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知っていますか?
あなたの住まいの耐震

国土交通省住宅局
建築指導課建築物防災対策室
2018.10.20
「住生活月間」である今月は、日々の生活を営む場であり、暮らしや人生を支える住宅について改めて考えるよい機会だろう。いつ起こるともわからない地震の脅威と隣り合わせにある日本において、災害に強い社会を実現するためには住宅の安全性を確保する必要がある。災害に備えるために私たちができる住まいへの備えとは。国土交通省住宅局建築指導課建築物防災対策室に聞いた。

過去の震災から学び
災害に強い社会を目指す

人命に大きく影響する
家屋の倒壊を防ぐために

─建築物などの耐震基準とその目標について教えてください。インパクトの大きかった地震によって新たに策定された施策や基準はありますか。

建築物の耐震基準は、過去の大地震の経験を踏まえて1981年に大幅に強化されており、震度5強程度の中規模の地震動に対してほとんど損傷しないこと、震度6強から7に至る程度の大規模な地震動で、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害が生じないことを目標としています。
震度7を記録した地震は、1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)、2004年の新潟県中越地震、2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)、2016年の平成28年熊本地震、先日発生したばかりの平成30年北海道胆振東部地震の五つです。
阪神・淡路大震災では、1981年に強化される以前の旧耐震基準によって建築された多くの建築物が倒壊等の大きな被害を受けました。旧耐震基準の建築物については、耐震診断・耐震改修を推進するために、1995年に「建築物の耐震改修の促進に関する法律」が制定されました。また、東日本大震災では、広範囲で天井の脱落が発生したため、体育館やホールなど大規模な天井等について脱落防止のための技術基準が2013年に定められています。

耐震化への周知と
補助制度の拡充

─地震などの身近な災害を想定する際、こんな住宅・建物は危険だとわかる具体例があれば教えてください。

平成28年熊本地震の被害を調査した結果、1981年以前の旧耐震基準で建てられた住宅については、過去の震災と同様、現行の耐震基準に沿って建てられた住宅と比較して著しく高い倒壊率でした。木造住宅においては、壁や筋交いが地震動に対して抵抗しますが、旧耐震基準の木造住宅については、壁や筋交いの少ないものやそれらの配置が偏っている住宅があり、そのような住宅は、耐震性が不足しているおそれがあることから、改修などを検討した方がいいでしょう。まずは自分の住んでいる住宅の着工年を確認し、1981年以前の住宅であれば耐震診断を行って耐震性が不足する場合は耐震改修をしていただきたいと考えています。

─災害に強い市街地づくりのために、国土交通省として進めていることを教えてください。

国は住宅や多数の人が利用する建築物の耐震化の目標を立て、地方公共団体と連携して耐震化の必要性について広く知っていただくためにパンフレットなどを作成・配布するなど、積極的な周知を行っています。また、建物所有者の方の費用負担軽減のために、従来から、「防災・安全交付金」等の基幹事業である「住宅・建築物安全ストック形成事業」による耐震診断・耐震改修の支援を行っていますが、2018年度当初予算において、住宅の耐震化に向けて積極的な取組を行っている地方公共団体を対象とした住宅耐震化を総合的に支援するメニューを新たに創設しています。本制度では、現地での建替えの場合にも、補強設計等及び耐震改修費用相当分に対して補助することができます。これらの制度は、地方公共団体が補助制度を整備している場合に国が支援するものであるため、補助制度を整備していない地方公共団体からは、補助を受けることはできません。補助の内容や要件などについても地方公共団体によって異なる場合があるため、住宅のある地方公共団体の窓口にお問い合わせください。

一人ひとりの防災意識で
災害のリスクを低減する

住宅の耐震化率を上げ
災害時の安全を確保

─住宅の耐震化率について、2020年までに95%とする目標が掲げられています。達成率やその現状について教えてください。

1981年の新耐震基準に基づいて建てられた住宅は、一定の安全性が備わっていると考えられており、それ以前の旧耐震基準で建てられた住宅については、耐震診断を行った方がいいでしょう。
地震で建物が倒壊した場合、自分や家族の安全にかかわるだけでなく、避難や救命・救助活動の妨げになることも想定されます。さらに、火災の誘発や延焼を起こす可能性も考えられます。住宅が倒壊すればその解体や撤去にはコストがかかり、地域における災害復興の停滞にもつながるため、国としても2020年までに建物の耐震化率を95%まで上げることを目標としています。住宅の耐震化率は5年ごとに行われる統計調査をもとに推計されており、2013年の統計から推計されている耐震化率は約82%です。
建物の耐震性は、外観だけでは判断しにくく、所有者のなかには「うちは大丈夫」と考えている人もいるかもしれません。
また、「1981年から2000年5月まで」の間に建てられた「在来軸組工法の住宅で基礎がコンクリート」である「平屋建て、または2階建てで、全ての階が木造」の住宅であれば「新耐震木造住宅検証法」で、建物の所有者が、外観や天井裏などを自分で目視することで住宅の強度をチェックできます。
住宅は個人が所有する財産ですが、災害などに見舞われた場合には、被害の拡大や避難の妨げなどにつながることもあるため、人的・経済的被害を最小限に抑えるためには、住宅の耐震化は不可欠です。地域と連携して国も公的な支援を進めていきますので、この機会にぜひ我が家の耐震性について考えてみてください。

所有者によるチェックができるリーフレット(日本建築防災協会

避難活動にもかかわる
ブロック塀等の安全性

─今年6月に起きた大阪府北部地震では、学校のブロック塀が問題になりました。危険なブロック塀について外観のチェックポイント、不適合があった場合の相談先などについて教えてください。

地震による塀の倒壊は、人的被害が生じる危険性があるばかりでなく、地震後の避難や救助、消火活動などにも支障をきたすおそれがあり、その安全対策は極めて重要です。建築基準法では、建築物に附属する塀について構造安全性等の観点から基準を定めています。基準に適合しないブロック塀等が、地震などの際に倒壊して大きな被害が発生することを防ぐため、地方公共団体や建築士関連団体等と連携して、ブロック塀等の対策を推進しています。
ブロック塀等のチェックポイントは、塀の高さや厚さ、控え壁の有無、塀の傾き、ひび割れの有無等です。左の図を参考にチェックしてみてください。ブロック塀等の安全点検について、不明な点があれば、お住まいの市区町村や都道府県、建築士関係団体等にご相談ください。

取材協力/国土交通省住宅局
建築指導課建築物防災対策室

※掲載内容は取材・作成当時のものです。

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