軍用機などの騒音対策のため、自衛隊と在日米軍の施設周辺で国が進める住宅防音工事をめぐり、実際には行われていない工事に国の補助金が支払われていた例が防衛省の調べで確認された。厚木基地(神奈川県)周辺の工事という。同省は今後、補助対象となっている全国38施設の周辺地域の工事についてもサンプリング調査する方針。

 住宅防音工事は国が騒音の程度に応じて地域や工法を指定し、住民が業者を選んで工事を実施する。防音サッシやエアコンなどの費用は原則、限度額まで全額が補助される。2016年度の工事は約8800件。

 防衛省によると、6月に「厚木基地周辺で、特定の業者が一部の工事を省いている」との情報が寄せられ調査したところ、16年度の工事で、換気口をふさぐ防音フードがつけられていないのに、その分も補助金が支払われていた事案が見つかった。

 補助制度では、国は工事終了後に設計図や写真をもとに内容を確認し補助金を確定すると定められている。国が問題を見落とした可能性や、工事業者や住民による不正の有無について、同省は「現段階では判断できない」としている。(吉村成夫)