「いきなり!ステーキ」が、この春までに44店舗を閉める。手頃な厚切りステーキで人気を集め、6年間で500店舗近くまで一気に出店した「いきなり」に何が起きているのか。

 今月13日、2号店として2014年にオープンした「いきなりステーキ銀座6丁目店」(東京都中央区)が最後の営業を終えた。客の姿はまばらで、午後10時半を迎えると静かに店のあかりが消えた。

 最後の客となった20代の男性は、計3キロ以上食べるともらえる「ゴールドカード」を持っている。「今後は別の『いきなり』を利用する。肉はおいしいが値段が少し高いイメージはある」と話した。この日、銀座6丁目店も含めた約25店が閉店し、春までに計44店が営業を終える。

 いきなりは、厚切りの米国産ステーキを手頃な値段で提供する一方、立ち食い形式で滞在時間を抑え、客の回転を早めている。高級なイメージのステーキ店に、ファストフードのビジネスモデルを持ち込んだ。飲食店の原価率は一般的に約30%とされるが、運営するペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長(77)によると原価率は「50%くらい」を保っているという。

 1号店が出たのは13年12月。「値段のわりに良い牛肉が食べられる」として、各店に行列ができるほどのブームとなり、18年には202店を開店するなど出店を加速させた。19年12月末時点で47都道府県に計490店まで広がった。

 だが、早すぎた出店攻勢が裏目に出た。