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09月19日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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次の100年へ向かい 新たな技術者育成へ

 ものづくりを重視する建学の精神「実学尊重」と、初代学長・丹羽保次郎が唱えた教育・研究理念「技術は人なり」を中核に据える東京電機大学。1907年の開学以来、「技術で社会に貢献できる人材の育成」を使命として、100年を超える歴史を築いてきた。

 伝統を受け継ぎながらも、日本で初めて夜間の大学院を開設、他大学に先がけて「ワークショップ」を導入するなど、いち早く社会のニーズに適応し、常に改革を続けている。そしてまた新たに「進化するTDUイノベーション~人と社会の未来を創造する技術者の育成」を掲げ、大きく変わろうとしている。新しいビジョンを打ち出した理由を安田浩学長はこう語る。

東京電機大学 安田浩学長

 「今の科学技術は、電気や機械といった特定の学問領域だけでは完結しません。さらに技術はどんどん進歩して変わってきています。これからの時代に求められる、急速に変化する技術や専門以外の技術にも適応でき、問題解決力を備えたインテリジェントな技術者を育成するための教育。それが今回掲げた『進化するTDUイノベーション』の大きな柱です」

 2017年には全学的改編を実施し、工学と人間科学から価値を創造する「システムデザイン工学部」を新設。工学部にも新たに「電子システム工学科」「応用化学科」「先端機械工学科」の3学科を設置。さらに、未来科学部建築学科で定員増を行う。

 「20世紀は『ものづくり』により社会を便利にした時代でしたが、いまや『もの』だけでなく、『優しく動いてくれる』というような感性に関わる『こころ』の豊かさも求められています。そのため『ものづくり』に知恵と感性を加え、人々を安心安全かつ豊かにする技術者と研究者を育成しなければなりません。しかし、そうした分野を学ぶ体系が整っていませんでした。今回、全学的な改編を行い、新たな学部と学科を設置したのです」

学生の積極性を養う 独自のグローバル教育

 世界で活躍できるグローバル人材を育てるため、グローバル教育にも積極的に取り組んでいる。

 今年度からは「神山治貴海外留学派遣プログラム」がスタート。選考に合格した学生に奨学金を給付し、渡航先の大学で単位を取得させる。レベルが高く、海外の教育・研究をリアルに体験できる制度だ。

 さらに留学生の受け入れも強化している。現在12カ国から約200人の外国人学生が通っており、キャンパス内は国際色豊か。

 全てのキャンパスには、留学生の学生生活を支援する「国際センター」を設置。日本人学生との交流拠点にもなっており、学生が気軽に相談できるだけではなく、定期的にイベントも開催する。その取り組みは、「留学生に勧めたい進学先」理工系部門(日本語学校教育研究大会主催「日本留学AWARDS」)で4年連続入賞するほど評価が高く、国際化に貢献している。

 授業以外でも実践的な英語を習得したい学生のために、「毎日学ぶ 英会話講座」も行う。1日40分で年間約100回、有料だが1回1000円程度でネイティブスピーカーによるレッスンが受けられるので多くの学生が受講している。

 国際化に向け、様々なプログラムを展開している東京電機大学だが、安田学長は世界で活躍するためには「積極性」が重要だという。

 「グローバル人材とは、語学が堪能な人ではありません。片言でもいいので、外国人に物おじせず自分の考えを言える人のこと。何よりも積極性が大切。やる気こそがイノベーションなのです」

 このような考えに基づき、学生が主体的に学ぶ「アクティブラーニング」や課題解決型授業「PBL」、キャンパス外で展開する「フィールド教育」などをカリキュラムに取り入れ、これからの技術者に求められるマインドを養成している。

 世界を舞台にした教育を行うことは大学院にも通じる。国際学会への参加を奨励し、15年度にはアメリカ、フランス、ドイツなど88件もの学会で研究発表した。こうした大学と大学院での学びにより、積極性を持った学生が確実に育っている。

多彩な就職支援で 学生をサポート

「卒業生による仕事研究セミナー」にはほとんどの学生が参加

 産業界からの評価も高く「就職に強い大学」という特長を持つ東京電機大学。ほぼ100%という就職率を実現しているのは、体系化された4年間の徹底したキャリア教育にある。

 職業に対する意識を早い段階から育てるため、1年次に「フレッシュマンゼミ」を開講。2年次には専門家や著名人による講演で、業界の現状や注目の技術、技術者に求められる能力などを学ぶ。3年次には個別面談や面接・書類作成講座などの実践的なプログラムを実施。4年次にはビジネスマナー習得セミナーなどを受講、社会に出る準備を整える。

 さらに21万人を超える卒業生が強力にサポート。2月に開催されるのが3年生を対象にした「卒業生による仕事研究セミナー」で約250社に勤めるOB・OGが集まり、仕事内容やキャリア形成をアドバイスしてくれる。相手が卒業生で話しやすいため、毎年ほとんどの学生が参加している。

 セミナー以外にも「キャリアアドバイザー」「ジョブサポーター」といった専門スタッフ、そして就職担当教員が、学生一人ひとりの就職をバックアップする。体系化された4年間のキャリア教育とともに、教職員やOB・OGのサポートが、高い就職実績を支えているのだ。

 ものづくりを通して、技術で社会に貢献する人材を世に送り出し、100年以上もの間、支持され続けてきた東京電機大学。今後も理工系私立大学のトップランナーを目指し、次の100年に責任を持つ大学として、社会の変化に適応し活力にあふれ、イノベーションを引き起こす学生を育成していく。

学びの環境がさらに充実
2017年4月に完成予定
2017年に地上12階地下1階の新校舎も完成

 新しい学部と学科が設置される2017年4月、東京千住キャンパスには、新校舎が誕生する。地上12階、地下1階の新校舎には、教室、ゼミ室、実習室に加え、建学の精神「実学尊重」を具現化した「ものづくり工房(仮称)」が入る。さらに、民間スポーツクラブ「ルネサンス」も開業予定。大学院の充実を図るとともに、新学部、新学科の設置で、さらに教育体制を強化する。

理工系女子集まれ
電大ガールズが活性化
女子の力で大学を活性化する電大ガールズ

 女性の感性を製品に取り入れて新しい価値観の製品開発を推進するため、企業で注目されている理工系女子“リケジョ”。東京電機大学では、女子にとってもっとすてきなキャンパスづくりと、より魅力的な大学にしたいという思いから、女子学生のネットワーク組織「電大ガールズ(D-girls)」を2014年2月に発足。“リケジョ”の楽しさを学外へ伝えるイベントや、理工系大学を目指す女子受験生の悩みに答えるイベントなどを開催。公式ツイッターアカウント(@TDU_girls)で情報発信中。

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