森秀光 お金のセオリー

将来の投資リターン「期待収益率」

  • 森秀光
  • 2017年2月8日
  •   

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【質問】10万円投資すると、半々の確率で2万円の値上がり益か、1万円の値下がり損のいずれかが発生するとします。あなたなら、どうしますか?

 これは2016年に金融庁により全国の個人に実施されたアンケートの質問です。質問に対して、約8割の人が「投資しない」と回答しており、損失回避傾向が強い結果となりました。「投資しない」という回答が不正解というわけではありません。「たとえ2万円もうかるチャンスがあっても1万円の損は受け入れがたい」という考え方にも合理性があるからです。

 「リスク許容度」には個人差があり、年齢・投資期間・収入・保有資産額・投資経験・金融知識など様々な要因で測られます。高いリターンを求めるなら高いリスクを許容する必要があり、一方でリスクを取りたくなければ低いリターンを受け入れるべきとされています。

 不確実なリターンについては、「期待値」の考え方を投資の判断基準とするのがセオリーです。「期待値」とは、ギャンブルや宝くじなら平均してどのくらいもうかるか、サイコロの目の数字なら平均していくつの目がでるか、「起こりうる値の平均値」のことです。例えば、サイコロを1回振った時の目の数は、何回も繰り返していくと、平均値がだんだん「期待値(3.5)」に近づいていきます。期待値は、それぞれの値にそれぞれの起こりうる確率をかけたものをすべて足して計算します。この質問では、

「期待値(期待収益)」=2万円×0.5+(-1)万円×0.5=0.5万円

と計算されます。つまり、投資元本が10万円で、期待収益(額)が0.5万円、すなわち期待収益率がプラス5%の投資について問われていることになります。

 回答結果の本質的な問題点は、期待収益率を判断基準にした人がほとんどいないと思われることです。「投資しない」理由として、「まとまった資金がない」「投資の知識がない」ことに加え、「そもそも投資に興味がない」「投資はリスクがあり怖い」ことを挙げている人が大半でした。「期待収益率」は、将来の投資リターンを説明する重要な尺度ですので、考え方だけでも覚えておきたいところです。

 いかに老後の資産を自助努力で形成するか、資産形成のために有価証券への投資は重要性を増しています。知識や興味がないことを理由に投資を行わないのはもったいないことです。いろいろな機会を利用して、金融や投資の知識を身につけておきましょう。

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PROFILE

森秀光(もり・ひでみつ)キャピタル・ソリューション(株)代表取締役

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1990(平成2)年大手証券会社に入社後、個人富裕層向けの資産運用アドバイス、上場法人向けのコンサルティング業務等に従事。2014年より現職。有価証券だけでなく、不動産、自社株、相続・事業承継等、多様な側面から顧客資産の分析を行い、最適な解決策を提供することを目指している。資産運用のプロフェッショナルとして、幅広く講演、研修、セミナー等を行っている。キャピタル・ソリューション(株)公式HP:http://www.c-solution.jp/

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