制度開始から10年目、大幅な拡充から3年目を迎えたふるさと納税。その課題を検証する。

■経営者「やらないと損」

 東京都渋谷区の高級マンション。2LDKの室内には、真新しい4Kテレビやビデオカメラ、掃除機、プロジェクターが並ぶ。

 「ふるさと納税で必要な家電が全部手に入った」。ベンチャー企業社長の男性(35)は満足そうに話す。

ふるさと納税の寄付額は急増している

 ふるさと納税の返礼品として千葉県勝浦市が贈っていた「かつうら七福感謝券」で買いそろえた。市内で使える商品券で、寄付額の7割相当が贈られる。100万円の寄付をした男性は70万円分の感謝券を受け取り、家電のほかにガソリン代や飲食費に充てた。

 ネット上での転売などに批判が高まり、勝浦市は2月末で感謝券を廃止したが、男性は他の自治体へのふるさと納税を続けている。北海道登別市や宮城県大崎市など約10自治体に寄付し、返礼品のウニや牛タンに舌鼓を打つ。「経営者仲間はみんな利用している。不健全だと思うが、制度が存在する以上、やらないと損だ」と話す。