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「かもしか」ラストラン 新幹線開業で消えゆく特急

2010年12月4日0時38分

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写真:秋田へ向けて出発する「かもしか6号」。「かもしか」の名で走るのは最後になる=3日午後3時45分、青森駅拡大秋田へ向けて出発する「かもしか6号」。「かもしか」の名で走るのは最後になる=3日午後3時45分、青森駅

 東北新幹線は4日、新青森駅まで延伸し、全線が開業する。待望の新幹線は、青森市内と東京都を乗り換えなしの3時間30分前後でつなぐ。開業を前に3日の街はお祝いムードに包まれるとともに、この日がラストランとなる列車を惜しむ鉄道ファンらの姿も目立った。

 午後3時45分。国鉄時代から走ってきた485系の車体の秋田行き特急「かもしか」が、鉄道ファンらに見送られながら青森駅を出発した。

 青森から秋田に向かう特急が「かもしか」の名で走るのはこの日が最後。時刻表から名は消え、4日からは秋田方面の奥羽線特急はすべて「つがる」の名に統一される。

 埼玉県桶川市の会社員亀田就さん(39)は有給休暇をとって青森へ来た。「青森が好きで、『かもしか』も何度も乗った。古くて味のあるこの車両に乗れなくなることが残念」と、白地に赤と青のラインを施した車体に乗って寂しげ。青森発の最後のかもしかに乗って、「弘前駅までの30分を楽しみます」と話した。

 新幹線開業で県内の鉄道事情は様変わりする。

 八戸―青森間の東北線は第三セクター「青い森鉄道」となり、同線をこれまで走っていた特急「つがる」や「スーパー白鳥」「白鳥」はすべて青森または新青森駅の発着に変わる。

 また、奥羽線では「かもしか」がなくなるほか、新潟行きの「いなほ」も県内で見られなくなる。4日以降、新潟へ向かうには秋田駅で乗り換える必要がある。

 八戸駅での特急列車と新幹線の乗り継ぎも、この日が最後の風景になった。

 2002年の八戸開業以来、青森方面からの乗客は八戸駅まで在来線で向かって新幹線に乗り換える必要があった。在来線が遅れると、目的の「はやて」に乗り継ぐことができず、八戸駅で次の新幹線を待たねばならないこともあった。

 スーパー白鳥30号に乗って午後6時40分に八戸駅に到着した東京都渋谷区の主婦中島敏子さん(68)は午後6時57分のはやて30号で自宅のある東京に向かった。

 十和田市の実家には90歳と86歳の両親が2人だけで暮らしており、20年ほど前から東京と十和田市を行き来しているという。最近は介護のためにほとんどを実家で過ごし、月2回ほど東京へ帰る生活。スーパー白鳥は乗り慣れた列車だった。

 4日以降は自宅に近い七戸十和田駅から新幹線に乗るという。中島さんは「便利になります」と笑顔で話した。

 青森の玄関口も、八戸に向かう特急の始発駅だった青森駅から、東京行きのはやてが直接乗り入れる新青森駅に移る。

 新青森駅の飲食店など19店舗が入る「あおもり旬味館」で郷土料理店のマネジャーを務める花田栄介さん(29)は「玄関口である新青森駅で観光客をもてなしたい」と、3日は最後の準備に追われていた。

 一方、青森駅のホームにある立ち食いそば屋で働く相馬三枝子さん(52)は「毎日、当たり前のように見ていた列車が見られなくなるし、出発直前までそばをかき込むお客さんの姿を見られなくなることが一番寂しい」と複雑な表情を見せた。(有近隆史、川上眞、藤原慎一、一色涼)

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