リスクと保険

Vol.3 医療保険をどう選ぶか

  • 2013年10月21日

写真:対談する野口俊哉さん対談する野口俊哉さん

写真:対談する山口京子さん対談する山口京子さん

 こちらの方が保険料が安いから――そんな観点から見てしまいがちな保険。しかし、保障内容をみれば、自分に合っていない保険を選んでしまっているかもしれません。また、保険はいつでも、だれでも確実に入れるものではなく、加入時には健康状態の診査がある上、病気の方でも加入できる保険は、健康な方が加入できる保険よりも保険料が割高になるため、健康なうちの加入がおすすめであるとのことでした。

 今回はどのように医療保険を選んでいけばよいのかについて考えます。

具体的なリスクを
箇条書きにして考える

野口 山口さんは、医療保険選びや見直しのご相談に来られたお客様に、どういうご対応をされるんですか。

山口 まず、家族構成や世帯収入とその内訳、貯蓄額、保険の加入状況といった基礎的なデータ、さらに将来的なプランなどについてお伺いします。その上で、保険に対するご要望や現在抱えている問題点などについてお話しいただいています。

野口 保険を考える場合、やはりプロセスが非常に大切になりますからね。山口さんのようなFPに相談されるのではなく、ご自身だけで考える場合も、もし家族や自分が病気になってしまった場合、自分はどれだけ経済的に困るのか。そのとき、いくらあれば現状の生活を維持できるのかといったことを箇条書きにして整理してみると、具体的な経済的リスクが浮かび上がってきます。

山口 もし、今お父さんが長期入院することになったら、ウチは自営業だから収入が減ってしまう。貯蓄はあるけれども、それは子どもの学費のためであったり、老後の資金に充てたいから、取り崩したくない。住宅ローンや車のローンや生活費に、入院にかかる費用やお見舞いのための通院の交通費などの諸経費がも含めて色々なことにお金がかかります。じゃあ、いくら給付金を受け取れば無理なく生活が維持できるのかしら? という感じに順序立てると、わかりやすいと思います。

野口 もう一つ、注意していただきたいのは、近年家族の役割が変わってきていることです。以前は男性が働いて、女性は家事に専念するという片働き世帯が多かったのですが、最近では共働き世帯が増えています。夫と妻の収入比率も、妻のウェイトが徐々に高くなってきています。

山口 ご主人ばかりに保険を集中させて、奥様の保障は薄くなりがちですが、奥様の頑張りも家計を支える貴重な収入源。新しい時代の家族のあり方を考えて、夫と妻の保障のバランスを取るといいですね。

公的医療保険制度で
カバーしきれない部分も

山口 病気やケガをしたときは公的医療保険制度があるから、自分で高額の保障を用意する必要はない、民間の保険なんていらないという意見もあります。これについて、野口さんはどう思われますか。

野口 原則として自己負担はかかった医療費の3割。しかも、一定額以上の医療費がかかれば、その金額を超える部分についても「高額療養費制度」を使うことで負担を軽減できます。しかし、要件を満たさなければ高額療養制度は使えませんし、病気やケガで入院した場合にかかる費用というのは、病院等で支払う医療費の自己負担分だけではありません。ですから、必ずしも保険に限りませんが、病気、ケガに備えるお金を何らかのカタチで確保する必要がある、と私個人としては思っています。

山口 そう思います。例えば入院した場合、家族が通院するための交通費や入院に必要な備品などを購入する費用などはつい見落とされがちです。また、退院後の快気祝いなんかも意外にお金がかかりますよね。公的医療保険制度ではまかなえない出費が家計の負担になってきます。

野口 医療保険にある入院給付金は、一般的に入院した時に入院日数に応じて支給されますが、決して差額ベッド代などの入院費に限定して利用しなければいけないというわけではありません。そういった諸経費を民間の医療保険でまかなうという考え方もあります。

>>基本保障と特約で押さえるべきポイント

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PROFILE

野口俊哉

野口俊哉(のぐち・としや)

チューリッヒ生命チーフ・マーケティング・オフィサー、商品本部長兼マーケティング・コミュニケーション部長。日本アクチュアリー会正会員
慶應義塾大学理工学部卒。大手損害保険会社、生命保険会社を経て、2007年よりインターネット専業の生命保険会社の設立に参画。企画部長として商品企画・開発や広報等を担当。2012年より現職。マーケティング戦略、ブランディング、広報や商品企画・開発等において手腕を振るう。損害保険、変額年金保険、生命保険のすべての分野における商品開発ノウハウや営業経験を有する保険業界では数少ないアクチュアリー

山口京子

山口京子(やまぐち・きょうこ)

愛知県出身。2000年にFP(フィナンシャルプランナー)資格を取得。家計簿から保険、運用までお金のアドバイスをする家計管理の専門家。近著に「年収200万円からの貯めワザ生活」「嫁入り前の お金の作法」「そろそろお金のこと真剣に考えなきゃと思ったら読む本」がある


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