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全労済協会シンポジウム 絆社会実現への展望〜今こそ問われる生活支援とは〜
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第1部 基調講演

豊かな無縁社会へ 反貧困ネットワーク事務局長 NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい 理事 湯浅 誠氏

 私の出発点はホームレス支援です。しかし今の日本はホームレスだけでは語りきれない貧困問題が渦巻いています。

 今日会場には、中高年男性が多く見受けられますが、実はこの層が最も危ない。日本の「縁」の代表的なものは、家族などの「血縁」、地域の「地縁」、会社の「社縁」です。この三つがない人が「無縁」といわれます。男性は「血縁と地縁が社縁に連動する」ところがあり、会社で安定的な地位を築いた人は、家族のなかでも存在感がある。地域でもそれなりに扱われる。逆に社縁がなくなると、家でも地域でも居場所がなくなり、無縁になってしまうことが多いのです。

 無縁になった男性に、「支援してあげましょう」と言ったらどうなるか。途端に寄ってきません。ではどうするか。それが絆づくり、いわゆる新しい「コミュニティー」を創造することだと思います。自分たちが淘汰(とうた)されるのではなく、受け入れられていると思える場所が必要です。

 例えば“場”が作られると、食事をするところが欲しくなり、調理する人が必要になる。そこに雇用も生まれます。“場”の創造は単なる福祉の話ではないのです。いろいろな人たちを受け入れられるように変わっていくことで、社会的包摂、ソーシャルインクルージョンは作られていきます。

 厚生労働省で「生活支援戦略」が検討されています。私はこれを軌道にのせられるように活動しています。しかし、多くの人が関心を持たないと手詰まりになります。ぜひ中高年の人たちにも、「それは大事なことだ」と声を上げてもらいたいのです。そうやって一つひとつを積み上げるしか、社会は変わっていかないと思います。

ゆあさ・まこと
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。90年代から野宿者(ホームレス)支援に携わる。2008〜09年、年末年始の「年越し派遣村」では村長を務める。09年から通算2年間、内閣府参与。

全労済協会全労済協会シンクタンク事業サイトでもご紹介しています。これまで全労済協会で開催した「シンポジウム・講演会」の概要や「特集 〜東日本大震災からの復興を目指して〜 有識者インタビュー」などをご紹介しています。動画も配信中!