現在位置:
  1. asahi.com
  2. 航空特集
  3. コラム
  4. NEW羽田 ここをチェック!
  5. 記事

NEW羽田 ここをチェック!

〈1〉老舗・今半の実験 羽田国際線ターミナル「たか福」

2010年11月1日11時9分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:  拡大  

写真:  拡大  

写真:  拡大  

写真:  拡大  

国際線の定期便が就航して新しくなった羽田空港。アサヒ・コムのコラム執筆者に、新しい羽田空港について語っていただきます。1回目は「おやじの昼めし」でおなじみの京橋玉次郎さんに国際線ターミナル4階の「江戸小路」を訪問していただきました。

■見物人でお祭り状態

 羽田に所用があり、というより所用を作ってといったほうが正しいのだが、開業そうそうの羽田国際線ターミナルに行ってみた。デジカメを片手にしたおじさんおばさんが多い。建物や空間は広々と開放感があり超モダンだが、人波の雰囲気は、どう見ても国際線ターミナルというよりは、にぎやかな田舎の空港といったところ。

 とりわけ江戸情緒を演出した飲食店街は、午後1時を過ぎても縁日の寺社門前か、ラッシュの拠点駅のようなにぎわい。人並みに押され押されて前へ進む。ここにはいくつか東京の老舗が出店したと聞いていた。老舗もそうでない店も待つ人で一杯。人間というのは(自分も含めて)物見高いものだ。

■少しハードルを下げて

 訪ねたのはすき焼きで知られる人形町今半が出した「たか福」。待ち時間は90分。盛り場の人気店でもこれだけ待つのは経験がない。ダークスーツの中年男性が入り口で入場整理をしていた。後で聞けば本社から応援に来た部長さん。順番がきたら携帯に連絡をもらうことにして、時間待ちに周辺を見物。

 人形町今半は、サラリーマンが気軽に昼めしを食いに訪れるには、少々ハードルが高い店だ。それが今回「比較的気軽に今半を味わえるように」という初めてのコンセプトで、すき焼き定食も2940円、3675円、4935円と価格を抑え、リーズナブルな牛ふわ玉丼1260円もランチに加えた。店名も今半の文字は小さく入れただけで、創業者の高岡さんの「たか」とみんなに福が行き渡るようにと、新規に「たか福」と命名した。

■風格の丼

 牛ふわ玉丼とは初耳。要は親子丼の鶏肉の替わりに牛肉が入っていると思えば分かりやすい。半熟卵がふわふわっと絶妙な柔らかさ。あっさり甘めのすき焼きのようでもあり違うようでもある。汁がしみこんだ粒だった上質なご飯を木製のさじでほおばれば、元来庶民的な丼がなにやら風格の1品に出世したかのようだ。

 実はこの日は同行者がおり、こちらは奮発して岩手の黒和牛霜降りすき焼き4935円を注文した。薄くスライスした霜降り三枚が絵に描いたように美しい。失敬して1枚試食させてもらう。思いがけずにあっさりした味付けで、一噛みでとろけるようにほぐれてゆく。本店等で出すのはもっと上のグレードだそうだが、おやじはこの肉でも十分にうまかった。

■老舗のDNAは健在

 本店と違いここではすき焼きを自分で焼くことを前提としているので、焦げ付きなどが少なくなるよう割り下も違ったものに工夫している。それでも味の作り自体は伝統を守っているので、手軽に老舗の味を楽しめる。

 32歳という若さで店長を任されている鈴木さんによれば、今半100余年の歴史の中で初めての新しいコンセプトの店だが、評判がよければたか福の2号店、3号店があるかもしれないという。テーブル10、定員34人ということだが、相席が無いのでゆっくり出来る。隣の椅子に荷物を置くと、すっと白い布をかけて保護してくれるあたり、味に加えて心配りという上質な老舗のDNAも健在だ。

■羽田は便利

 羽田へのアクセスでは京急が品川から、モノレールが浜松町からそれぞれ13分と便利さを競っている。私の場合、成田を利用するときはどうしても半日程度のロスを計算せねばならなかったが、羽田は通勤の延長のような形で利用できる。東京に勤めを持つ大方の人間、あるいは地方空港から海外に行く人たちに取っても同じだろう。成田の歴史を考えると複雑な気もするが、やはり羽田は便利だ。

【お店データ】
たか福
東京都大田区羽田空港2−6−5  03−5708−7529
営業:午前8時〜午後11時  無休
<本日食したランチ>
牛ふわ玉丼 1260円

プロフィール

京橋 玉次郎(きょうばし・たまじろう)

 週2、3回のジム通いで運動不足を解消中。京橋・銀座・日本橋・八重洲・八丁堀中心の雑食的な昼めし散策のほか、天気のよい日に肩の力を抜いてサイクリングに出かけるのも楽しみ。元大手マスコミに勤務、不規則・不健康な記者生活36年だった。好奇心強く少し天邪鬼。1946年生まれ身長175センチ、A型。

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内