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山や木々に囲まれて
子育てができる家

フラワーアーティスト 前田有紀 さん
2019.01.01
アナウンサーからフラワーアーティストへ。花に包まれながら自分らしく生きる前田有紀さんが家づくりに選んだ土地は、四季の移ろいを肌で感じられる鎌倉でした。暮らし始めて1年。引っ越した頃に感じた新鮮さは、いまでは充足感に変わりつつあるといいます。

自然の息づかいを感じていたいから

どういう風に暮らしたいとか、どんな家に住みたいかを考えるのが好きで、夫ともたくさん話し合ってきました。「鎌倉に住もう」と決めたのは、ちょうど妊娠がわかったころ。正直、迷いもありました。夫の職場は東京、私が買い付けに行く花市場も東京なので、本当に大丈夫なの?って。でも、子どもには自然のなかで育ってほしかったので、土地探しから始めました。
心地よいという感覚を大切にしたくて、「駅徒歩何分」「スーパーまで何メートル」といった数字は気にしないようにしました。色々と見て回りましたが、最終的に今の場所に決めたのは山々をぐるっと見渡せたから。駅から遠いけれど、夫も私も一目ぼれでした。
コンセプトは「光合成のできる家」。家づくりをするにあたって、家は家族からも、景色からも元気をチャージできる場所にしたいと思っていました。家族の息遣いを感じられるよう、リビングはどの部屋へ行くにも通り道になるように。山の緑が見えるよう窓は大きく、夜は星がきれいに見えるので、狭い庭ですがテラスも広めにつくりました。早春のふきのとうや、初夏の蛍など、これまで旅行に行かないと出会えなかったような〝季節の移ろい〟を、暮らしの中で当たり前に感じることができる鎌倉だからこそ、家にもその要素を取り入れました。
家のそばには便利な大型スーパーやコンビニもありませんが、買い物の先々でお店の人が息子を見て「大きくなったね」と声をかけてくれます。街の人とのつながりも、とてもすてきな発見です。

家を決めたことで生き方が定まった

なによりも、息子がのびのびと遊んでいるのがうれしくて。でこぼこ道を果敢に登ることもあれば、泥んこ遊びをすることもあります。生き物を見つけたらずっとその場から離れなかったり、保育園でサワガニを捕まえたりしたことも。夫とは、2人だけだったらこの土地を選んでいなかったかもしれないね、と話すことがあります。今思えば「子どもに何を残したいか」が、住まい選びのすべてでした。私自身、家を決めたことで生き方が定まった気がします。
アナウンサー時代は、会社から呼び出されたらいつでも駆けつけられる場所に住み、暮らしに目を向ける余裕がありませんでした。そんなとき、部屋に飾った一輪の花に癒やされたのが今の私の原点です。花の仕事を始めた今も、自分のための花は街の花屋さんで買っています。その花を家のなかに飾る時間は、つかの間の休息のとき。家族と住まいを大切にしながら、やりたいことに挑戦できる日々に感謝しています。(談)

フラワーアーティスト 前田有紀 さん

まえだ・ゆき/10年間テレビ局に勤務した後、2013年イギリスに留学。コッツウォルズ・グロスタシャー州の古城で見習いガーデナーとして働いた後、都内のフラワーショップで修業を積む。「人の暮らしの中で、花と緑をもっと身近にしたい」という思いからイベントやウェディングの装花や作品制作など、さまざまな空間での花のあり方を提案。18年秋には、自身の手がける花屋ブランド「gui」を立ち上げた。

※掲載内容は取材・作成当時のものです。

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