2日で就任から1年を迎える小池百合子・東京都知事は、自ら選んだブレーン14人を「都顧問」として重用してきた。ただ、都幹部らが知らないうちに決まる重要政策もあり、「密室政治」との批判が出ている。

 「豊洲が中央卸売市場ということでいいですね」。6月20日午後2時ごろ、都庁7階の知事室。副知事ら都幹部3人が小池氏に向き合い、念押しする形で「中央卸売市場」への言及を求めた。築地市場移転を巡る「基本方針」を小池氏が公表する記者会見は、午後3時半に迫っていた。

 3人はこの直前に初めて、基本方針の内容を聞いた。築地市場を豊洲市場に移転後、築地の跡地を再開発して市場機能も整備する――。小池氏の指示で都幹部らがまとめた案とは違う内容だった。検討を重ねた豊洲市場の具体的な収支改善策も入っていない。代わりに、顧問が推した「豊洲と築地の両用」が強く打ち出されていた。

 「中央卸売市場」は卸売市場法に基づき、生鮮食料品を扱う中核的拠点として国が認可する施設だ。この機能を築地から移すのかは移転問題の核心だが、発表資料には記載がなかった。「これでは移転するのか分からない」。危機感を持った都幹部が言及を求めた。

 直後の会見。小池氏は豊洲市場が「中央卸売市場になる」と明言した。

 この経緯を後に知った局長級幹部は漏らした。「今回のように、都幹部らを抜きにして重要政策を決めた知事はいなかった」