全ての文明国に、米国に加わるよう求める――。シリアへのミサイル攻撃に踏み切ったトランプ米大統領は声明でこう呼びかけた。しかし、7日に開かれた国連安全保障理事会の緊急会合では、攻撃の正当性やシリアが化学兵器を使ったという証拠などに疑問も投げかけられた。(ニューヨーク=金成隆一

 安保理は開催前から不穏だった。

 反米色の残る南米ボリビアが緊急会合を求めると、議長国の米国は「ボリビアは非公開を望んだが、公開とした。シリア政府の残虐行為を擁護したい国は公衆の面前でやるべきだ」(ヘイリー米国連大使)とわざわざ発表。ボリビアは記者団に「違う、我々は最初から公開を望んだ」と米国の発表を否定した。

 米支持を決めた英国の代表が議場に入ろうとすると、記者団から「米国の攻撃は法的に適切か?」「米国から正当性の説明は受けたか?」と質問が浴びせられた。ライクロフト英国連大使は「化学兵器使用という戦争犯罪への適切な対応だ」と答え、法的な正当性にはコメントしなかった。

 緊急会合が始まると、トランプ氏が単独で踏み切った攻撃の正当性、つまり法的な根拠に疑問が出た。

 ボリビア「武力行使は、国連憲章51条の自衛権の行使か、安保理の承認がある場合のみ合法だ」

 スウェーデン「国際法との整合性で疑問視される」

 ウルグアイ「単独行動の武力行使は常に拒絶する」

 これに対し、最後に演説したヘイリー大使は、前日にトランプ氏が出した声明とほぼ同じ文言を繰り返した。「化学兵器の拡散と使用を阻止することは米国の安全保障上の不可欠な利益だ」