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05月25日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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真の力を養う「実力主義」と手厚い初年次教育

 夏目漱石の小説『坊っちゃん』の主人公が卒業したのは、3年制の東京物理学校。東京理科大学の前身だ。「当時、ストレートに3年で卒業できたのは全学生のわずか5%ほど。ちなみに坊っちゃんは3年経ったら卒業した、と書かれているのでずいぶん優秀だったようですね(笑)」。山本誠副学長によると、現在、指定科目の単位を取得しなければ次の学年に進級できない「関門制度」の進級率は90%以上(昼間学部)に上るという。当時に比べれば数字は改善しているとはいえ、進級・卒業の難しさは今も変わらない。

 この伝統ある「実力主義」こそが、東京理科大学最大の特徴といえる。「実験が多いだけでなく、ほぼ毎週のように40枚、50枚というレポートを課す授業もあります。手を動かし、結果について考察し、考えを言葉で人に伝える。この大学では常にそれが求められるので、本当に力がつきますよ」

 そのため大学として特に重視しているのが、初年次教育だ。学生約10人に対して1人の割合で教員が「担任」となり、授業のフォローアップから大学生活のアドバイスまでを受け持つ。「本学での学習に体が慣れるまでは内容にも量にも面食らうでしょうが、食らいつこうという意思のある学生を私たちは決して置き去りにしません」

 意欲ある人にできるだけ広く門戸を開くための入試制度改革も進む。英検やTEAPなどの外国語資格・検定試験で一定以上の成績を収めた人が出願できる「グローバル方式」(理学部第二部を除く)や、東京理科大学が第一志望であれば全国どの学校からでも出願できる「公募制推薦」(来年度より全学的に実施)などの新たな入試方式は、これまで以上に多様な人材の募集につながる。また経済的困難にある学生のためには、従来の「理大奨学金」(無利子・貸与型)に加え給付型の「新生のいぶき奨学金」が新設される予定だ。

国際化の時代に重要な 豊かな人間性を育てる

最近は留学生と英語で冗談を言えるようになった井口さん

 技術者・研究者としての高い専門性が身に付くことで知られる東京理科大学だが、近年は英語力の強化を軸とする国際化教育でも注目される。山本副学長はその狙いをこう説明する。「理系の卒業生は、将来仕事で海外に行ったり、国際プロジェクトで外国の人と仕事をしたりする機会が多くあります。そのとき言葉で苦労しないようにしておかなければ、いくら技術があっても社会で活躍できません」

 以前は大学1・2年次だけ履修可能だった英語科目が、現在では大学院修士課程まで、本人が望む限りいつでも履修できるようになった。また、専門の技術用語や表現を学ぶ講義の開講、習熟度別クラス編成や少人数授業で学生一人ひとりに見合ったプログラムを提供している。

 さらに、近年カリキュラム改革が進んでいるのが教養教育だ。「笑育(わらいく)という授業では、学生が2人1組で漫才のネタを創作し、最終発表で実演します。人の心をつかむ技術は、将来の仕事で顧客や同僚とのコミュニケーションを円滑にするため重要です。その他には、礼法や茶道、能楽など日本の伝統文化を実地体験する授業もあります」

 山本副学長は、そうした教養や国際的な視点を身に付けた人が生み出すものは、必ずどこかが違うはずだという。「本学での学びを通じて、専門の知識やスキルだけでなく、人間としての幅を大きく広げてほしいと思います。人と社会の幸福に貢献できる豊かな創造性こそが、私たちの考える『実力』だからです」

〈座談会〉 国際化教育の意義

海外での学会発表で自信がついたという伊藤さん

(基礎工学部材料工学科・田村隆治教授、同研究科同専攻修士課程・伊藤夏さん、同学部生物工学科・清水公徳准教授、同研究科同専攻修士課程・井口祥太さん)

田村 グローバルに活躍する人材に不可欠な素養は、多様性や価値観の違いを受け入れられること。そのためには分野の垣根を越えて異文化にふれる体験が重要で、国際会議への参加は大いに役立ちます。

伊藤 私は昨年、ネパールでの国際会議でポスターセッションを経験しました。英語には全然自信がありませんでしたが、発表を聞く人たちもネイティブではない人が多く、大丈夫、わかるよと励ましていただきながら乗り切りました。

田村 大事なことは流暢(りゅうちょう)な英語よりも伝えたい中身、自分の考えを持っているかどうかですからね。

伊藤 本当にそれを実感しました。英語は話すことそれ自体が目的じゃなくて、伝えるための「ツール」なんだなあと。

井口 僕の研究室には2人の留学生がいますが、意思疎通をはかるには共通のツールを使うしかないので、今から英語を話すぞ、と構えることは確かになくなりました。

清水 私が積極的に留学生を受け入れるのは、国際貢献のためだけでなく、彼らが将来本国に帰って活躍すれば、その人脈が我々の研究にも役立つと思うからです。学生たちは彼らと接することで日本の文化や慣習を客観的に見ることもできますし、単に会話力の向上というだけでない好影響が多くあります。

井口 そうですね、専門分野について研究しながら、その分野で役立つ英語も自然に身に付く今の環境はありがたいと思っています。

就職状況は昨年も好調
多くが有名企業や公務員・教員に

 2017年3月の東京理科大学卒業生の実就職率(※1)は91.2%(昼間学部のみ)。大学院進学率(※2)は全学科平均が45.4%、多い学科では70%(※3)を超える。

 また、国家公務員採用総合職試験の合格者数は私立大学で第4位(大学ランキング2018年版)という実績を誇る。





教育力や就職力で高評価
昨年、大学通信調べで明らかに
※大学院修了者を含む

 大学の魅力や長所に関する複数のランキングで、東京理科大学は私立大学としてトップクラスに位置している(2016年大学通信調べ)。実力主義の伝統の下、高い専門性を育てる教育と「日本の理科大から、世界の理科大へ」をテーマにした大学改革の取り組みは、卒業生を採用する企業などからも高く評価されている。

オープンキャンパス2017
東京(神楽坂・葛飾)、千葉(野田)の3キャンパスで開催

[神楽坂キャンパス] 8月9日(水)9:30~15:00
実施学部:理学部第一部・第二部、工学部、経営学部

[野田キャンパス] 8月10日(木)9:30~15:00
実施学部:薬学部、理工学部

[葛飾キャンパス] 8月11日(金・祝)9:30~15:30
実施学部:理学部第一部、工学部、基礎工学部


学科説明会、模擬講義、研究室見学、個別進学相談、大学説明会ほか
◎各キャンパスの実施学部学科、内容などの詳細は大学HPで

※1 (企業1,171人+公務員100人+教員61人)÷ (卒業生2,883人-大学院進学者1,423人)で算出

※2 卒業3,428人 大学院進学1,555人

※3 生命創薬科学科卒業82人 大学院進学78人