
世界経済は100年に一度の危機が続いています。日本はこの不況のなかで、雇用が失われ、少子高齢化や家族の解体などといった問題も重なり、社会統合の軸であったこれまでの制度自体が壊れつつあります。
日本は今まで大量生産によるコスト削減、大量消費を促すような「集中メーンフレーム型」でした。私は、一つひとつは小さくても総合したら力となる「地域分散ネットワーク型」に経済構造が変わっていかなければならないと思います。
社会保障も同じように転換期を迎えています。年金給付だけを高くしても国の赤字は大きくなるだけです。むしろ現物給付が充実している方が財政的にもいい。現物給付も地域によって必要な医療や施設、サービスは違ってきます。福祉も「地域分散ネットワーク型」に移行していくべきだと思います。
非正規雇用者が拡大し、国民年金の4割近くが未納や滞納になっている今、現行制度は続かないでしょう。社会保障・税一体改革というと、「消費税を上げなければならないのか」と目先の議論になりがちですが、社会全体の仕組みや変化に応じて、どうすれば先の世代まで持続可能になるか真剣に考えるべきです。
私は、社会全体をカバーできるような年金制度が必要だと思います。貧困問題もそうです。この国は社会から排除された瞬間、あらゆる制度からも不利になる。そのような人を大量に生み出し続ければ、社会保障も立ちいかなくなります。
支える側、支えられる側の垣根をなくし、多くの人が幸せに暮らせる社会へ向かって努力する。それこそが、日本に明るい未来を運ぶのではないでしょうか。