中村江里子 パリからあなたへ

フランスでの映画鑑賞

  • 文&写真 中村江里子
  • 2017年2月7日
  • 映画館の入り口です。入り口でチケットを購入できますが、インターネットで購入する人が多くなり無人機械でチケットを引き出します

  • 館内はこのような感じで細長いのです

  • こちらがチケットです

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 年始に義父母と映画の話になりました。「この間みた日本映画は良かったわ。まだみていなかったらお勧めよ」。映画の内容を聞きながら「あっ、それは『あん』ですね」と。あれ? そんなタイトルだったかしらと首をかしげる義父母。「いえ、フランスでのタイトルは『Les Delices de Tokyo』でした」。河瀨直美監督の『あん』の繊細な世界観にすっかり惹(ひ)かれていました。

 年末からは、日本で大ヒットとなった『君の名は。』が公開されています。フランスでのタイトルは『Your Name』。で、やはりヒット作です。日本の家族や友人たちに「絶対に子どもたちとみに行って」と勧められていますが、まだ行けていません。

 パリには大小様々な映画館があり、話題作を扱う大きな映画館や古いフランス映画だけを上映している映画館、世界の映画を上映している映画館があったりします。料金は映画館によって多少の違いはありますが、パリ市内ではおおむね14歳以下は4.5~5ユーロ(約545~606円)、18歳以下は7.5ユーロ(約909円)。大人は11~12.20ユーロ(約1333~1358円)くらいでしょうか。映画をよくみる人にはお得な会員システムがあったり、シニア料金があったり、午前中は大人も7.2ユーロ(約873円)で鑑賞できたりします。8月になると、パリの多くの人たちはヴァカンスに出かけてしまうため、割引料金になります。

 パリの街の様々な場所は、実際に多くの映画のタイトルにもなっていますし、フランスは映画発祥の地でもあります。街中には美しい宣伝ポスターが貼られ、それを見るたびに子どもたちに「みたい、みたい」と言われます。

 年末に家族で『A fond』というフランスのコメディー映画をみに行きました。入り口を入るとポップコーンの香りが漂ってきて、子どもたちはそちらに心惹かれていました。館内には大小の部屋がいくつもあります。私たちが通された部屋は、木のドアを開けると長細い部屋となっていて、スクリーンもあまり大きくありませんでした。実際にこれまでみたフランス映画のほとんどが、なぜかこのサイズの部屋。話題のハリウッド映画となると、まさに映画館というような大きな会場となるのですが……。でも、この小さな部屋で鑑賞することが落ち着くようになってきました。

 パリに住み始めた当初、よく通っていた映画館は本当に毎回、上映中に急にスクリーンが真っ白になり数分間途切れることがありました。みんな「あ~」と声を出すものの、文句を言う人もなくそれが当たり前かのように、静かに映像が戻るのを待っていました。再スタートすると拍手が起こるのです。そんな雰囲気さえも、また映画館で映画をみたいと思わせるのかもしれません。

 次回は2月21日の配信を予定しています。

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PROFILE

中村江里子(なかむら・えりこ、Eriko Barthes)

写真

1969年東京都生まれ。立教大学経済学部卒業後、フジテレビのアナウンサーを経て、フリー・アナウンサーとなる。2001年にフランス人のシャルル エドワード バルト氏と結婚し、生活の拠点をパリに移す。妻であり、3児の母でもある。現在は、パリと東京を往復しながら、テレビや雑誌、執筆、講演会などの仕事を続ける。2016年には「フランス観光親善大使」に就任。著書に『エリコ・パリ・スタイル』(マガジンハウス)、『ERIKO STYLE暮らしのパリ・コラージュ』(朝日新聞出版)、『女四世代、ひとつ屋根の下』、『マダムエリコロワイヤル』(ともに講談社)、新刊『ERIKO的 おいしいパリ散歩』(朝日新聞出版)と多数。

BOOK

「中村江里子のデイリー・スタイル セゾン・ド・エリコ」(扶桑社) 中村江里子 著

中村江里子のデイリー・スタイル セゾン・ド・エリコ

 丁寧に、楽しく素敵に暮らす日々をご紹介。特集はパリのマルシェ。パリの八つのマルシェの魅力をご案内。サプライズイベント「ホワイトディナー」や、日本で取材したファッション企画や合羽橋めぐりも必見! 見応え、読み応え十分の一冊です。

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