住宅を含む全ての建築物が
耐震化努力義務の対象
耐震性不足の住宅は約700万戸と推計
─現在の耐震基準と、耐震化についての現状の課題について教えてください。
現在の耐震基準は、震度5強程度の中規模地震に対してほとんど損傷せず、震度6強から7に達する程度の大規模地震に対して人命に危害を及ぼすような倒壊などの被害を生じさせないことを目標としており、1981年6月1日から適用されています。日本にはこれ以前に建てた住宅もまだ残っており、耐震性の不足する住宅は2018年時点で約700万戸と推計され、引き続き住宅の耐震化を促進する必要があります。
─政府としてどのように住宅の耐震化を進めているのでしょうか。
1995年に起きた阪神・淡路大震災では、6463人の尊い命が奪われ、その大半が住宅の倒壊などによる圧迫死や窒息死でした。被害状況をみると、特に旧耐震基準で建てられた住宅に顕著な被害がみられました。政府は、この状況にかんがみ、同年に「建築物の耐震改修の促進に関する法律」を制定し、建築物の地震に対する安全性の確保に努めています。現在は、施行から2回の改正を経て、住宅を含む全ての建築物が耐震化の努力義務の対象となっています。また耐震改修計画の認定や、耐震化された建築物の表示制度、地方公共団体による耐震改修促進計画の策定などの規定も整備されました。
─住宅の耐震化率はどれくらいまで進みましたか。
2018年時点で、戸建て住宅で約81%、共同住宅で約94%、全体で約87%まで進んでいます。最終的には耐震性の不足する住宅ストックの比率をおおむね解消することが目標になっています。一方で戸建て住宅については約81%と古い木造戸建て住宅を中心に耐震化が進まない状況もあります。耐震性の確保された空き家の活用などの取り組みも含めて検討していく必要があります。
地方公共団体を通じた交付金なども実施中
─住宅を対象にした具体的な支援策について教えてください。
地方公共団体を通じた間接的な補助となりますが、耐震改修・建て替えについては、個別支援とパッケージ支援(総合支援メニュー)に取り組んでいます(交付率などについては下表を参照)。パッケージ支援は、地域として防災力を上げていただくことを目的に、住宅(マンションを除く)の耐震化に積極的に取り組む地方公共団体を対象にしています。
─積極的というのは、具体的にはどのようなことですか。
あくまでも例ですが、町内会ごとの耐震についての説明会を開催し、役所の担当者だけでなく、地元の工務店の方にも参加してもらうなど、一歩踏み込んだ取り組みを指します。煩雑だった書類申請手続きも簡素化し、様々な面から円滑な耐震改修・建て替えを促しています。また、家の耐震性を調べる耐震診断についても補助制度があります。耐震の支援について知りたい方は、まずはお住まいの地方公共団体の窓口にお問い合わせください。
─地震対策以外にも、台風の大型化やコロナ禍で家の安全性や快適性を見直す機会も増えました。
災害に強い家は、自宅避難で被災リスクを軽減できることがあるかもしれません。一人ひとりの防災は、地域の防災力のアップにもつながります。すぐに耐震工事ができない場合でも、家具の転倒防止や高いところに物を置かないなど、できることから防災を心がけていただきたいです。
※本事業は民間事業者への直接補助ではなく、地方公共団体を通じた間接補助(地方公共団体による補助制度の整備が必要)
(避難路沿道にある耐震診断が義務付けられた戸建住宅に係る補助限度額の引き上げ)[拡充]










