて割り振られた30人程度のクラスでのグループワークを通して学生同士の関わり合いを深めていく。さらにこのカリキュラムは、自分が所属している学科以外の教員が担当するため、視野や興味関心を広げるチャンスにもなる。他者を通して自分を知り、大学での4年間をいかに自分の人生の糧にするかを一人ひとりが意識できるようになるための大切な一歩となる。

積極的に人と関わり多様性を認め合う

「自立と体験1」の講義の様子

 明星教育センターに所属し、「自立と体験」の講義を担当している鈴木浩子常勤教授に、カリキュラムの意義や講義の現場、学生たちの反応などを聞いた。「『自立と体験1』は、前期15回からなる授業で、『人と関わる』『人と関わる・学びのスタートを切る』『大学生活を見通す』という三つのテーマによって構成されています。『コミュニケーション』ではなく、あえて『人と関わる』という言葉を使っているのは、ただ単にコミュニケーションのスキルを磨くというよりも、人と関わることで自己理解を深めるという意味合いが大きいためです。大学入学時に将来の目標が見えている学生は少数ですし、大学での学びは、高校までの学習と異なり、自発的に学ばなければ自分の力になっていきません。そこで本学では、大学で学ぶための基礎を知る初年次教育として、全学部でこの授業を導入しています」

 30人程度に分けられたクラス内では、さらに5~6人のグループを作り、グループのメンバーとともに各課題に取り組んでいく。グループメンバーの考え方や関わりを通して多角的なものの見方や考え方を身につけることが目的だ。

 「本学の学生には、入学当初“自称人見知り”が多いのですが、学部を超えたグループメンバーを構成することで、他学部にも知り合いが増え、違う意見や考えを聞き、認め合うことが次第に楽しくなってくるようです。ますます多様化が進むこれからの社会では、違いを認め合い、自分とは異なる考えの人同士がともに生きていることをきちんと知っておくことは重要だと思います。学生には、その上で自分の意見もしっかりと持って欲しいです」と鈴木常勤教授は言う。

生きる力につながる体験教育

先端の設備を取り入れた学習環境。仲間と集える談話スペースや憩いの場も充実。

 「自立と体験」は、初年次だけでなく明星大学での4年間をどのように『これからを生きる力』にしていくかを見据えた体系的なキャリアプログラムとして、段階を踏んで用意されている。

 「必修科目の『自立と体験1』『自立と体験2』に続いて、2年次以降選択できるプログラムとして『自立と体験3』『自立と体験4』があります。2年生では、各学科のテーマに沿ってグループワークやフィールドワークを通して課題や問題を解決する力を、3年生では、就職活動を行う前に仕事や社会、自分を知る機会を多く持ち、社会で自分を生かせる力を育みます。アクティブラーニングは、現在は大学の学びとして定着してきていますが、本学では開学当初から『実践躬行(きゅうこう)』の体験教育に取り組んでおり、その教育研究にも歴史と実績があります。体験からの学びは着実に自分の力となり、就職力の基礎にもなっているはずです」と鈴木常勤教授は説明する。

 体験を通して学び、それを振り返ることを繰り返して課題解決力を身につけていくことは、社会に出たときの基礎力となっていくのだろう。実際に教員になった卒業生から「生徒の保護者への対応や意見の違う教員同士との関係づくりに『自立と体験』で学んだことが役に立っている」という声もあるという。

 「本学は教員と学生との距離が近く、それは、体験教育と並んで大切にしている“人格接触による手塩にかける教育”の表れです。自分の可能性を広げたい、個性を生かし、伸ばしたいと考えている学生を多くお迎えしたいです」

「教育の明星大学の教育展」
第4回明星大学貴重書コレクション展開催

 明星大学はシェイクスピアの戯曲集初版本「ファースト・フォリオ」をはじめ、世界的な貴重書を4,500点以上所蔵している。今回は「教育学」関係及び、学びの精神を著す貴重書を「世界を学ぶ(3月21日~6月26日)」「自然を学ぶ(6月30日~9月25日)」「日本を学ぶ(9月29日~12月22日)」の3期に分けて特別公開中だ。会場は明星大学資料図書館の2階。入場は無料で事前予約制。予約は下記のURLから手続きできる。


https://form.hino.meisei-u.ac.jp/library/entry15/

高い教員採用の実績
小学校教員就職者数全国私大3位

 2016年の就職状況において、明星大学は小学校教員就職者数が全国の私立大学で3位となった(国公立を含めると7位)※。このような実績の背景には、教育学部で行われている教育問題への洞察力を養う「体験ワークショップ」、保育園・幼稚園・小学校・中学校の現場で実践力を磨く「教育インターンシップ」などの体験型学習プログラムの存在が大きい。さらに、教員免許状や保育士資格取得を目指す学生を入学から就職まで一貫して総合的にサポートする明星大学ならではの支援体制「教職センター」も一役買っている。

※大学ランキング2018

明星大学勤労奨学金制度
経済支援とインターンシップを両立

 本制度は、学内でのインターンシップを伴う、返還義務のない奨学金制度。教育理念の「体験教育」、「実践躬行」を具現化し、人材育成に重きをおいている点が特徴だ。毎年定員に対して2~5倍の応募があり、グループワークや面接で採用が決まる。2017年度は全学年で149名の勤労奨学生が在籍している。学内の事務局各課に所属し、授業の空き時間を中心に年間240時間の実務を体験する。大学で働くことで、「大学の一員」としての意識が高まり、社会のマナーや一般常識を早期に身につけることで、明星のリーダー学生育成にもつながっている。