ノジュール

<第45回>千本桜から一本桜へ、東北ローカル線の春

  • 文 田村知子(『ノジュール』編集長)
  • 2017年2月28日

沿線の桜並木を走るフラワー長井線(時庭~南長井駅間)。(写真 米屋こうじ)

  • 最上川堤防千本桜。見頃は例年4月20日前後

  • 樹齢1200年という一本桜、伊佐沢の久保桜

  • 宮内駅のうさぎ駅長、もっちぃ

  • 縁結びのご利益がある熊野大社

  • 定期購読誌『ノジュール』3月号は発売中。写真は残雪に映える新緑と桜(JR只見線)。(写真 中井精也)

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 今回ご紹介するのは、東北・山形県の南部を走る山形鉄道フラワー長井線。その名の通り、沿線には花の名所が点在し、春が一気に訪れる東北では桜や菜の花も同時に開花し、目を楽しませてくれます。

 山形新幹線の赤湯駅から約40分、まずはレトロな駅舎の長井駅で下車。ここから徒歩15分ほど東に進むと、最上川の両岸約2kmにわたって桜並木が続く「最上川堤防千本桜」につきあたります。この桜は、大正天皇の即位を記念して大正4(1915)年に植えられたもので、すでに百年を経たソメイヨシノの並木は桜の一大名所になっています。ここから先、県道に沿って1kmほど行くと、樹齢1200年という国指定天然記念物、一本桜の「伊佐沢の久保桜」があります。根周りが10mにもなる東北屈指のエドヒガンサクラの巨木は、米沢藩主も毎年観桜に訪れるほどだったといいます。老木のため、今では幹が二つに割れているものの、たくさんの柱に支えられながら枝いっぱいに花を咲かせます。

 もうひとつ注目したいのが、赤湯駅から約5分の宮内駅。ここには、長井線のマスコット・うさぎ駅長の「もっちぃ」がいます。この町にある熊野大社の欄間に3羽のうさぎが彫り込まれていることにちなんで誕生したとか。駅員の「ぴーたー」もいて、全国のうさぎファンがやってくるそうです。駅から10分ほど歩けば、その熊野大社へ。縁結びの神様と伝わる神社では、本殿裏に彫られているうさぎを3羽すべて見つけられたら、恋も願い事も成就するといわれています。神社境内には、おしゃれで居心地のよいカフェも併設しています。春がきたら、のんびりローカル線の旅はいかがでしょう。

 『ノジュール』3月号では、春の小さな鉄道旅を紹介。千葉県いすみ鉄道の桜と菜の花のなかを走るムーミン列車をはじめ、全国の桜路線や「桜駅」とよばれる駅も掲載。ほか、一本桜や、いま注目の上質な民宿など、旅のヒントにしたい情報が満載です。

■ノジュール:鉱物学の専門用語で硬くて丸い石球(団塊)のこと。球の中心にアンモナイトや三葉虫の化石などの"宝物"が入っていることがある。

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