芸能TVウォッチ

メトロン星人かわゆす…ドラマ「怪獣倶楽部」に感涙

  • 梅田恵子
  • 2017年6月13日
  • TBS系「怪獣倶楽部~空想特撮青春記~」(C)「怪獣倶楽部」プロジェクト

[PR]

 「ウルトラセブン」50周年の中、ファンにはたまらない青春ドラマが登場した。TBS系「怪獣倶楽部~空想特撮青春記~」(火曜深夜1時28分)で、70年代の特撮マニアたちのアツい青春を描く。メトロン星人がちゃぶ台で主人公を励ますなど、セブンの名場面とリンクしたストーリーは感涙もの。おたく文化黎明期の若者の熱量に、企画責任者は「一緒に燃えてほしい」と話している。

**********

 特撮番組の怪獣の素晴らしさを後世に伝えようと、同人誌「怪獣倶楽部」を立ち上げた若者たちの物語。大学生のリョウタ(本郷奏多)を中心に、高校生からサラリーマンまで7人の怪獣マニアが集い、怪獣愛を極めながら互いに成長していく。主演の本郷のほか、柄本時生、ドランクドラゴン塚地武雅など雰囲気のあるキャストがそろい、濃すぎる青春を展開している。

 1話のテーマは、ウルトラセブン第8話「狙われた街」だった。セブンとメトロン星人がちゃぶ台をはさんで直談判する名場面が、リョウタとメトロン星人で実現。再放送世代から見ても胸躍るオマージュで、“円谷プロ協力”のありがたみを実感する。「われわれ人類は今、宇宙人に狙われるほどお互いを信頼していませんから」という有名なナレーションが初回のキーワードで、メトロン星人を通して、仲間との信頼や、恋人との信頼を学んでいくストーリーだった。

 メンバーたちには愛する怪獣が見えているという設定のため、喫茶店での編集会議の一角に普通にメトロン星人が座っていたりして、意外とかわいくてなごむ。イマジナリーフレンド(空想の友人)として、散歩するリョウタの後ろをついてきたり、ちゃんと恋人に謝れるように横で見守っていてくれたり。シュールな光景だけれど、情熱を傾けたものに人生を支えられている主人公たちがうらやましい。

 何か越しに被写体をアップで撮ったり、幻想的なシルエットにしたり、画角を傾かせたりする実相寺アングルがこの作品でも踏襲されていて、なんとなくかっこいい世界観になるから不思議。セブンファンならニヤリとする壁掛け時計など、気の利いた仕掛けも楽しい。制作のMBSは7年前にも昭和テイスト満載の特撮ドラマ「MM9」を作っていて、この手のセンスはピカイチ。メトロン星人といえば夕焼けという象徴的なシーンもラストを盛り上げていた。

 企画した放送作家酒井健作さん(44)は「特撮ドラマやロボットアニメを今のように大人も楽しめるコンテンツにけん引してきた人たちが『怪獣倶楽部』の関係者だったりして、調べると本当に面白いんですよ。おたく文化が一般化するはるか前から、周囲に変な目で見られても怪獣愛を貫き通した人たち。ちょうどMBSさんがマニアックな企画を探していて、こんな面白い人たちがいます、と」。

 ビデオ録画もない時代。記憶に焼き付けた映像をみんなで「脳内上映」するくだりや、テレビの音をカセットデッキで録音する涙ぐましい努力など、昭和あるあるもアツい。酒井さんは「そこまでやるか、というくらい一生懸命研究するんですよ。何でも見たい時に見られる今の時代と違って、飢餓感がすごかったんだと思う。この人たちの熱量には勝てない」と笑い「『すげぇな』と面白がりながら、ウルトラ世代も、若い世代も燃えてくれれば」と話す。

 今後の怪獣は、【2話】ガッツ星人(ウルトラセブン「セブン暗殺計画」)【3話】ゼットン(ウルトラマン「さらばウルトラマン」)【4話】ゴース星人(ウルトラセブン「史上最大の侵略」)というラインアップ。彼らから再びどんな刺激を受けられるのか、わくわくします。

【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)

日刊スポーツ

Copyright(c)日刊スポーツ新聞社 記事・画像の無断転用を禁じます

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

梅田恵子(うめだ・けいこ)

東京都生まれ。日刊スポーツで主に芸能面、社会面を担当し、主なスクープに小泉今日子結婚、広末涼子結婚など。やや辛口のコラムで知られ、テレビおたく、ドラマファンの立場から2010年より紙面等で「勝手にドラマ評」を展開。好きなドラマは「淋しいのはお前だけじゃない」、映画は「太陽を盗んだ男」。法大卒。超方向オンチ。

今、あなたにオススメ(PR)

Pickup!