中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は9日、ビットコインなど仮想通貨を「広まれば消費者に大きな悪影響が出るかもしれないし、金融の安定や金融政策に不測の事態を引き起こしかねない」と強く批判した。中国の金融当局は昨年、仮想通貨を使った資金集めや、仮想通貨と人民元との交換を取り締まった。

 全国人民代表大会(全人代、国会に当たる)の記者会見で述べた。仮想通貨は急速に値上がりし、もうけた投資家が相次いだため、さらなる投機を呼んでいる。周氏はこの風潮に「一夜にして大金持ちになる幻想を抱かせるのはよくない」と苦言を呈した。

 銀行、証券、保険の三つに分かれ、非効率な現在の中国の金融監督体制については「空白があり、できる限り早く塞がなければならない」と強調。全人代の機構改革で監督体制の刷新を図ることを明らかにした。

 一方、大きな問題になってきた「シャドーバンキング(影の銀行)」などの金融リスクは、「徐々に低下しているのは明確だ」との楽観的な見方を示した。

 周氏は2002年から総裁を務めており、今回の全人代で退任するとみられている。(北京=福田直之)