台北市の台湾大学で24日に開かれた中国側主催のコンサートが、「中国の統一工作は学内から出て行け」と主張する学生の抗議により途中で中止となった。これに対し、中国との統一を支持する台湾の政治団体のメンバーが学生らに暴力を振るい、複数の学生らが骨折するなどのけがをした。

 学生が頭から血を流す写真を、地元紙は25日の朝刊1面に掲載。中台関係が悪化するなか、台湾社会の対立が一部で先鋭化した形となり、波紋を呼んでいる。

 地元報道などによると、コンサートは中国の上海市政府側が主催し、交流関係のある台北市で2015年から開いてきた。中国のテレビの歌合戦番組の形式をとり、中台双方の歌手が出演。しかし24日午後、反対する100人超の学生らが集まり、「台湾独立」などと書かれたプラカードを手に抗議。主催者側は安全のため公演の中止を決めた。

学生が襲われ血を流す写真を25日付の朝刊1面に掲載し、事件を伝える台湾の地元紙=25日、台北市、西本秀撮影

 学生を襲ったのは、急進的な政治団体「中華統一促進党」のメンバーの男で、警察の調べを受けている。同党は台湾独立派や日本政府に批判的で、今年4月、台南市にある植民地時代の日本人土木技師の銅像の首を切り落としたのも、同党関係者だった。(台北=西本秀