ノジュール

<第44回>北斎晩年の傑作にあう、信州小布施へ

  • 文 田村知子(『ノジュール』編集長)
  • 2017年1月31日

岩松院の天井絵『大鳳凰図』

  • 2016年11月にオープンした「すみだ北斎美術館」。設計は建築家の妹島和世

  • 栗の名産地・小布施の風情ある遊歩道「栗の小径」

  • 北斎の天井絵が見られる北斎館

  • のどかな里山にある古刹、岩松院

  • 定期購読誌『ノジュール』2月号は発売中。写真は葛飾北斎『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』(すみだ北斎美術館)

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 昨年11月、東京都墨田区に「すみだ北斎美術館」がオープンし、世界の絵画にも影響を与えたといわれる北斎の画業に再び注目が集まっています。北斎は、墨田区の「北斎通り」付近で生まれ、ほとんどを墨田区内で過ごしました。その北斎が、80歳を過ぎてから作品制作のために4度も訪れ、世に流通する版画ではなく肉筆画を多く残したのが、信州・長野県の小布施町です。

 小布施は、長野駅から北西へ約20km、千曲川の東岸にあり、かつて船運で栄えた町。栗の里としても知られ、町の中心部には、栗の間伐材が敷き詰められた風情ある遊歩道「栗の小径」もあって町歩きが人気です。

 この「栗の小径」近くの「北斎館」には、北斎が描いた貴重な肉筆画40点が展示されています。もっとも目を引くのが祭屋台の天井絵。北斎80歳、2度目の滞在時に描いた東町祭屋台『龍図』と『鳳凰図』、さらに翌年、3度目の滞在時に取り組んだ上町祭屋台の怒涛図『男浪』『女浪』を実物の祭屋台とともに間近で見ることができます。

 もう一カ所、北斎が90歳で没する前年に描いたのが、中心部から少し離れた場所にある古刹・岩松院の天井絵『大鳳凰図』です。のどかな里山にたつ寺の大間には、極彩色の巨大な鳳凰が天井いっぱいに描かれています。その鮮やかさに目を奪われますが、天井絵が完成してから168年、小さな補修を2回行っただけで塗り直し等は一切していないといいます。

 まだ冬の寒さ厳しい信州ですが、もうすぐ春、日本芸術にふれる旅にでませんか。

 『ノジュール』2月号では、日本美術の隠れた名作が眠る旅先を紹介。アート県・香川の礎を築いた日本画家・猪熊弦一郎と、彼の手引きで高松にアトリエを構えたイサム・ノグチの作品とゆかりの地を訪ねる旅のほか、テーマ別の美術館、今年の注目企画展も掲載。ほか、最近気になるショートクルーズの旅や、井伊直虎ゆかりの地など、旅のヒントにしたい情報が満載です。

■ノジュール:鉱物学の専門用語で硬くて丸い石球(団塊)のこと。球の中心にアンモナイトや三葉虫の化石などの"宝物"が入っていることがある。

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